普通教科「情報」

プレゼンテーションの技術

今日は、朝一番で
体育祭準備等で汚れが目立つ校舎まわりの掃除があり、
その分1,2限は45分短縮で実施されました。
私は、その間教育情報化関係の調査報告を
11時のメール便で出すために、
あちこちデータをかき集めに走って
何とか間に合わすことができました。

2校分の先生方の持ち授業数や、
教室および時間割を必要としますので、
本当に大変でした。
こういう場合、
サーバ上のファイルを開いて探したりするよりも、
現地に出向いて直接取材するのが一番ですね。
何だか刑事さんにでもなったような心境です(笑)。

3限目は、ティームティーチングで
補助者として入っている
普通科情報総合コースの「情報C」の授業でした。
数時間がかりで創り上げた
プレゼンテーションのファイルをもとに
いよいよ発表会が行われるのです。

場所は、いつも実習に使っている
パソコン教室ではなく、
視聴覚教室を借りてありました。
九州工業大学情報工学部の学生さんによる
ワークショップの際、
パソコン教室で実施して
いろいろと問題点が生じていたので、
今後プレゼンテーションが必要な授業の場合、
極力視聴覚教室を借りようと
ペアを組んでいる先生と話し合っていたのです。

主として授業に当たっておられる先生の考えで
プレゼンテーション作成に当たり、
アニメーションの利用を
条件として挙げてあった事もあり、
生徒たちは、ほとんど全員、
思い思いにアニメーションを取り入れた
割合はでなプレゼンテーション画面を
表示し、説明を加えていました。

生徒に自己評価と相互評価をさせながら、
私も同じ項目で評価をしていきました。
項目としては、今手元にはないのですが、
「文字・画像の見やすさ」
「アニメーション」
「内容のわかりやすさ」
「発表態度」
といったものだったように記憶しています。

私が前任校の「情報A」の授業で
用いてきた評価表は、
「製作目的 & 内容」
「レイアウト(画面の見やすさ)」
「プレゼンのつながり(ストーリー性)」
「発表態度(話し方,喋る速さ,等)」
です。

共通点もありますが、大きな違いとして
私の方は、「つながり(ストーリー性)」を
重視しているという点があります。

生徒の授業ノートの写しが手元にあれば
もっときちんとした内容が載せられるのですが、
プレゼンテーションの授業を座学で実施する際、
次の内容を板書して
ゆっくりと説明していくスタイルを取っています。

   [制作段階]

(1)テーマの決定
(2)内容の構成(アウトライン)
(3)素材の収集・分析
(4)素材の組み合わせ
(5)内容の再構成

   [練習段階]

(1)発表ノート作成
(2)リハーサル
(3)発表ノート見直し
(4)発表内容の精選および記憶
(5)再リハーサル

   [発表段階]

(1)発声の方法(腹式呼吸)
(2)身振り・手振り
(3)目線の配り方
(4)効果音の利用
(5)小道具(ポインタ)の利用

およそ、これぐらいの項目を立てていたと思います。
授業の際、特に留意していた点は、

まず[制作段階]においては、
アウトラインを先に作ってから
素材集めをし、
少しずつ肉付けしていくようにさせたことです。
いきなり一枚ずつ
凝った内容で作り始めていくと
どれだけ時間があってもきりがないからです。

前任校では、授業で
プレゼンテーション制作の期間に入ったら
昼休みと放課後に
パソコン室を利用して課題の続きをすることを
認めていました。
そうすると、中身に凝る生徒と
そうでない生徒の差がはっきり出ます。
2週間ぐらい毎日残って作業し、
質・量ともにすごい内容のものを
作り上げる生徒がいる反面、
授業の実習時間の中で
ちょこちょこっと作業して
画面1枚だけの作品で終わる生徒もいるのです。

また、字の大きさについては、
実際に私自身が作った作品を見せながら、
これ以上、時が小さくなると
一番後ろの席の人が見づらくなる。
読めない画面は、いらだちを与えてしまうという点で
もっとも評価が低くなるという話をしました。
そして、くれぐれも小さい字で埋め尽くしたような
画面作りをしないようにと戒めました。

次に[練習段階]においては、
簡潔なノート作りを心がけるように
話をしました。
自分が思っている以上に
言葉で説明をするというのは
時間を要するものだということを
リハーサルを通して
感じ取って欲しいという願いをもっていました。

最後に[発表段階]においては、
スクリーンに映る画面は
補助的な情報であって
主体は、あくまで発表者の
声、身振り・手振り、目線、
そして小道具の利用法の方であることを
十分理解させたいと考えていました。

本当に極端な場合、
パワーポイントで作った画面は1枚だけでも
あるいは、全くなくてもいいわけです。
以前『教科「情報」設立の背景と「情報」の課題』の
中で言及しましたように、
「情報」が産業界の要請による
職業科目である以上、
プレゼンテーションを
コンピュータのソフトウェアで
実施できるようになることは
必要不可欠なリテラシーといっていいと思います。
しかしながら、
コンピュータのソフトウェアに頼り切った
プレゼンテーションは、
本末転倒だとも思います。

人と人、特にここでは1対多の
コミュニケーションにおける
基本的な技術として
声、身振り・手振り、目線、
そして小道具の利用こそが
より重要なのです。

基本的な技術習得に努め、
リハーサルを繰り返すことによって
プレゼンテーションに
ストーリー性や臨場感といったものが生まれ、
見る人の心を動かす力になるのではないでしょうか。

私は、十年ほど前に
エイズ教育の先駆的実践を買われ、
数多く講演に招かれ、
大勢の人の前で話をする機会を与えていただきました。

なかでも印象に残っているのが
大牟田市の文化会館大ホールを会場に実施された講演です。
職員研修会等の場合、たいていは
自分の講演、すなわち研修そのもの
というケースがよくありましたが、
大牟田市の場合、
数百人単位の教師・保護者の方々が
私の講演を聴くためだけに集まってくださったのです。
時間も1時間半たっぷり与えられていました。

それまではたいてい、
長くても1時間という講演が多かったので、
果たして1時間半もの間、
聴いている方を退屈させることなく
話ができるだろうかと
ものすごく不安でした。
なおかつ、おっちょこちょいな私は
事前に十分練り上げて作っておいた
メモを当日家に忘れてきてしまったのです。

こうなれば、開き直って
思いを伝えることに専念しようとしたことが
結果、吉と出ました。
公開授業の後、ある一人の生徒の
保護者の方からいただいた手紙の内容も
頭に残っている分の文言で
何とかカバーできました。

講演終了後、参加者のみなさんが
書かれたアンケートの束が
主催者から私の元に届けられました。
目を通すうちに
思わず熱いものがこみ上げてくるような
そんな、ありがたいメッセージの数々が
そこには書かれていました。

この講演で、私は極めて重要な二つのことを学びました。

(1)いざ話をしてみて、忘れるものは
   言う必要がないものだ。
   本当に言うべきことは、きちんと頭に入っている。

(2)講演をするに当たって、壇上から会場いっぱい
   集まってくださった方々のお顔を見ながら、
   この方々に話を聴いていただくのは、
   おそらく今日が最初で最後だろう。
   話の中身は忘れてしまわれても、
   私が伝えたい思いは、残るようにしたい。
   そうだ。日頃生徒に対してやっている授業も
   同じ気持ちでしたらどうだろう。
   この子たちに話を聴いてもらえるのは、
   最初で最後だと。
   自分自身さえ、その気持ちを持ち続ければ
   きっといつかは生徒にも伝わるのではないか。

(1)に関しては、生徒に面接指導をする際、
必ず言います。
生徒はその言葉に安心するようです。
生物学的に考えても、
どうやらこの考え方は正しいようです。
私たちの大脳は、
必要なことこそ残す働きがあるのです。

(2)に関して、この考えで毎時間授業をし始めてから
生徒との関係が劇的に変化しました。
端的に書きますと、
授業に対して、生徒の絶大な支持が
得られるようになったということです。
「生物」のみならず「情報」でもそうだったことが
昨年、突然の異動で学校を去ることになった際、
生徒たちから寄せられたメッセージの数々によって
わかりました。
本当にありがたかったですし、また大きな力になりました。

よく言われることですが、
私たちの授業もまた、
一つの立派なプレゼンテーションです。
基本的な技術そのものは共通なのです。

通る良い声で、メリハリをつけて話をし、
板書もしくはコンピュータの画面を見やすく簡潔にまとめ、
適度に身振り・手振りを交えて表現力を高め、
上手に目線を配って、コミュニケーションをとり、
小道具としてのポインタでアクセントを付ける。

教師歴20年にもなりますと、
のべ授業回数がざっと1万回ぐらいにはなるでしょうか?
教師に成り立ての若い先生が、
あるいは、教育実習生の人が
毎時間の授業で、これだけの技術を身につけたら
大きな力になるでしょう。
高い技術を身につけた教師が増えることこそ
学校を、教育を、荒廃から救う道だと思います。

生徒の初々しいプレゼンテーションを見ながら
もっともっと自身の技術を高めたいという
意欲をかき立てられた私でした。

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激動の一日がようやく‥(前編)

今日はいつもに増して忙しい一日でした。

十年経過研修の出張がらみの曜日変更に
体育祭関係の時間変更が重なって、
午前中1,2,3限と3連続授業になりました。
1限めは、専門教科情報の「情報と表現」
2,3限めは、TTで入っている普通教科情報の「情報C」です。

「情報と表現」は、いつもは私らしく
しっかりとノートを取らせて座学でやるのですが、
25日(日)に情報処理検定を全員受検させることもあり、
研究会の仲間の先生が作られた
情報処理検定対策のソフト(Excelのマクロ)を使わせて
しっかりと準備させました。
O先生、ありがとうございます。
また、折り入ってお礼の挨拶をさせていただきます。

「情報C」は、プレゼン実習に入っています。
主として授業に当たる先生が、前時までに
ひととおりPowerPointの使い方を説明してありましたので、
今日は、生徒が自主的に動いて作品作りに精を出していました。
テーマは、「自分の紹介」です。
趣味・特技や部活動等の内容を入れている者が多かったようです。

私は、午後に大変な仕事が控えていたのもあり、
いつもは補助者役でS.O.Sを発する生徒の手助けにまわるのですが、
今日は、実習助手の方も入ってくださったこともあり、
準備作業を並行してやらせていただきました。

毎時間、実習を始める前に
「パスワード忘れは?」と問いかけ、名乗り出てきた生徒に
教えるのが常です。4月から半年近く経過していますので、
当然平常点(本校では学習点と呼んでいます)減点です。

そのたびに、「こげんと覚えきらん!」と
まるで覚えさせる私たちの方が悪いみたいな言い方を
する生徒たちです。
「社会に出たら、もっと桁数の多いパスワードをおぼえて
ネットワークに入らないと仕事にならないよ」と
諭すのですが、果たしてどの程度思いが届いているのやら‥。

本校のパスワードは桁数が少ないので、それほど苦にはならないと
こっちは思うのですが、生徒はそうではないようです。
暗記をするということそのものが嫌いなのでしょう。
ひるがえって、我がITシステム科の生徒は
パスワード忘れで減点されるものは、さすがにもういません。
この辺は、実習の時間数の差もあるでしょうが、
「情報」の授業に対する意識の差も
表れてきているのかな?と考察しています。

唯一の空き時間であった4限めは、実習の後片付けと
午後使用するための準備、その後、小票提出作業といった感じで
あっという間に過ぎ去っていきました。

長くなりましたので、午後の出来事については
また改めて投稿することにいたします。

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