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2008年10月

ノートこそ最高の「情報手段」

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題し講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

「生物教師の作品集」『いのちのエイズ教育』(収録済)
「生物教師の生物学講座」
(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)

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『情報教育は,けっしてコンピュータ教育ではない。コンピュータ嫌いを作ってしまったのでは教科「情報」の意義は果たせない』この言葉は,平成12年3月に九州大学教養部にて実施された新教科「情報」指導者研究協議会において,当時文部省の調査官の方々が繰り返しおっしゃった言葉です。しっかりノートにも記録しています。情報教育の定義をきちんとした形で認識したのもこの時が最初でした。学会等の名称にも用いられているように,情報処理教育,教育工学,メディア教育など似たような名称をもつ教育の分野がたくさんある中で,「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」および「情報社会に参画する態度」という,いわゆる情報活用能力の3つの観点に基づく教育こそが,正しく情報教育であるということです。

私が教科「情報」の授業を担当し,意識して情報教育を行うようになって6年になります。この間,情報教育をコンピュータ教育に落とし込まないという戒めだけは常に持ち続けてきました。また,3つの観点についても手垢がつくまで学習指導要領解説の本をめくり,この上なく真剣に向かい合ってきたつもりです。

「情報活用の実践力」とは,情報教育調査研究協力者会議がまとめた文言では,「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力」となっています。コンピュータは有力な情報手段の1つであり,その活用が上記の能力に含まれていることは言うまでもありませんが,課題や目的によっては,必ずしもコンピュータを必要とせずに情報を活用する能力もまた必要だということです。

学校で生徒が学ぶ教科・科目の授業を,課題や目的として設定した場合,主たる情報手段は「ノート」ではないでしょうか。授業における主な情報は,①教科書の記述②板書③教師の説明④生徒の発言等です。これらの情報を取捨選択し,自分の「ノート」にまとめ,不足の箇所は調べ学習をしたり,教師や友人に質問したりして解決する作業は,上記の文言に書かれた,「必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造」する過程そのものであるといってよいでしょう。

私は,前述の通り平成12年の3月に文部省主催新教科「情報」指導者研究協議会(九州大学)に参加しました。これは,平成15年度から始まった教科「情報」の免許取得者養成のために3カ年にわたって実施された現職教員等講習会の講師の研究協議会でした。また,同年5月末から6月はじめにかけて,文部省主催第1回教育情報化推進指導者養成中央研修講座(茨城県つくば市国立教育会館学校教育研修所)に参加しました。全国の中学校・高校の数学・理科の教師50名の集まりでした。

新教科「情報」指導者研究協議会は,5日間のほとんど全日程が,大講義室における座学の講義でした。会場を取り巻くものものしい雰囲気の中,講師としての職務を全うするために,入れ替わり立ち替わり行われる講義内容の,現れては消えていくプレゼンテーション画面を,必死でノートに書き写す作業に没頭しました。全講義通して書いたノートは,70ページにも及んだのです。初日に受け取った「学習指導要領解説 情報編」(案)のコピーの束も幾度も繰るうちに,次第にボロボロになっていきました。それに比例するかのように,私の頭の中には,教科「情報」の成り立ちからその目的まで,徐々にインプットされ始めていたのです。

一方の第1回教育情報化推進指導者養成講座中央研修は,実習のみならず,講義の時間も含めて2週間のほとんど全日程が,デスクトップ型のコンピュータが置かれた机に座った形式での受講でした。講義の際は授業支援ソフトが用いられ,講師の画面を受講者が見たり,受講者の画面を講師側で確認したりされていたように記憶しています。北海道から順に,受講者番号順に席割りがなされており,九州から参加した私は,受講者番号が40番台であったので,部屋の最後方の座席になりました。縦に長い部屋でしたので,講師の姿や説明のために書かれるホワイトボードの字が見づらく,記録をとるのにずいぶん苦労したことをおぼえています。それに加え,講義中も目の前にはコンピュータ画面が常にちらついて,余計に集中力を保ち続けることが難しい状況でもありました。

最終日,研修記録や制作課題集等をMOやCD-Rに入れ,持ち帰る準備をしていた私は,新教科「情報」指導者研究協議会の時に感じた心地よい達成感が,十分得られないままの自分にもどかしさを感じました。2週間という長期にわたる研修を受けたにもかかわらず,内容が十分に頭の中に入っていない,消化不良のような感覚があったのです。

この年相次いで受講した2つの研修体験から,コンピュータ実習を特に必要とする以外は,まっさらな机の上で講義を受ける方が学習効率の点ではるかに望ましいという信念を抱くようになり,教科「情報」のすべての授業を,教室での座学中心に展開する現在のスタイルを確立しました。

手書きのノートこそが,もっとも効率がよく,役立つ情報手段であると再認識する体験を最近しましたので,そのことにもふれておきたいと思います。私は,一昨年,昨年と2年間にわたり,九州工業大学情報工学部の「情報」専修免許の免許法認定公開講座を受講させていただきました。「情報学」という確固たる学問体系の姿がおぼろげながら見え始めてくるとともに,コンピュータという機械が成立するに至る,いわばメタ-コンピュータ的な理論に接し,ぜひその面白さや意義といったものを生徒に伝えたいという気持ちが強くなりました。

私は,アウトラインプロセッサと呼ばれるソフトウェアを,ある面でもっとも進んだ情報ツールであると感じています。講演や研修会等に参加した際の記録や,毎日の授業の準備,および自分が講演・発表を行う際の骨子づくり等,実にさまざまな目的で日々活用しているところです。アウトラインプロセッサで作成したものは,きちんと章立てができた状態でテキストファイルに出力できるし,htmlファイルとしてそのままウェブを作ることも可能です。特に仲間と情報を共有したい場合,すみやかにメール等で提供できることが最大のメリットとなります。

一昨年度,免許法認定公開講座を受講するに当たって,例によって仲間への情報提供を念頭に置き,講義の記録をアウトラインプロセッサでとりました。しかしながら,いざテストを受験するためや,レポートを書くために見直した際,頭にさっぱり入っていないことがわかったのです。たとえば,「オートマトン」の講義で,非決定オートマトンを決定オートマトンに変換する方法論を習っていたにもかかわらず,まったく理解できていなかったりしました。結果的に,仲間の先生方に勉強会を開いてもらい,習ったものを自分でノートに手書きして,遅まきながらようやく理解できたという内容が多々ありました。

その反省から,昨年度は講義内容の共有という目的はひとまず置いておき,講座ごとに1冊のノートを手書きで作りました。のべ4日間の講義でほぼ1冊分の紙面が埋まります。後から見直しても,その時その時の講義内容を反芻することが出来ますし,自分が苦心して作り上げた数式やアイデアといったものが,乱雑な文字の羅列の中,輝きを放っているのがまたうれしいものです。今回の体験を通して,以前から自分自身が主張して実践してきた内容であるにもかかわらず,より一層,教師の板書と生徒のノートの呼応こそが,物事を学ぶ上でのキーになる営みであると確信するに至りました。

基礎教科である理科(生物)の授業において,十数年にわたり実施してきたノート作りの指導を「情報」においても踏襲しています。それは,次のような方法です。

①年度当初,第1回の授業でオリエンテーションとして先輩のノートの模範例を配付し,ノート作りのノウハウを指導する。
②ノートを横置きに使わせ,それぞれのページを上下2段に区切り,上段には板書をそのまま写させる。下段には口頭で説明した内容を書き取ったり,自分で勉強した内容を記入したりさせる。授業中に感じた疑問点を書くことも大いに推奨している。
③ノート検査の際の評価規準(A,B,CのうちB評価)として,「板書内容をきちんと写しておくこと」という項目を明確に示す。下段のスペースを工夫して有効に使えた場合,さらに上の評価(A)を与えることも併せて確認する。

このノート作りの方法は,初任者の教科指導員として,いろいろな授業を見学し,板書記録をとる際に独自に編み出したものです。板書内容をそのまま保存でき,研究の素材にできるというメリットがあったためです。この形で作るノートは,生徒の立場からは,授業に能動的に取り組むことができ,考査準備の際に授業内容が思い出しやすかったり,勉強しやすかったりするというプラス面があるようです。8月の終わりに,駿台予備校の夏季研修会で,2つの講座を受講しましたが,その際も,普段生徒さんに指導しているのと同様に,上段に板書を写し,下段に講師の説明を書き取るという方法で記録しました。講義スタイルの授業を聴く際,手前味噌ながらやはりこの方法がもっとも効率がよいように改めて感じた次第です。

「生物」のノートも太宰府高校の生徒さんが作ったものに,目を見張るすぐれた例がありますし,現在担当している修猷館の生徒さんも実に立派なノート作りをしてくれていますが,今回は,普通教科「情報」・専門教科「情報」のそれぞれの生徒さんのノート例を掲載させていただきます。

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教科・単元を好きで得意になる鍵とは?

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および本日10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題して講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

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明日(もう今日ですが)29日(水),我が修猷館高校に京都府から研修のための視察団がお見えになるのだそうです。多くは現場の高校の先生方のようで,各教科の授業見学をするとのこと。私の「生物」の授業もお一人が見学に入られるそうです。以前,このブログの中で書いたことがありますが,嘉穂総合高校時代,基本的にすべての授業がティームティーチングでしたので,常時教師仲間や実習助手の方に授業を見られていましたし,大学の先生方がビデオ撮影に見えたこともあります。つい先日も高校教科「情報」シンポジウム九州で講演をしたばかりです。見学者が入るから特別に意気込むなどといった気持ちはありません。普段通りの授業をお見せしようと思います。

単元的には,現在遺伝分野の連鎖と組み換えをやっているところです。昨日,サットンの「染色体説」の説明をし,ベーツソンとパネットが行った研究内容を用いて連鎖と組み換えについての導入部分を終えたところですので,明日の授業では,その理論的裏付けとモーガンの「遺伝子説」および三点検定交雑による「染色体地図」の説明および組み換え価の計算方法と演習,そういった内容になるでしょうか。

一般的に連鎖・組み換えのあたりになるとかなり苦手意識をもち,内容が理解できなくなる生徒さんが出てきます。しかしながら,私が独自に開発した遺伝学習メソッドは,メンデル遺伝から,連鎖・組み換えまで,簡単な作業を反復トレーニングすることにより,一貫して理解できるというものです。これを読んでくれているかつての教え子さんたちは,「三角形・丸丸丸・ブーメラン・残り一個」と書くと,「なつかしい!」という印象をきっともつことだろうと思います。

生物教師としての私の特徴の一つとして,生徒さんが比較的苦手にしやすい「遺伝」「遺伝子」「代謝」といった分野を教えることが得意中の得意ということが挙げられると思います。特に「代謝」を指導した思い出として,数年前,太宰府高校で実施された夏の進学セミナーの際,3日間の講義で,基本的な代謝マップを自分で描くトレーニングを行い,参加した全員,セミナーを境に「代謝」が苦手分野から得意分野に変わったということがありました。「遺伝」も同様です。私が作りました計算問題集のメソッドに従い,別の年の進学セミナーで,苦手意識を一気に払拭することに成功した生徒さんが数多くいました。

先日放課後,東大理Ⅰを受験するらしい3年生理系の生徒さんが,どこかの大学の過去問らしき酵素の問題を質問しに来ました。私は,酵素の前提となる触媒論を説明する際,大学レベルの内容を一部取り入れます。その方が触媒とは何か,さらには生体触媒である酵素と無機触媒とはどこが異なっているか等を理解させやすいからです。またその反対に,本来小学校の理科教育で教えておくべき,熱と温度の違い等も基礎の基礎まで掘り下げて説明することもあります。

幸い私は大学時代に小学生(1年生~6年生)の塾の講師と中学生(2年~3年)の家庭教師をした経験があります。いずれも全教科を担当しました。おかげで,小・中レベルの理科教育の単元内容もおよそは頭に入っており,時に必要があればそこに遡って指導するのです。この生徒さんも,多分酵素の性質や特異性について,より深く理解してくれたのではないでしょうか。満足気に帰って行く姿が印象的でした。

私自身の体験からも言えることですが,生徒がある教科・ある単元を好きで得意になるか,嫌いで苦手になるかという分かれ道において,指導する教師の影響力は絶大なものがあるように思います。遺伝学の祖と言われるグレゴール・ヨハン・メンデルは,自然科学を大変好み,上級教師の道に進みたかったが,得点が足りず不合格となり,結果,修道院勤務の道を選んだと言われています。メンデルの指導教員にもう少し力量があったら,1968年に「植物雑種の研究」が出版されることはなく,生物学史が今とは大きく変わったかもしれませんね。いずれにせよ,1900年にド=フリース,コレンス,チェルマクの3人がほぼ同時に「遺伝の法則」を発見することにはなったでしょうが,メンデルの先験的な研究成果がなかったら,彼らの業績の確かさがわかるためにはなお数年は要したでしょう。

明日の授業の単元内容を頭のどこかでイメージしながら文章を作っていたこともあるのでしょうか,例によって少し横道に逸れてしまいました(笑)。話を元に戻して,学ぶ側の立場から見た教科・単元を好きになるための要因,得意になるための要因を私なりに考察してみたいと思います。

好きになるための要因

(1)教科・単元の学習に興味を持つこと
(2)担当教師と良好な人間関係を保つこと
(3)教科・単元のテストで高得点を取ること

得意になるための要因

(1)教科・単元の学習に目的意識をもつこと
(2)自分の学習スタイルを確立すること
(3)教科・単元の学習に好んで向かうこと

こうして書いてみると,教師の役割は,教科・単元を好きになってもらうことの方にウェイトがあるように思います。得意になってもらうためには,ある段階から教師の手を離れた部分で生徒自身に学習スタイルを確立させる必要があるでしょう。私はその鍵を握っているのがノート作りだと思っています。この点につきましては,また別の機会に実例を挙げながら詳しく説明させていただきます。

上記(3)の部分で相互にリンクしていることに気づかれたでしょうか。基本的に,「好き」と「得意」は,循環関係になります。最初に教科・単元を好きになれば,テストで高得点が取れ,得意になるとともに,ますますその教科・単元が好きになります。理想的な好循環が生まれるのです。残念ながら,逆もあり得る訳です。きっかけが,そもそも食わず嫌いだったり,教師との人間関係だったりして,教科・単元を嫌いになると,テストで点数が取れず,苦手意識を持つともに,ますますその教科・単元が嫌いになります。

好循環を生み出す原動力は,生徒さんの努力もさることながら,私たち教師の役割に負うことが大きいと常々考えています。そのために,日々「語り」,「板書」,「ポインター」,「机間巡視」および「発問」といったそれぞれの教育技術を磨いていく必要があるのです。明日の京都府の先生による授業見学,日頃培ってきた技術を存分に発揮できる場となるように,より一層教材研究に励もうと思います。

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多くの出会いに満ちた週末2日間でした

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および本日10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題して講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

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25日(土)は,午前出前講義,午後修猷フェスト(中学生体験入学)が行われました。出前講義の全体会として,修猷館平成4年卒で私の後輩にあたる登山家の栗秋正寿氏が,「あなたはどんな“人生の山”に挑戦しますか?」という演題で講演を行ってくれました。北米最高峰のマッキンリーに史上最年少で冬季単独に成功,フォレイカーには冬季単独に世界で初めて成功という実績の持ち主だそうですね。美しいスライドと,彼の淡々とした語り口に,聴いている生徒さんも,そして私たち教師も,みなが魅了された90分間だったように思います。

修猷館に学ぶ者は,私たちの時代からもちろんそうだったのですが,一人ひとり何か夢中になるものを見つけ,それを我が猷(みち)として,卒業後の人生を歩んでいく強さ,たくましさをもっています。私自身が高校時代夢中になったのは,「水泳」と「日本文学」,そして「生物学」でした。振り返ってみると,その時見つけたものが,卒業から30年が経過しようとする今も,私のベースになっていることがわかります。

先日我が猷(みち)と書きました「授業道」に最初に目覚めたのも,振り返ってみると,やはり母校修猷で行った教育実習だったと思います。幼少のみぎりから二十年近く温め続けていたガンの研究者への思いを,母校の教壇は,たったの2週間で見事に奪い取ってしまったのです。それほどに自分が愛してやまない「生物学」を十代の若者に教えるということは私にとって魅力的だったのです。

修猷フェストでは,「生物研究部」のネズミの迷路実験とブロッコリーを用いたDNA抽出実験,いずれも大盛況でした。部活動見学の時間は,それほど多くはなかったのですが,ほぼ絶えることなく中学生と保護者の方が訪問してくださいました。「物理研究部」「化学研究部」と合わせてSSC(修猷館サイエンスクラブ)と総称するのですが,おそらく我が「生物研究部」の集客率は群を抜く高さだったのではないでしょうか。先生方も,館長をはじめとして多数訪れてくれました。ありがたいことです。やはりネズミの迷路実験は,話には聞いたことがあっても実際に見たことがある人は案外少なく,みなさん興味をひかれた様子でした。約1ヶ月がかりで準備に当たってきた甲斐があったというものです。2名の部員さんもきっと満足してくれたことでしょう。

一つ誤算だったのは,訓練した2匹の雌ネズミの対照実験(コントロール)として,まったく一度も迷路を体験したことがない雌ネズミを用意し,最初に迷路を通らせてゴールになかなかたどりつけない様子を見せてから,さて,訓練したネズミは…というストーリーを考えていたのですが,対照実験のネズミが殊の外賢く,3回目ぐらいからほとんどミスをしないようになり,あまりゴールまでのタイム差がつかなくなったということがありました。今回の場合,当日を初めての体験とするために賢さを確かめるすべもなく,致し方なくはあったのですが,春の大文化祭に向け,それぞれのネズミの迷路適応能力をきちんと数値化して,訓練ネズミと対照実験用ネズミを分ける必要があると感じました。

悲しい出来事が一つありました。私は,食べること以外では生き物の命を奪わない生き方をしているつもりですが,生物教師をしていますと,実験用の生物の飼育等をする必要があり,期せずして死なせてしまうということがどうしても起こります。4月からの約半年間で,採集したプラナリアや卵からふ化させたアルテミア(ブラインシュリンプ,シーモンキー)の死に接してきました。そのたびに何とも言えず悲しく辛い気持ちに襲われます。

約1ヶ月前,いただいたうちの1匹のネズミが右腕のあたりを腫らしているのを,元の飼い主である生徒さんが発見しました。傷口から細菌が侵入して炎症を起こしたか,はずみで骨折したかしただろうかと心配し,何とか治ってくれればという思いで,その後も観察を続けましたが,腫れは一向にひく気配がなく,むしろ日増しに大きくなっていきました。次第に私の心の中に,悪性腫瘍かも?という危惧が芽生えてきました。

そのネズミは,対照実験として選んだ分と同じゲージに入っていましたので,迷路実験の際に,一緒に連れてきていました。元飼い主の生徒さんも久しぶりに「生物研究部」を訪れて迷路実験を眺めていったのですが,その際には,腫れた右手をものともせず,元気にゲージの網をよじ登ったり,乗って走るとくるくる回るおもちゃで遊んだりしていました。

迷路実験を部員さんに任せ,ジョーシン九州に持参する資料の用意をしていた私のところに,一人が血相変えてやってきて,「先生,右手が腫れたネズミの様子がおかしいので見に来て下さい」と言いますから,すぐにかけつけました。さっきまであれほど元気に走り回る様子を見せていたネズミが床に横たわり,息も絶え絶えでした。どうしてやりようもなく,私に出来ることはただ見守るだけといった状況でしたが,最期に足を一度ピクッと動かしてこときれました。腫れた手の部分が頭よりも大きくなっている壮絶な最期の姿でした。元飼い主に最期に会えて思い残すことなく死を迎えられただろうかとは考えましたが,こみ上げてくる悲しみで,目に涙がにじんで来ました。私に出来るせめてものなぐさめとして,丁重にお墓を作り;「般若心経」を唱えさせてもらいました。

修猷フェスト終了後,後片付けにもあまり携われず,次に私を待つ北九州の地への旅立ちました。いったん小倉駅近くのホテルにチェックインした後,実行委員会副委員長の山之上先生,実行委員の一人でパネルディスカッションのコーディネーターでもある渡辺先生と落ち合い,食事を共にしながらシンポジウムの件を話しました。今回の講演を私はPowerpointのスライドを用いず,語りだけでやりたいと思っているが,と申し出ましたところ,快く賛成して下さいましたのでいよいよ心は定まりました。

いやそれではバランスが悪いから,やはりPowerpointを用意した方が,とのアドバイスをいただくようでしたら,その晩のうちに作ろうという心づもりもあったのです。ノートパソコンはホテルに持ち込んでいましたし,ディジタルデータもありますがら,スライドを20枚程度用意することはそれほど難しい作業ではなかったからです。昨年,鳥取で実施されました全国専門学科情報科研究協議会の発表スライドも前の晩,ホテルで作り上げたことを思い出します。いつもながら自転車操業状態ばかりやっている私です(笑)。

明けて26日(日),修猷館の先輩でもある実行委員長雨宮先生の「情報教育とは」と題する講演から「高校教科『情報』シンポジウム九州(ジョーシン九州)」がスタートしました。何度か一緒に飲んだりもしていますが,雨宮先生の情報教育への熱い思いには,いつもながら圧倒される気持ちにさせられます。大学の現場で長らく培ってきた「情報学」を高校現場における教科「情報」に取り入れ根づかせたいという趣旨で話されたました。スライドに表示される刺激的な言葉の数々が大変印象的でした。

午後の2つめは,「ユビキタス時代へのICT 教育と高大連携事業」と題する佐賀大学の中村先生のお話でした。実行委員会で,3月まで工業高校に勤めていた先生であり,極めて精力的に高大連携の取り組んでいる方だとお伺いしていましたが,IpV6を使った実践内容は本当に素晴らしいものがあると感じました。先生が勤務しておられた有田工業高校の生徒さんが佐賀大学の学生さんと一緒に有田陶器市等の地域の行事に参加し,生き生きとした表情で活動している様子が十分伝わってきました。

3つめは,「情報関連授業を支援する高大連携による遠隔TAの取組みについて」と題する山口大学の鷹岡先生のお話でした。ちゃぶ台に例えられように,インターネットの掲示板を利用して大学生・高校生・大学教員・高校教員が一体となってコミュニケーション活動を行っておられる取組につきましても,実行委員会の中で紹介があっていたのですが,実際に発表をお伺いし,特に素晴らしいと感じましたのは遠隔支援パターンをオートマトンの状態遷移図を用いて分析し,それをWebツール開発に生かしてあるという点です。

一昨年,九州工業大学情報工学部さんの情報専修免許公開講座の中で,オートマトンの講義を受け,ずいぶん苦労して勉強した記憶があります。非決定性有限オートマトンから決定性有限オートマトンへの変換も当時のノートを見直せば何とかまだやれそうです。オートマトンが教育活動の中に有意義に生かされている実例を知る機会を得て,また「情報学」への勉強の意欲も湧いてきたように感じます。

昼食をはさみ,午後はいよいよ私の講演の番が巡って来ました。冒頭,あえてPowerpoint等のスライドを使わずにさせていただく理由と,だからといって,スライドを使ったプレゼンテーションを軽視している訳では決してなく,前日に聴いた栗秋氏の講演などは,美しいアラスカの大自然の光景があってこそ余計に感動を生むのだからという話をさせていただきました。その後は,当初の予定通り,普通高校出身で勤務経験も普通科しかもたなかった私が数奇な運命をたどり,情報を基調とした学校作り,福岡県初の情報専門学科作りに携わるに至る経緯から始め,「高大連携」「マルチメディア教育」そして「情報モラル教育」を3つの柱とした話をさせていただきました。

講演内容を音声で公開するために,MDで録音したデータをコンピュータに取り込み,WAVファイル変換→mp3ファイル変換といった一連の作業をする際に,自分の講演内容を通して聴きましたが,やはりまだまだ技術的に未熟な面が多々あるように感じました。今回は情報量が多かったこともあり,少々早口になっている部分はある程度仕方なくはあるのですが,もっとこう表現すればよかった,この話も入れるべきだったと思う箇所もやはりあります。過去幾多の講演をこなしてきて,そのたびに録音した内容を自分で幾度も聴き直しては自分自身で添削して,また次に備えて…その繰り返しで今日までやってきました。ある面,自分に対して厳しく,より高度な「語り」の技術を身につけるべく努力はしてきたつもりです。耳を汚すことかと思いますが,上記サイトにデータを置いておりますので,興味をひかれる方は聴いて下さいますとありがたく思います。

なお,講演の中で25ページの内容という言い方で引用した箇所があります。ITシステム科の学科作りに当たり,私が入学してくる生徒さん向けに書いた文章です。以下に載せさせていただきますので,講演を聴かれる際,併せてご覧いただければと思います。

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 「情報」は,高度情報通信社会における“生き方”を学ぶ教科です。コンピュータを中心とする技術面の向上にのみ心を奪われることなく,自分自身の“生き方”をしっかりと見据えて学習に臨みましょう。
 何よりもまず,情報を取り扱う上でのモラルとネットワーク上のエチケットであるネチケットを身につけてください。原子力が戦争で用いられて多くの人の命を奪う結果になったように,科学技術は使い方を間違うと大変な災厄をもたらします。みなさんは,ITのスペシャリストとして誰よりも心正しき人になってください。
 “生き方”を学ぶためには,コンピュータに接してばかりいてはいけません。教室で黒板の内容や先生の話をしっかりノートに書き取り,自分の頭で考えながら授業を受けましょう。皆さんの頭脳に記憶されるのは,ノートの形です。自分の手で書いたノートは世界に1冊しかない最高の参考書なのです。「情報産業と社会」そして「情報と表現」の勉強を基本に忠実にきちんと行い,基礎力を固めてください。この一年で身につけた知識こそがみなさんの生涯の土台となります。
 「情報実習」を中心とする技術面の学習では,当面ワープロ検定3級に全員合格することを目標に,タイピングのマスターを心がけましょう。コンピュータを使いこなすためには,一つの作業にかかる所要時間を極力短くすることが肝要です。タッチタイプを身につけて,キーボードを自由自在に操れることが,ITスペシャリストへの第一歩といっても過言ではないでしょう。実習の中で取り扱うソフトウェアは,どれもIT産業に必要不可欠なものです。ここでも基本をおろそかにせず,先生の指導を素直に受け取り,1つひとつマスターしていきましょう。課題を与えられたら,まず指示を正確に守り,期日に遅れないように提出しましょう。創意工夫をこらしたり,仲間と協力して作品づくりをしたりできるとさらに高評価がもらえるでしょう。 
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午後の2つめは,福岡情報教育授業研究会の仲間でもあり,昨年まで一緒に情報専修免許公開講座を受講した同窓生でもある,山口県岩国高校の山下先生が「研修を活かした授業実践」と題して講演をされました。山下先生の情報教育に対する研究熱心さと情熱,そして生徒に対する思いは,以前からよく存じ上げていますが,お話を伺うために感銘をおぼえます。今回は,ディジタル化が主たるテーマでしたが,修猷館の「情報B」でも一年次の学習単元として「アナログとディジタル」を取り上げておりますんで,大いに参考にさせていただける内容でした。この場を使いまして感謝申し上げます。

プログラムの最後として,「高大連携」をテーマにパネルディスカッションが実施されました。高校現場からのパネリストである藤本先生・江副先生は,現職教員等講習会の講師仲間であり,藤本先生は理科の同期採用,江副先生は,福岡県高等学校教科等研究会情報科研究部会の立ち上げを一緒にやってきた同志でもあります。今回無理を言ってパネリストを引き受けていただき,大変感謝いたしております。

当日終了後,パネルディスカッションのまとめをコーディネータである渡辺先生よりいただくことができましたので,感謝の意を表し,公式記録としてここに掲載させていただきます。

パネル討論「高大連携」

討論者
 藤本直樹(福岡県立宗像高等学校)
 江副秀雄(福岡県教育庁教育振興部高校教育課)
 中村隆敏(佐賀大学)
 下川俊彦(九州産業大学)
コーディネータ
 渡辺健次(佐賀大学)

パネル討論の内容

1 これまで行われた高大連携の実践についてのご紹介

藤本先生
 社会の未来
 携帯で遠隔制御+遠隔講義

江副先生
 学校の情報化
 学校段階間の連携、大学での情報の入試

中村先生
 IPv6遠隔操作
 MEDIA TEENS LIVE、生放送による勉強

下川先生
 高大連携授業、高校の単位、科目等履修生
 IT講習会、高等学校教師を対象

2 現在の高大連携の課題について

藤本先生
 普通科高校の制約、守備範囲
 普通科高校での実施上の条件

江副先生
 情報で教える内容がはっきりしていない
 中学、高校、大学で教える内容の連携がない

中村先生
 現場の温度差、校長・教育委員会との意思疎通
 筋を通して事務手続き、学校ネットワークの問題
 新たな実践テーマを見つける

下川先生
 情報と情報の溝
 リテラシとコンピュータサイエンスの違い、数I

3 理想とする高大連携とはどのようなものか

藤本先生
 「夢」
 情報で何を教えるのかを考えていければ

江副先生
 先生の連携、生徒の連携

中村先生
 オープンな関係、共同研究という新しい関係、
 予算
 大学生が情報教育を真剣に考える

下川先生
 情報モラル、ただし中学校で教えるまで
 コンピュータやネットワークの楽しさ
 情報と情報の溝を埋めたい

土・日と,時間にすればいつもと変わらないたったの2日間なのですが,本当に盛りだくさんの中身でした。体験は時に人を一回りも二回りも大きくするものだと思います。私も,この2日間で少しでも人間的に成長できていたらうれしく思います。かなりの長文になりました。私のブログを訪問し,文章に目を通して下さいまして誠にありがとうございました。今後も応援どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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真に教ふべきことありて…再び

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものをmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「人権教育講演・性教育講演」
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今日,一年生の「情報B」の授業で,今日の情報社会における情報発信について説明している時に,ふと,2005年10月 7日 (金)付のこのブログの記事でみずからが書いた内容を思い出し,生徒さんたちに説明しました。

それが吉田松陰の「師弟論」の中の次の一節です。

大抵師を取ること易く
師を選ぶこと審かならず。
故に師道軽し。
故に師道興さんとならば、
妄りに人の師となるべからず、
又、妄りに人を師とすべからず。
必ず真に教ふべきことありて師となり、
真に学ぶべきことありて師とすべし。

当時の記事にも書きましたように,この言葉を私が深く記銘するようになったのは,教師に成り立ての頃,私を導いてくださった一人の先輩教師の影響でした。現在,生き方の土台ともなっている「禅」へと私を導いてくれた方でもあります。本当に自己に厳しく,他人にやさしい,先生らしい先生でした。白血病に冒され,誰からも惜しまれながら他界され,早11年半の歳月が流れました。出会った当時,生意気な若造だった私も,もうすぐ先生の享年に追いつこうとしています。

今日は夕刻から,先生の導きで加入した教職員団体の会議に参加しました。2月の研究大会に向けて,「携帯電話と情報モラル」に関する研究チームに招かれ,今日が2回目の会議でした。

県庁地下にあるその一室は,亡くなられた先生が,組織の長としての任務を全うすべく,発病のまさにその時に至るまで,専従として日夜働いておられた場所でもありました。私は青年部の長として,4年間仕事をともにさせていただきました。

当時,深夜まで一緒に過ごしていた場所にいて,はるかな思いに浸ると,今にも時間を超えて,坊主頭だった先生の,屈託のない笑い声が聞こえてきそうに思いました。ふと本棚に視線を動かし,目に飛び込んできた1冊の本の背表紙は,そんな私の思いをふいに現実へと引き戻しました。それは,まぎれもなく,当時私も一文を寄せた,先生の「追悼録」に他ならなかったのです。

「去る者日々に疎し」と世に言いますが,本当に大切な存在だった人のことは,けっして月日がたっても忘れることはないのだと改めて感じさせられます。

3年前,吉田松陰の「師弟論」をこのブログで取り上げ,

必ず真に教ふべきことありて師となり、
真に学ぶべきことありて師とすべし。

       を

必ず真に教ふべきことありて発信者となり、
真に学ぶべきことありて受信すべし。

ともじりました。

今日の授業では,そのことを一番伝えたかったのです。こうして,ブログを開設し,「チラシの裏に書いても…」といったたぐいの日記を書き並べることは誰にでも簡単に出来ます。ブログランキングのサイトを一瞥しただけで,その手のブログは山ほど見つかります。

技術的には,誰でも簡単に発信者になれる現代だからこそ,常に謙虚さを失いたくないものだと思うのです。私の書く内容にしても,ともすれば,「チラシの裏」に成り下がってはいないかと,忸怩たる思いを抱きはしますが,「ハート」の声に従って,今日も駄文を書き並べてしまいました。

明日の午後はいよいよ修猷フェスト,夕方からは北九州です。週末どんなドラマの数々が私を待ち受けているか,すごく楽しみです。私に出来る唯一のことは,その時,その時の,瞬間を最大限楽しむことですから,自らの務めを果たしながら,ゆっくりと時を味わい尽くしたいと思います。

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「授業道」こそ我が修む猷(みち)

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものをmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「人権教育講演・性教育講演」
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先ほど,前任校である嘉穂総合高校に勤務する先生の一人から相談の電話があり,話の流れから,いつものように授業に対する私の熱い思いを聴いていただきました。お忙しいところ,さぞ迷惑だったことかと思います。この場を使って,お礼とお詫びを申し上げます。

去る9月24日(水)に実施した「2年生性教育講演」のCDをお渡ししていたところ,ご自分が聴くのみならず,コピーをご実家のお母さんや妹さんにも差し上げられたとか。お母さんが高い評価をしてくださったとの話も伺い,たいへん嬉しく思いました。上記リンクにありますインターネットディスク上でmp3ファイルを公開してもおりますが,やはりCDの方が音質もよく手軽に聴いていただけるので,これからもお会いする方々に厚かましく(笑)お渡ししていこうかなとも思っているところです。

またいつものように話がそれてしまいました。脱線は,授業における私のクセでもあり,自分としては反省点でもあるのですが,代々生徒さんたちには好評です。今年は,進度をきちんと守る必要があり,あまり脱線話をしないようにはしていますが,現在「生物」の授業で取り上げている遺伝の分野で条件遺伝子の話をした際,教科書に例として灰色と黒色,そして白色のハツカネズミが掲載されていたのです。思わず,昨日の放課後,菓子パンのにおいを教えるために,ゲージに入ったハツカネズミにエサをちらつかせたところ,まるでブタのように鼻をつっこんで,手でネコパンチ(こっちの方は,我が家のペットのロシアンブルー兄妹がよく私に浴びせます)ならぬネズミパンチの嵐を浴びせてくる話をして苦笑を買いました。運動神経が素早い私は,ネズミパンチから見事菓子パンを守ることに成功しましたが,部員さんの一人が油断して菓子パンを盗られてしまった話も結構受けていたようです。

脱線から戻ろうとして,さらに脱線してしまいました(笑)。私はいったい何の話を書いていたのだったでしょうか???そうそう,授業技術の話でした。元に戻します。

「語り」の技術の大切さについては,電話の相手である先生にこれまでもたびたび語ってきました。だんだん,私の言わんとすることを,染み通るように理解して下さる様子が伝わってきてうれしく思います。「語り」の技術の例で,相手の先生が,落語を取り上げられたことがきっかけで,落語では,扇子が時には杯に,時には傘として使われ,表現上重要な小道具であるように,私たち教師にとって,授業中もっとも大切な小道具は,ポインターであるという話をしました。授業でポインターを使うという話自体,少々寝耳に水といった感じで,びっくりしてある様子でした。

そうなのです。授業をする教師に求められる技術として,「語り」「板書」と並び重要なのが,「ポインター」なのです。私としては,まず職場にいる間,ポインターを常時携帯することをお薦めします。いついかなる時に必要になるかわからないからです。理科の教師である私は,実験時の服装として当然のことながら,白衣をもっています。実験指導の流れで,教室での座学でも白衣を着てやっていた時期も以前ありました。

嘉穂総合高校に赴任して,LAN工事を自分でする必要性に迫られ,開校当時は毎日作業服を着て過ごしていました。嘉穂総合には,農業・工業の学科があり,生徒さんたちも担当教師の多くも作業服を着ています。ずばり,作業服が似合う学校だったのです。私の授業時のスタイルも上に作業服を羽織った形を自然と選びました。当時は,お客さんに応対する機会も多く,スーツをチョークで汚したくないという事情もありました。

4月に修猷館高校に異動になり,ホワイトボードの部屋もあった嘉穂総合の時以上に,教室でチョークを握り,文字や図表等を板書する時間が多くなっため,連日スーツを汚しまくりました。それに少々閉口した私は,転勤を機にいったんはお蔵入りしていた作業服を再び羽織り,教室に向かうようにしました。

現在,授業の時間が近づいてくると私はおもむろに作業服を羽織り,左の胸ポケットには,MDレコーダーを入れ講義の録音に備えます。また,ベルトの右側には,愛用のディジタルカメラをぶら下げ板書の撮影に備えるのです。左肩のポケットには,常時くだんのポインターが差し込んであります。これで授業準備完了となります。ちょうど,プロ野球の試合で,バッターが,ファウルチップよけのレガースや手袋をはめながら,自分がバッターボックスに入る順番を待つ心理に近いものがあるような気がします。

私にとって,作業服を着て,録音・撮影に備えるのは,一種の授業前の儀式なのです。それをしながら,数分後に迫った授業に向けて集中力を徐々にMAXに近づけていくのです。こればかりは体験してみないとわからないと思いますが,修猷館のような学校で1時間の授業をする緊張感は相当なものがあります。まず私語などは一切なく(居眠りは時々見受けますが…(笑))生徒さんたちの数十個の真剣なまなざしが,自分の一挙手一投足に注がれている感覚,それは,究極の喜びであると同時に,もの言わぬプレッシャーでもあります。もちろん,私自身はそれに応えるにふさわしい「語り」「板書」そして「ポインター」の技術を提供しているつもりです。

授業を授ける者と,受ける者との,いわゆる阿吽の呼吸は,半ば武道に通じるものであり,「授業道」とでも名づけるべきでしょう。生粋の生物教師である私は,日々,自己の「授業道」を極め尽くすべく,技術磨きに楽しく励んでいます。どうぞ今後とも応援よろしくお願い申し上げます。

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ネズミさんも一緒に奮闘中です(笑)

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものをmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「人権教育講演・性教育講演」
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1年10ヶ月の沈黙を破って,ブログを再開し始めた去る19日(日),「長い眠りより,ついに目を覚まします」という記事の中で私は,「会うたびに『先生のブログ,大変勉強になります。更新を楽しみに待っています』と言って,励まし続けてくれた方がいると書きました。今日,期せずして会議のためにその方が私の職場にお越しになり,話をする機会を得ました。上にリンクを張った「性教育講演」のCDを謹呈するとともに,ブログ再開を告げたのですが,もう訪問して下さいましたでしょうか。口頭でも申したかと思いますが,この場を使って改めてお礼を書かせていただきます。温かい励ましに対し,本当に心より感謝いたしております。

その方がお見えになった際,私が何をしていたかと申しますと,顧問を務めております生物研究部の部員である生徒さん,高校の後輩の一人でもある実習助手さんと3人で,飼育中のハツカネズミ2匹に迷路学習をしこんでいたのです(笑)。「修猷館高等学校公式ウェブ」のトップページに記載されておりますが,25日(土)に「修猷フェスト(中学生体験入学)」が実施されます。その際に,生物研究部の目玉として迷路をあっという間に通り抜けるかっこいいネズミの姿を見せようというわけなのです。

こう書くと,修猷フェストのためにネズミを購入したかのように感じられるかもしれませんが,そうではありません。以前,修猷館の生物教師を勤められ,若年退職なさった方の娘さんが現在1年生に在籍しています。その生徒さんから,半月ほど前,中学校で取り組んだ総合的な学習の研究のために飼育していた白いハツカネズミ(いわゆるアルビノですね)がいるので,生物研究部に譲りたいという話があり,ありがたくお受けしていたのです。約束の当日は,お父さん(元教員であると同時に中学校の先輩でもあります)と二人連れだって,ゲージやエサなどの飼育セット1式と一緒に5匹のネズミをくださったのです。本当に願ってもないありがたい話ですよね。

ネズミの姿を見た瞬間,私の「ハート」(19日(日)の「心の想いを満たす素晴らしさ」参照)は,ネズミを譲り受けた→近いうちに修猷フェストがある→迷路学習をやらせたい!という声を上げました。部員の生徒さんも大いに乗り気でしたので,さっそく迷路の制作に入ったのが先週のことです。教職員と生徒さんに募り,街中を歩き回りたくさんのお店にお願いして,材料となるかまぼこ板を集め,18日(土)にようやく50cm四方の迷路が完成していたのです。今週に入っていよいよ訓練に突入し,今日が3日めでした。飼育していた生徒さんから,大好物は菓子パンと聞いていましたので,ゴールに菓子パンを置き,無事たどり着くとそれにありつけるようにして仕込むのです。

かまぼこ板3~4枚を使った部品を組み合わせ,自由自在にレイアウトが組めるように工夫しています。私は,部品作りを担当し,手持ちの電動ドリル2個を駆使して1週間がかりで用意しました。レイアウトは部員さんが考えたものです。スタートしてからゴールにたどり着くまでのタイムも部員さんがストップウォッチをつかって計ります。今日,トライしたネズミのうち1匹が,過去最高の約10秒というタイムをたたき出しました。この調子なら,25日当日も,観客を大いに楽しませてくれそうで,期待大です。

1

ネズミの迷路は,生物学における動物の学習行動としては定番の1つであり,迷路の図とともに,有名なエビングハウスの学習曲線がたいてい教科書や図録に載せられています。私が教育実習に訪れた際に,二百年記念の大文化祭が開催され,生物研究部の客寄せとして,やはりネズミの迷路をやっていたことを思い出します。二学期制への移行に伴い,以前は6月に行っていた大文化祭が3月に動きました。実は,今回50cm四方だけではなく,その約4倍の面積である90cm四方の迷路も作ろうとしているのです。あともう少し,かまぼこ板が集まればそちらも作れそうなところに来ています。

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今回の修猷フェストでは,50cm四方だけにとどめようと思いますが,半年後の大文化祭では,90cm四方の巨大迷路を見事通り抜けるネズミの姿をお見せしようと計画しています。私が知る限りでもあまり例がないほどのスケールですので,見事仕込みに成功したら,新聞・テレビなどマスコミも大きく取り上げてくれるでしょう。今から楽しみです。

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「教科書」への格別の思い-型から入り型から出る-

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今日は,事前にお願いして「生物」の教科書編纂に著者として関わらせていただいております会社の担当の方に来ていただき,半年間実際に授業で使用して改善すべきだと感じた箇所の指摘をしました。その中には,5年以上前の手書き原稿の段階から,繰り返し繰り返し目を通してきたはずなのに,なぜこんな問題に気づかなかったのだろうと思う箇所も多々ありました。会社の担当の方も私同様の感想を述べてもありました。

私は,教師になって以来,教科書に対しては格別な思いを抱いてきています。学校教育の成否(このような表現を私自身は好みませんが便宜上使わせていただきます)の鍵は,教科書が握っていると機会あるたびに主張しても参りました。私の担当する教科は,「理科」・「情報」ですので,「地歴・公民」の教科書をめぐり,中国・韓国等の国家間でとり立たされる,いわゆる教科書問題のことは念頭に置いておりません。純粋に授業で用いる際の成果という意味です。

よく「教科書を」教えるのではなく,「教科書で」教えるのだと言われます。それは,確かに正論ではあるのですが,一方で,教科書を使うのが苦手な教師,教科書を離れて好き勝手に教えたい教師の免罪符としてこの言葉が使われている向きもあるのではないかとにらんでいます。「型から入り型から出る」という言葉があります。私は「教科書を」教えてきた教師こそが,時に「教科書で」教えることもできるのではないかと思います。特に若い教師の方に対して強く警鐘を促したいのです。いったん我流が染みつくと,それから抜け出るのは大変だからです。

私はよく教科書の一言一言をなめるように(笑)使うと言います。事前の教材研究で,そして授業の最中も,そのぐらい徹底的に教科書の内容を精査し臨むのです。必然的に板書内容も洗練されたものになり,それを写す生徒さんのノートも学習効果の高いものになります。いずれノート作りの取組についても,このブログで詳しく紹介したいと思うのですが,私が,年度初めのオリエンテーションで生徒さんに必ず言う言葉があります。それは,「ノートこそお金では買えない世界でもっとも優れた参考書」というものです。現在,定期考査に併せて検査をするたびに,見事としか言いようがないノートの数々が集まってきます。

先日,東大受験対策の講座として私の高校時代から有名でした「増進会(Z会)」の方が営業活動で訪問され,生徒さんたちのノートの見本をお見せしたところ,感心・感激しておられる様子でした。今の形のノート作りをさせるようになって現任校で3校目ですが,前々任校の太宰府高校および前任校の嘉穂総合高校の生徒さんが作ったノートにも目を見張る素晴らしいものがあり,コピーとして残している見本は私の一生の宝物でもあります。

今日は,教科書の話題で書き始めたのに,ノートの方に話がぶれてしまいました(笑)。教科書のことに戻しましょう。前述の通り,私は教科書を極めて大切に取り扱う立場ですから,常々各会社さんに対し,「教科書がよくなるためでしたらどんな協力でもいたします」と申し出ています。その言葉に嘘はなく,これからも「生物」「情報」の両教科とも,教科書の内容をますます洗練されたものにできるように貢献していくつもりです。教師になって二十三年間「教科書を」教えてきた私だからこそ,それができると自負しています。

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オセロ強いですねぇ……(汗)

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訪問していた方に一息ついていただこうと,右の欄に各種ゲームを置いてみました。私自身は,PCでも携帯でもふだんあまりゲームはやらないのですが,試しにオセロをやってみました。これが強いですね!まったく歯が立たず,私の白は,コンピュータの黒にほとんど0にされてしまいました(笑)。う~ん。私が弱すぎるのでしょうか?それとも……?

実は,これ見かけは私とコンピュータの対戦ですが,そうではないのです。といいますのは,コンピュータが打つ手をプログラムしたのは,紛れもなく誰か一人の(あるいは複数の)人間であるからです。プログラムは,おそらくC言語かJAVA等の言語で書かれており,コーディング(プログラムの打ち込み)自体は単純作業に近いはずです。肝腎なのは,それに至る「アルゴリズム」です。そう,私が実質的に対戦しているのは,オセロの「アルゴリズム」を作った人だということです。相当,オセロに強い方なのでしょうね。

平成12年~14年の3カ年間にわたり実施された福岡県の新教科「情報」現職教員等講習会で私は「アルゴリズム」チームのリーダーを仰せつかりました。理科の中でも専門が生物で,コンピュータを専門的に学んだことなど皆無である私がなぜ?という思いは正直なところありました。一応,大学生の頃から、BASIC言語を用いたプログラミングを行っていましたので,幸い「アルゴリズム」そのものへの親近感はありました。しかしながら,「アルゴリズム」を体系的に学ぶのもまったく初めてでしたので,「線形探索」「二分探索」といった用語自体を大変新鮮に感じました。

私の役割は、実習面における指導内容の協議を主導したり,各チームのメンバーに教材を提供したりすることと,講義を担当することでした。チームで実習の指導に当たるのと比べ,講義は長時間自分一人が行う上に,教育委員会の指導主事や講師仲間の目にもさらされるので,大変なプレッシャーがありました。分野によっては,講義の中で文部省提供のビデオを使えたのですが,私の「アルゴリズム」に関してはそれもなかったので,すべて自前で用意しなければなりませんでした。

講師陣全体が同じ方針だったのですが,Microsoft Powerpointを用いたプレゼンテーションの形で講義を行うに当たって,プレゼンテーションのデータをいかに作るかが重要なテーマでした。「アルゴリズム」は「モデル化とシミュレーション」と並んで,もっとも受講者にとって難度が高い分野だろうと言われていたので,なおさらのことだったのです。私は,いかにすれば,受講生の先生方の気持ちを和らげ,「アルゴリズム」に親しんでもらえるかという点に心を砕いて試行錯誤を繰り返し,データが完成したのは実に本番の数日前というありさまだったことをおぼえています。

ファイルの内容も含め,講義に際して次の5点に関して工夫を行いました。
①画面の雰囲気を和らげるために,各スライドに夏の風物詩のイラストを1つずつ入れ る。
②「アルゴリズム」を考える手法として用いられる流れ図の各記号をクイズ形式で問い,楽しく学んでもらう。
③「アルゴリズム」の原理をわかりやすく説明するために,適宜アニメーションを用いる。
④講義と実習を連結させるために,講義の最後で「アルゴリズム」の練習問題を提示し,その答合わせと解説を実習の方で行うようにする。
⑤「アルゴリズム」の応用として,実際に私がプログラムし,勤務校の体育祭で人文字 を作るのに毎年用いているソフトウェアの動作画面を見せる。

果たして,私の講義は仲間内にも,受講者の間でも大変好評であったと聞いています。今でも初めてお会いする「情報」担当者の方から,当時の講義内容が印象に残っているという話を伺うことがあり嬉しく思います。特に評判がよかった「アルゴリズム」の自作練習問題を紹介しておきます。私が把握しているだけでも当時講習を受けた仲間2人が,実際に「情報」の授業で練習問題として使ってくれているようです。興味がある方は挑戦してみて下さいね。

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テニスが好きなBさんは、高校に入学したあかつきにテニス部に入るかどうかについて次のように考えました。

「私が得意なのは、硬式の方だから、部活動が軟式しかなかったら入るのよそうっと。それから、試合に出られないというのもつまらないから、硬式庭球部があっても、上級生の人数が多い時も入りたくないなあ。 帰りが遅くなりすぎるのもパスよね。練習終了が、18:30までだったら入部を考えてみようかな。でもでも一番肝心なのは、かっこいい先輩がいるかどうかよね。もし、好みのタイプの人がいたら、3つの条件すべてだめでも入っちゃおうっと」

この「アルゴリズム」をJIS準拠の流れ図の形で書いてみましょう。
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「ジョーシン九州」1週間後に迫りました

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」 (テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題) および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを mp3ファイルにしました。

興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。

→リンク先 「人権教育講演・性教育講演」

ファイル名「平成20年度人権教育講演.mp3」,「平成20年度性教育講演.mp3」

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「生物教師の生物学講座」(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)は,こちらです。

過去,東京・大阪でのみ開催されていました高校教科「情報」シンポジウム(略称:ジョーシン)が来る26日に初めて九州にて開催されます。
;「高校教科「情報」シンポジウムin九州」

プログラムをご覧くださいますとおわかりの通り,私は午後40分間の時間をいただき,「専門教科情報に学んだ3年間」という演題で講演を行います。論文集に掲載する原稿はすでに送付済みです。A4で7ページという大作になりました(笑)。

予告編ということで,論文のアウトラインのみ紹介させていただきます。興味を持たれた方,お手すきでしたら26日(日)北九州市小倉北区西日本総合展示場にお越し下さい。

「専門教科情報に学んだ3年間」

あらまし: 私は,前任校である福岡県立嘉穂総合高等学校に平成16年11月1日付で赴任した。翌年4月の開校に向けて準備が進んでいる中に飛び込み,学校全体の情報化を担う情報管理部の主任と福岡県初の情報専門学科であるITシステム科の主任という2つの大きな仕事を任され,以後3年半の間日夜奮闘努力してきた。今回の高校教科「情報」シンポジウムにおいては,私が専門教科情報と取り組む中で学んだものを「高大連携」,「マルチメディア教育」および「情報モラル教育」の3つを中心に講演をさせていただこうと思う。

キーワード: 専門教科情報,高大連携,マルチメディア教育,情報モラル教育

1.はじめに
2.情報専門学科づくり
 (1)ITシステム科設置
 (2)特色ある科目
 (3)学習のためのアドバイス
 (4)外部連携
  ①教職を目指す学生による地域教育貢献の一環としての研究内容紹介およびガイダンス
  ②課題研究の支援
  ③生徒の大学訪問
3.専門教科情報の授業
 (1)座学への取組
 (2)実習への取組
4.「情報モラル教育」への取組
 (1)「情報モラル」教育の必要性
 (2)4年間の「情報モラル教育」実践の概要とねらい
 (3)「情報モラル教育」実践の成果と課題
5.おわりに

いよいよ開催まで1週間を切り,本格的な準備に入らなくてはならなくなってきました。当初の予定では,Microsoft Powerpointを用いてプレゼンテーションの形で実施しようかと思っていましたが,ここに来て,嘉穂総合高校で実施しました「人権教育講演」「性教育講演」同様,語りだけで40分間勝負しようかなとも考えています。前回書いた内容に従いますと,「ハート」がそうしたがっているといいましょうか(笑)。大学の先生方が学会等で講演・発表をなさる場合,スライドなしでということはあまり例がないでしょうから,語り1本でという形は違和感をもってとらえられるかもしれませんが,だからこそやる意義があるとも言えます。

私は常々,Powerpointへの頼りすぎに警鐘を鳴らしてきています。語りの技術が未熟な部分をスライド画面を使うことでカバーする気持ちが少しでもあれば,危険な兆候だと思います。実際,語りがへたくそでも,Powerpointを使うと間がもてるという事実は間違いなくありますから頼る気持ちをもつ人も少なからずいるのではないでしょうか。

過去のブログ記事引用で恐縮ですが,私自身2005年の3日間分の記事で,次のように書いています。

-----------引用開始-------------

2005年10月28日 (金) タイトル「プレゼンテーションの原点」

今日は、午後から地元嘉飯山地区のある中学校の進学説明会に招かれ、出向いていきました。4月以降、中学校の説明会には、これまでかれこれ5,6校は行ったでしょうか。

会場は、体育館や図書館などまちまちでした。時間はたいてい15分から20分の割り当てですが、ちゃんとプロジェクタとスクリーンの用意がしてあってノートパソコンだけ持ち込めばすぐにプレゼンテーションができる設備を整えてくれています。今日の学校も同様にプレゼンの準備がしてあるものと思いこんで、学校に向かいました。

資料としては、中学生進路相談事業用に作ったプリント1枚と他校の生徒さんから寄せられた質問に丁寧に答えたQ&A集2枚、それに本校ITシステム科と九州工業大学情報工学部との連携事業を報じた地方紙の記事1枚の計4枚を生徒・保護者・教師の人数分用意していました。

控え室に案内されて、話をした際に当然「YES」という答が返ってくることを期待して「プロジェクタとスクリーンは用意してありますか?」と気軽に尋ねました。すると、予想とは裏腹に「ありません」との返答でした。お話から察するに、これまでプロジェクタを使われたこと自体あまりない様子で「さて、どこにしまってありますかね」とおっしゃる始末です。

中学校に招かれた際、あるいは学校に体験入学で見えた際、いずれもPowerPointを用いたプレゼンテーションの形で説明してきた私は、一瞬とまどいましたが、こうなったら、日頃トレーニングしている成果を発揮するまでと開き直りました。

10月8日に自分の出演したラジオ番組が放送されて以来、車の運転中、繰り返し繰り返し自分の話した内容を聴いてうまく表現できている箇所やこうすればもっとうまくいく箇所微妙に見え隠れする言葉のくせ等を自らチェックしてきました。

何かの技術を高めるのに“繰り返し”というのはすごく重要だと思います。聴いていくうちに相手方のアナウンサーが私に応対している時とほんの一言だけ、曲の紹介をされる時と微妙に発声が違うことに気づきました。気さくな雰囲気の発声と仕事に徹した発声といえばいいでしょうか。その切り替えが瞬時になされているのです。さすがは、プロだなあと感心してしまいます。

今日、説明会では実に久しぶりにプリントを元に言葉と身振り手振りだけの勝負に挑んだわけですが、果たして、結果は○でした。

導入で、農業高校の伝統をくみ、たくさんの動物が校内に飼われている話をし、実は、世界で一番速く走る鳥がいるのです。この卵、見たことありますか?と言いながら、おもむろに用意しておいたダチョウの卵を袋から取り出して見せました。

私が、昨年11月に赴任してすぐに見たダチョウの卵を欲しくて仕方がなかった話や6月に生まれた卵を首尾良く買うことができて苦労してドリルで穴を開け、中身を食べた話をすると会場は一気に笑いに包まれ大いに盛り上がりました。

聴いている生徒さんや保護者の方が私の話にどんどん引き込まれる様子が手に取るようにわかり、プリントの内容に入ってからもさらに気分が乗って、実にスムーズに説明をしていくことができました。

機会ある度に授業技術を磨くことの重要性を説き、常に自分自身の技術を磨くように心がけている私です。以前も紹介したかと思いますが、中学生の時に初めて目にして以来座右の銘にしてきたギリシアの哲学者エピクテトスの言葉「困難は、人の真価を証明する機会である」を実地に体験できた進学説明会でした。

やはり、プレゼンテーションやコミュニケーションの基本は“語り”であることを再確認できました。そういう意味でも音声だけで勝負するラジオ番組に出演する機会を得たことは貴重な体験だったと思います。

2005年11月16日 (水) タイトル「中学校進路説明会参加」

午後から中学校説明会に出向きました。

町民センター大ホールといった会場で実施され、プレゼンテーションソフトが使えず、口頭で説明しました。

非常に反応が良く質問も出たりしてうまくいったと思います。

2005年11月17日 (木) タイトル「今日も中学校進路説明会に‥」

今日も午後から中学校説明会に出向きました。

体育館での実施でした。プレゼンテーションソフトが使える準備を整えてあり、プロジェクタとの接続も大変スムーズにいきました。

新校舎が有する多目的な広場の利点をPRすべく図や写真を用いてプレゼンテーションを構成したのですが、口頭のみの時に比べると内容を説明することに追われ生徒や保護者の方の気持ちを十分に引きつけるには至らなかったように思います。今後の課題ですね。

-----------引用終了-------------

このように,Powerpointを使った,使わないでそれぞれメリット・デメリットはあるわけです。これまで数多くPowerpointを用いた発表をしてきて,私が問題点として感じ始めたのは,聴衆の方の視線です。演題が中央にあり,スクリーンが左右どちらかに掲げてある会場ですと,どうしても聴衆の方の視線は,発表者とスクリーンとに分散されてしまいます。視線が分散するということはとりもなおさず心も分散するということです。

嘉穂総合高校における過去5回の講演(「人権教育」2回,「性教育」3回)をすべてPowerpointなしでやってきて,結果的にはそれが成功の秘訣だったように思うのです。高校生にとって,45分間という時間はけっして短くはなく,途中気持ちが切れたり,眠気が来たりしがちだと思いますが,視線を切らなかったことが彼らの集中力維持に多大な貢献をしたことは間違いないのです。

こうして記事を書いてみると,やはり私は今回の40分間の講演を語りだけでやりたいのだということが再確認できました。ぜひ,その方向で参加者の方に聴いて良かったと思っていただける講演内容に出来るように努力してみようと思います。

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心の想いを満たす素晴らしさ

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」 (テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題) および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを mp3ファイルにしました。

興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。

→リンク先 「人権教育講演・性教育講演」

ファイル名「平成20年度人権教育講演.mp3」,「平成20年度性教育講演.mp3」

「生物教師の作品集」『いのちのエイズ教育』(完全収録済)は,こちらです。

「生物教師の生物学講座」(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)は,こちらです。

訪問してくださいました方,本当にありがとうございます。心より感謝申し上げます。

ブログを休止しておりました約1年10ヶ月の間,私は,自分の心の声に素直に従うという生き方をしてまいりました。「心」という漢字1文字の言葉には,実は2つのものがあるということをご存じでしょうか。1つは,理由も脈絡もなく,ある瞬間,湧き上がってくるような想いであり,もう1つは,その想いに対して「でも…」「やっぱり…」等の理由をつけたり,言い訳を考えたりする大脳新皮質の働きです。区別する意味で私は前者を「ハート」,後者を「マインド」と呼んでいます。私が素直に従った心は「ハート」の方であるとご理解いただければと思います。

「ハート」はあくまで瞬間の想いであり,時間には住めませんので,結果的に「ハート」を受け取った「マインド」と,それを評価し判断する「マインド」という2つの「マインド」が生じることになります。両者がそれぞれ主張し合い譲らない状態が,いわゆる悩みや葛藤ということです。いわゆる物心がつくというのは,「マインド」が主人の座に納まったということでしょう。以来私たちは,「ハート」の声を評価し判断する「マインド」が許すときだけ実行に移すという思考形態が身についています。私がやってきましたことは(もちろん現在もです),この両者の主従関係を逆転させるという一種のトレーニングであると言えます。

やり始めておよそ3ヶ月ぐらいまでの間は,何が自分なのかわからない,いわゆるカオス状態に陥りました。それを抜け出てからは,自分の中で「ハート」に従うことが当たり前のこととなり,現在では,「ハート」の声がない行動に対しては,一切からだが動くということをしなくなくなりました。完全に「ハート」が主人,「マインド」はその僕という位置に落ち着いたということです。

「ハート」の声に従いますと,毎日毎日がドラマチックな出来事の連続になります。次の瞬間,どんな想いが湧き上がるか,自分(「マインド」)でも全くわからないのですからおよそ退屈するということがなくなります。世間的な表現では,「気まぐれ」という言葉がもっとも近い生き方となるでしょうか。特に「ハート」の声による行動に相手がある場合,交渉段階で一区切りだと私は思っています。これまで,どうせだめだろうと自分で自分に言い聞かせ,交渉自体あきらめていたことを,とにもかくにも交渉段階までもっていくことで「ハート」の想いはひとまず満たされるのです。結果が○か×かは二の次ということです。実際,やってみると驚くほど高い確率で○になることが多いですし,それが実現した時の満足感は素晴らしいものです。

昨年12月に,前任校の嘉穂総合高校が福岡県教育委員会から3年間の研究指定を受けています「人権感覚育成モデル校事業」のモデル校間授業交流で研究授業をしなくてはならない時,まさに「ハート」の声に従って動きました。教育委員会やソフトウェア提供業者に交渉を行い,望んだとおりの授業ができる環境を整えることができたのです。この授業の詳細は,下記リンクにありますのでよろしければご覧ください。特に学校関係者の方には,大いに参考になる面が多々あると思います。

;「人権感覚を育むブログ制作と相互評価」

※このサイトの内容は,近々刊行予定の第一学習社情報誌「エデュカーレ」に掲載されます。その際は,全国の「情報」担当の先生方の手元にも届くことになると思います。

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長い眠りより,ついに目を覚まします

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」 (テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題) および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを mp3ファイルにしました。

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ファイル名「平成20年度人権教育講演.mp3」,「平成20年度性教育講演.mp3」

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2年近くの長きにわたって,更新を怠り続けたこの「生物教師の情報教育奮闘記」のサイトにたびたびご訪問くださいました方,そして会うたびに「先生のブログ,大変勉強になります。更新を楽しみに待っています」と言って,私を励まし続けてくださいました方,本当にありがとうございました。近々更新有りの期待感もあってでしょうか,登録しておりますブログランキングの中には,登録481ブログ中1位・418ブログ中2位にランクインしているものもあります。
;「ブログランキング(blog rank7)」
;「ブログランキング(くつろぐ)」
大変ありがたいことだと思い,ブログ再開への意欲をますます掻き立てられます。

3年半前このブログを始めましたのは,生物教師である私が,新設校の学校づくり,学科づくりを任され,大きく我が国をリードする情報教育をやってみせるぞという気概の表れとして,日々の実践を書き綴ることを自分に課したからでした。所期の目的を達成できたという訳ではなかったのですが,公的な仕事が十分にこなせていない身なのに,私的なブログに貴重な時間を割くわけにもいかないといった心境の変化もあり,長らく休止するという形になっておりました。

さて,ここを訪問される方の中にはすでにご存じの方も多いと思いますし,先にプロフィールに目を通していただいた方もおられるかもしれませんが,私・生物教師は,本年4月1日付けで母校でもあります普通科高校に転勤になり,再び本来の生物担当に戻ることができました。もちろん,情報も普通教科情報(情報B)という形で関わり続けてはおります。

現在の心境を一言で書きますと「幸せ」の2文字に尽きます(笑)。私がこの世に生を受けたのは,次代を担う若者たちに「生物」の魅力を伝えるためだと本気で思っています。校舎が建て替わりはしましたが,自分が生徒として学んだ学校の教壇に教師として立ち,前任校に勤めていた3年半の間,本当に夢にまで見た「生物」を教えることができる境遇となり,まさに水を得た魚のごとく全力で授業をしています。

4月当初「生物」の授業に3年半のブランクが開いていると聞いて不安がっていた生徒さんたちも,すっかり私に対して信頼感を抱いてくれている様子が手に取るようにわかります。教師冥利に尽きる日々を送っていると書けば,私の心の中の喜びを少しはお伝えすることができるでしょうか。

以前から,このブログの中で,あるいは各種論文等で主張してきましたように,私は教師の役割は,技術磨きに始まり,技術磨きに終わると思っています。人間性うんぬんははっきり言って二の次です。よくたとえに出しますのが,私自身多数の生徒さんを送り出してきた医療現場の一コマです。注射等の医療行為に関する技術は下手だが,人間性はきわめて素晴らしい医師・看護師と,人間性にははっきり言って?がつくが,注射等の医療行為に関する技術は右に出る者がいない医師・看護師とどちらが患者の信頼を得られるでしょうか。何度も何度も注射を失敗し,そのたびに痛い思いをする医師・看護師(実際に私自身,そういった体験は少なからずあります(笑))が患者から全幅の信頼を置かれることはまずないでしょう。私は,学校現場も同じだと思っています。

今,この瞬間,我が国のすべての学校に勤務する教職員が,徹底的に技術の重要性に目覚め,努力し始めたら,教育は根底から様相を変えることだろうと思います。生徒にとって,毎日6時間拘束される授業の時間が楽しいかどうかは,大げさに書けば死活問題です。6時間のうち4時間楽しい授業があれば,生徒は学校自体も楽しいものになるでしょうし,2時間しかなければ反対に苦痛で仕方がないものになるでしょう。この2時間/4時間の分け目こそが学校活性化の最大の鍵だと私は信じています。教育の荒廃について昨今いろいろと取り上げられますが,根底に横たわるのはそこではないでしょうか。

かつて「生物」を担当した教え子さんと話をする機会が多い私なのですが,皆異口同音に,「先生の授業楽しかった!」と言ってくれます。その言葉こそ,私が常に待ち望むものであり,私の活力源でもあります。日々,楽しい授業を求めて,私・生物教師は,「生物」も「情報」もたゆまぬ修練を重ね,より高度な授業技術習得をめざして努力し続けます。どうぞ応援してください。

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