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マルチメディア系の授業,楽しんでいます

生物教師の作品集「いのちのエイズ教育」(完全収録済)は,こちらです。

現在,ITシステム科2年生の
マルチメディア専攻では,「図形と画像の処理」を,
普通科情報総合コース2年生の
アート系では,「コンピュータデザイン」を,
それぞれ担当しています。

先日,「コンピュータデザイン」
の授業を受けている生徒さんの
考査の際のコメントも掲載いたしました。

今日は,2つの科目の授業実践について
書きたいと思います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆「図形と画像の処理」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

マルチメディア表現の基本要素

1 形態
1 点・線・面
    点 ……0次元
    線 ……1次元
    面 ……2次元
    立体……3次元
    時空間…4次元

  点
    点…それ以上小さくしたり,
    分割したりすることができない,
      造形要素の最小単位
       ※造形要素としては,位置を表すと同時に
     大きさをもつ

  コンピュータで処理するディジタル的な造形の世界

   「実習」
    点=pixel(画素)
   …正方形→ペイント系ソフトウェアで実習
 線
    線…点の連続
       ※造形的には,位置と距離に加えて幅の要素をもつ
      
  コンピュータで処理するディジタル的な造形の世界

   「実習」
   線=ラインツールで描いた点の連続
   →ペイント系ソフトウェアで実習
    アンチエイリアシング
    ペイント系ソフトウェアで描く線
      →pixelが整然と並ぶことによって表される
        ↓
       水平・垂直な線…均一な幅を保ち,描ける
       斜線や曲線…階段状にギザギザ状
       =ジャギー,エイリアシング

    面
     点
      ↓連続
      線
      ↓連続
      面
      
       複数の線の交差 → 面(位置と距離)
                     +
                    (量)…要素
      
     点=pixel(画素)…正方形
         ↓
         面でもある
     (与えられた条件との相対関係が影響)
      
      ※造形の基本要素としての点・線・面
              ↓
       それらが用いられる画面の大きさ、
       描かれる画材と状態
       描かれたものを見る視点との距離 などの関係
              ↓
       明確な境界はなく,あいまいに変化

  「実習」
     多角形選択ツール
       …斜線を含んだ面として選択
       
        選択された面を塗りつぶしッールで,塗りつぶし
       
        ※ツールオプションの設定項目
         [アンチエイリアス]を有効
              ↓
         線の表現と同様、ジャギーが目立たなくなる

  「演習問題」
      ■ピクセルアートでキャラクタを描く
    
      ピクセルアート
    …限られたピクセル数の中でイメージ表現を行う
        (ドット絵)  
      
      例)コンピュータのデスクトツプに配されたアイコン
        ビデオゲームのグラフイツクス
      
      ペイント系ソフトウェア
      
       ペンツール,ラインツール,ブラシツール,
       多角形選択ツール,描画色と背景色の設定など
                ↓
       幅64ピクセルx高さ64ピクセルの
    ドキュメントサイズで,学校やクラス,
    クラブ,科目など特定のグループの
       マスコットキャラクタをテーマとした
    ドット絵描写
      
       ※キャラクタの設定
         →人物・動物・植物・モノの擬人化・
       架空の生命体など
      
        点・線・面の基本要素,アンチエイリアシング
     の効果などを考慮
                 ↓
              イメージを視覚化

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
                                
今週,「点・線・面」の実習を行いました。
ソフトウェアとして用いたのは,
Adbe Photoshop CSです。

次のような実習プリントを配付し,
画面の状態をボールペンで描かせました。

Photoshop このレポートは,
「関心・意欲・態度」
「思考・判断」
「技能・表現」
「知識・理解」
といういわゆる4つの観点から
多面的に評価しました。

また,次の時間にレポートの命は,
「考察」であることを説明しました。
「考察」は,英語ではdiscussionであることを板書し,
電子辞書で,discussionの第一の意味を
生徒さんに調べて発表してもらいました。
当然,討論・議論などの意味ですね。

「考察」は,「結果」から,
何か一つでもいいから,新しい事実を見いだし,
それを書くのだという説明をしたのです。
生徒さんは,熱心にその説明を聞いてくれていましたので,
次回のレポートがどうなるか,
今から楽しみにしているところです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆「コンピュータデザイン」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

デザインの造形要素

 デザインの目的を把握
   →・目的を果たすためのアイデア
    ・具体的に形づくり
 
  「形態」「色」 「材質感」(テクスチュア)「空間」「時間」

 形態
    デザイン
     作品…最終的に必ずある具体的な形態としてまとめられる
   
    形態とは
      ◆現実的形態
    …実際に存在し,視覚や触覚で直接感じられる形
          □自然形態
           ・有機的形態
              生命感があり,自由で曲線的な形状を示す
           ・無機的形態
              規則正しい秩序のある美しさをもち,幾何学的な形状を示す
          □人工形態
      ◆理念的形態
       …幾何学などで取り扱う視覚や触覚などで知覚できない
      例)点とは何か考える
       
    造形の分野
     理念的形態=純粋形態

    コンピュータ上での形態のあらわし方
      コンピュータ上で扱う図形
      …理念的形態をもとに処理
        →点・線・面・立体を基本形式
      
    理念的形態
      点 = 位置だけあって,大きさがない
      線 = 点が移動した軌跡
      面 = 線が移動した軌跡
      立体= 面が移動した軌跡
      
     純粋形態
      点 = 小さいしるし
       □
       線 = 細くのびたもの,点と点をつないだ形,点が動いた形
       □□□□□□□□□□□
       面 = 物のおもて,物の外部を囲むひろがりの形
        □□□□□□
        □□□□□□
         □□□□□□
         □□□□□□
         □□□□□□
       立体= 三次元の空間的広がりをもつ物体

     基本的形態とそのはたらき
       点
         幾何学における点
         …位置だけのものであり大きさがない
              ↓造形要素とするために
               大きさを与えて視覚化
       
            点に関係をもつほかの要素や背景条件との相対的な関係
               ↓決定
            造形要素として点に見えるか,
                      面として認識されるか
       
            点…ものの存在や位置の概念をあらわすはたらき
       
            点から面への移行…連続的
             →点と面の境界を決定するのはむずかしい
       
            点の理想形=円(さまざまな形も点と感じる)

          点と空間
            点が空間の中で位置
                 ↓
            視線と注意力はこの点に集中
         
            空間の中に2つの点が置かれたとき
         
           ・2つの点が同じ大きさの場合
                 ↓
             点と点の間に心理的な緊張感,張力を知覚

           ・3つの点の存在

             3つの点をむすぶ三角形が強く意識
                ↓
              面として知覚
         
           ※2つ以上の点の大きさが異なる場合
             →注意力はまず大きな点に集中
              次第に小さな点に移動

        線
          線…点が移動した軌跡
       
          線の特性…長さ
           →幅と長さの相対的な関係により,
           面にも線にもなりうる
       
         ※点の移動のしかたにより,
          さまざまな性格の線がうまれる
       
          例)点の移動の方向が一定    → 直線
                    たえず変化 → 曲線

          線のはたらき
            ①方向指示
            ②運動とその軌跡…運動の軌跡をあらわす
            ③領域分割
            ④連結…線の両端にあるものを連結
            ⑤量の表示
            線の長さによって,量の大小をあらわす

        面
         点の拡大
         線の移動
         線の幅の増大
         立体の切断 など
           ↓
           面
       
         ※点の密集,線の集合,線で囲まれたものも
          →面として成立

        立体と空間
     →面を三次元的に移動したり,回転することによって
      立体が成立

      立体化した点・線・面によって取り囲まれた空間
      =立体

      例)室内やコップの内部

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ご覧の通り,2科目似たような内容を
学習しているわけですが,
「図形と画像の処理」の方は,
テキスト(教科書はないので,準教科書です)にも
どんどん実習の内容が出てきます。
当分は,「座学」→「実習」→「座学」→「実習」→…
といったパターンの授業になりそうです。

それに対し,「コンピュータデザイン」の方は,
理論的な学習が必要な内容が多く,
当分は「座学」のみになりそうです。

「コンピュータデザイン」の授業で,
今一つ(ぜいたくな?)悩みを抱えています。
教育実習生が授業を見学しておられることもあり,
きちんとした授業の見本を…と思って,
板書計画に基づき,
単元を予定通り進めていく形にしたいのですが,
授業が盛り上がりすぎて,
ついつい私も乗ってしまい,
直接「コンピュータデザイン」の授業に
関係しないような話題にまで
話が入っていってしまうのです。

たとえば,昨日はこんな風でした。

次元の説明をしようと,

2次元の面の生物である,アリを例に取り,
アリがえさを見つけると,一列になって
進んでいくことを説明し,

「えさを見つけた1匹は,仲間のアリにどうやって,
その情報を伝えるでしょう?」
と問いかけてしまったのです。

すぐに生徒さんの一人が,
「おしりから物質を出すのでしょう」
と答えました。
そこで,やめておけばよかったのですが,
またまた私が,
「正解です」
「それでは,その物質はなんと呼ばれているでしょう?」
とさらなる質問を発してしまいました。

しまった!と思いましたが,
後の祭りでして…。

いったん,そうなってしまうと
生徒は,どんどん思いつくまま答えを言います。
正解はいなかったのですが,
一人が「ホルモン」と答えました。

あぁ…絶望的です。
生粋の生物教師の私に「ホルモン」とは…。

結局,焼き肉屋で出てくる「ホルモン」と
生物学的な用語であるhormoneとは,
根本的に違うこと
(前者は日本語で,後者は英語)

ホルモン,ビタミンそしてフェロモン,
三者の思いがけない関係

などを延々と語るはめになりました。

これを読んで,何それ?
知りたい,聞きたいと思った方がおられたら
危ないですよ。
最近,学校で職員間で話題に上っているらしい?
倉光ワールドにはまりかけていますので…(笑)。

何とか,環境ホルモンにまでは
踏み入ることなく,いったんはそこで
とどまり,デザインに戻ることができました。

生徒さんたちは,もちろん
「環境ホルモン」の話もしてくれ!
と言いましたが…。

前任校で,中学校に出前授業に呼ばれたことが
あります。もちろん理科の教師としてです。

集まった生徒さん・保護者さんに対して,
「ホルモン」「ビタミン」
「フェロモン」「環境ホルモン」の
説明をした際,食い入るような視線で
私の一挙手一投足を見つめておられたのが
印象的でした。
一緒に参観しておられた中学校の理科の先生も
すごく喜んでくれました。
数年前のなつかしい思い出のひとこまです。

授業は,いったんデザインの説明に
戻り,生徒さんがもっている電子辞書で
次元の英単語を引いてもらいました。

dimension という正解を板書し,
「ゲームの世界で最近盛んに使われる
数字1個とアルファベット1個の
組み合わせがありますよね」
と尋ねました。

見当はずれの答えが飛び交った後,
一人の生徒さんが「2D,3D」
と正解を発してくれました。

そこで,私は,我が意を得たとばかり
「そのDこそ,dimension,
すなわち(次元)の頭文字なんですよ」
と説明したのです。

生徒さんたちは,その瞬間,
一斉に大きく目を見開き「あっ」と
小さい声をもらしました。

大成功!です。
計画どおりに,うまく
生徒を引き込むことができ,
授業中でありながら,
教師冥利に尽きるひとときを得ることが
できた私だったのでした。

この後も,3次元→4次元→5次元の話で
盛り上がったり,
「引力」と「重力」の違いを質問されて
スパッと明解に答え,生徒さんの喝采を受けたり,
盛り上がりのうちにチャイムが鳴り,
授業が終わったのです。

なかなか予定通りに進まないのが悩み
というのは,冒頭に書いた通り
心底思っているところですが,
教師も,生徒もともに楽しめる授業というのも
また一つの理想郷なのかな?
と思って自己弁護している私です。

ちなみにこの授業の参加者は,

授業者である私以外に
補助者として,情報の教師1名
       芸術(美術)の教師1名
見学者として,情報の教育実習生1名
の計3名の先生方がおられたのです。

以前も,このブログで書きましたが,
ここまで大勢に見られていると
慣れてしまうものでもありますね。

十数年前,エイズの公開授業をした時には
異常な緊張感のなかにあった私ですが,
今なら,授業公開でも何でも
どんと来いの心境です。

また,来週授業ができる日を楽しみに
週末,教材研究にいそしみたいと思っています。

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