「情報教育」の学際性

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題し講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

「生物教師の作品集」『いのちのエイズ教育』(収録済)
「生物教師の生物学講座」
(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)

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定期的に訪問下さる方は,このページの右に最近付け加えた「あのひと検索」というリンクに気づかれたでしょうか。何かの際にたまたま存在を知り,試しに自分の名前を検索してみますと,どなたか私の調査をすでに依頼してあったらしく出てきました。この調査がどの程度のものか試すために,私と並んで掲載しています一人の人物についても併せて検索してみました。

果たして,私とこの人物との関係はいかに?


どうやらこのSPYSEEというサイトは,そこまでは見つけきれなかったようですね(笑)。中村萬里(なかむらまさと)という人物,そうです。父親同士が兄弟であり,私の従兄に当たる人なのです。現在,筑紫女学園大学の文学部教授の職にあります。方言学を専門としており,博多弁をまとめた本を出版して好評を博しているようです。コミュニケーションに関する著作物も数多くありますし,専門家の一人として,国際的なシンポジウムに招かれたりすることもよくあるそうです。最近の著書は下記の通りです。なお,氏名・講演内容等の記載および使用許諾の代理についてあらかじめ本人承諾を得ておりますので,その旨記しておきます。

中村萬里 『使える!マナーの鉄則100』 双文社出版,2007
中村萬里編『即訳!ふくおか方言集』西日本新聞社,2005
中村萬里 『人とうまく話せますか』双文社出版,2004
中村萬里,永淵道彦編『音声言語とコミュニケーション』双文社出版,2001

過去2回,代表を務めます「福岡情報教育授業研究会」の研究発表会で講演を依頼し,快く引き受けていただきました。その際,典型的な文系学部で教鞭をとる中村教授が,学生に対してマルチメディア作品の提出を課している事実を知り,大変驚きました。作品集CD-ROMもいただき,内容を拝見したのですが,どれも力作揃いでした。情報教育の上で,文系と理系の垣根がここまで低くなっているのかと感じ入った瞬間でもありました。

そもそも,私が講演を依頼した理由は,足かけ6年教科「情報」の授業に携わってきて,生徒のコミュニケーション能力を育成する取り組みの必要性を痛感したことです。献本としていただいていた『人とうまく話せますか』に目を通してみて,理系教科主導で行われている高校現場の教科「情報」に欠けている視点がずばり述べられていると思ったのです。そこで,自分はもちろんですが,研究会の仲間にも話をぜひ聞いてほしいと思い,講師として招いたという次第です。

余談になりますが,最初の講演依頼の際,私に対し,地元放送局の「お母さんにバンザイ!」というラジオ番組に出演することという交換条件を出されました。正直なところ,とまどいや不安はあったのですが,無報酬で講演を頼んだ経緯もあり,引き受けることにした。

収録2日前にアナウンサー(林田スマさん)の方から連絡を受け,当日約束の時間にスタジオに出向きました。あらかじめ,アウトラインプロセッサを用いて,語る内容を整理しておいたので,細かい打ち合わせができると大変喜んでいただけました。おかげで,15分間のアナウンサーの方との対談を,阿吽の呼吸で,スムーズにこなすことができたようにも思います。やってみてわかったのですが,身振り手振りや,板書等をフル動員できる授業と違い,純粋に音声のみで,メッセージを伝えるラジオというメディアは,自己の持つリテラシーの真贋を厳しく問われる場なのです。瞬時に数万人の聴取者が,自分の語りを受け取るという意味でも,まさに真剣勝負です。

林田さんの磨き上げた技術を垣間見る瞬間もありました。番組の中程で,母親に捧げる一曲を流すのだが,曲紹介の短い語り口が,それまで私と対談していた時のそれとは明らかに異なるのです。さすがにプロだと思いました。当日の収録内容につきましては,スポンサーからいただきましたテープの内容を;「ラジオ出演・講演集」に置いておりますので,興味を持たれた方はどうぞお聴きください。私が言わんとするところをご理解いただけると思います。

いつものごとく,脱線してしまいました。話を本題に戻しましょう。以下,「福岡情報教育授業研究会第4回研究発表会」(平成18年3月12 日)の中村教授の講演内容を私が,自分で記録しまとめたものを引用いたします(文責は私にあります)。その後,講演に対して感じたこと,新たな情報教育の展望等について書きたいと思います。

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コミュニケーションについて,日本語をやってきた。
大学卒業後ずっと日本語について研究している。

コミュニケーションには,バーバルとノンバーバルがある。
人は見かけによらずというのは,ノンバーバルの例である。

今日は,バーバルな面から日本語について考え,
コミュニケーションとはいったい何だろう
ということをもう一度考えてもらおうと思っている。

刊行した2冊
「音声言語とコミュニケーション」双分社出版
「人とうまく話せますか」双文社出版
 ネゴシエーションとディスカッション
の内容を抜粋して資料を作った。

著書その1「音声言語とコミュニケーション」より

これからの音声言語コミュニケーション教育

学生・生徒とコミュニケーション(情報教育)

日本の人の言語行動を前提とした人とのやりとり
から特徴として次の4つが挙げられる。

1 省略表現を好む 「福は内,鬼は外」「愛すればこそ」など

2 象徴表現    「わび」「さび」「しおり」「いき」など
(英語に訳せない)
           
3 閉鎖(韜晦)表現「沈黙は金,雄弁は銀」「もの言えば唇寒し」など
(おしゃべりは嫌がられる)

4 敬語(晴と褻)表現 「昨日」(サクジツ:キノウ)
            「今度」(コノタビ:コンド)
            「デス・マス調:ダ・デアル調」など

学校教育とは?
 国立国語研究所 甲斐先生による

教育課程審議会
1期から6期
         領域の立て方
1期 昭和22年 聞くこと・話すこと
2期 昭和26年    〃
3期 昭和33年    〃
4期 昭和43年    〃
5期 昭和52年 「理解」「表現」
6期 平成10年 話すこと・聞くこと

4期まで 聞くこと・話すことであったのが,
6期に  話すこと・聞くことと逆になった。

資料から判定すると,
聞くこと・話すこと→話すこと・聞くことへと,
すなわち,情報発信の方向に変わってきている。

新しい時代の教育は,
 モノローグ的(先生が話すことをひたすら聞く)
 (独話的)
から
ダイアローグ(対話)的コミュニケーション
へと変化を遂げる必要がある。

コミュニケーション教育は,
今や,話すことが主になってきたのではないか。

コミュニケーションという言葉が世の中で使われている。
コミュニケーションとは,何なのか,改めて考えてみた。

調べれば調べるほど,具体的に何を
コミュニケーションと言うのかよくわからない。

自分は,方言を研究している。
なぜ,方言を研究しているのかという理由の一つに
方言もコミュニケーションであるからというものがある。

著書2「人とうまく話せますか」
   ネゴシエーションとディスカッション より

金子みすゞさんの詩「こだまでせうか」

「遊ぼう」つていふと
「遊ぼう」つていふ。
「馬鹿」つていふと
「馬鹿」つていふ。
「もう逓ばない」っていふと
「遊ばない」つていふ。
さうして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」つていふと
「ごめんね」つていふ。
こだまでせうか、
いいえ、誰でも。

自分の経験でも,
昔は,「痛い」と言うと,
祖母などが「痛いね,痛いね」と言ってくれた。

今は,「痛い」と言うと
親や教師が,「痛くない」とか「がんばれ」とか
言っていないか。

コミュニケーションは,
こだまし合うことと自分自身では考えている。

コミュニケーションがうまくいっていない人は,
こだましあったらどうだろうか。

この本の読者から寄せられた書評で
賛否両論がもっとも多かったのは,次の20行である。

============================

 一般的に、「あの人は、心を開いてくれない。だからコミュニケーションができない」とか「心がない人は、コミュニケーションができない」とか、コミュニケーションは心との関係で考えられています。そもそも、コミュニケーションは心と関係があるのでしょうか。心は目に見えません。心は触ることもできません。よくわからない心をもってコミュニケーションを考えることは非常に難しいと言えます。よく、心が先か、言葉が先かが言われます。ふつうは、心が先だと考えられています。心の中に何かが起こり、だんだん表現したいと思い始めます。そして、それを言葉にすることで詩や小説が生まれる。確かに、そう考えるのが自然です。しかし、私たちは、生まれて言葉を使い始めてから人との係わり合いが生じてきます。また、私たちの記憶は言葉を使い始めてからあるように思います。言葉を使うことができない時期の記憶をたどることは非常に困難です。心は言葉を使うことから形づくられていくのではないでしょうか。例えば、「いじめ」においでも、心がいじめるのではなく、言葉がいじめるのです。つまり、人と人との係わり合いの中で、私と他の人をつなぐのは言葉ではないでしょうか。
 言葉と言葉のやりとりの中で私と他の人の心を理解し、そうした言葉と言葉のやり取りの中にコミュニケーションが存在すると言えます。

============================

心理学科出身の人は,コミュニケーションを心と結びつける。
心の問題をいつもコミュニケーションと結び付けていないか。

自分は,純然たる国語国文学科を出て研究を行ってきた。
自分にとってはテーマは常に言葉である。

心はどこにあるのか?
心は目に見えない。
尋ねると,みなさんは,胸のあたりをさされると思う。
本当に心がそこにあるのか?私には分からない。

横にいる人の心は自分には読めない。
バーバルおよびノンバーバルなメッセージでこそ,
たとえば相手が自分を好きだと感じてくれていることがわかる。

学生時代の源氏物語の勉強等でも,心が先と言われてきた。
しかし,人とのやり取りは,言葉であり,態度ではないか。

楽しいから笑うのではなく,笑うから楽しいのだ
極端に言うと,
愛しているから愛しているのではない,
愛していると言うから愛しているのだ。

だまっていても相手のことはわからない。
言葉と態度でわかる。

言葉に注意をしながら,日々生きている。
方言を研究している。
言葉に思いやりを持ってやったら,
よりよいコミュニケーションが出来るのではないか。

コミュニケーションがなぜ難しいか考えてみる。
岡部朗一氏の論文(1987年)によると,コミュニケーションの
定義は126種類あるそうだ。

また,F.ダンス氏は,4000ぐらいの文献を読んで分類した結果,
次の15のタイプに分類できたそうだ。

 1.シンボル,会話、言語
 2.理解-メッセージの送出よりも受容
 3.相互行為、関係-能動的な交換と共同志向
 4.不確実性の減少-適応のために情報の探索へと導く、
   仮説的な基礎的欲求
 5.プロセス-伝達の順序の全休
 6.移送、伝達-空間と時間における意味の移動
 7.連結、結合-接続するもの、結合するものとしての
   コミュニケーション
 8.共同性-共通に分けあい、保有するものの増加
 9.チャンネル、伝送体、回路-通路や「乗り物」
  (記号体系や技術)にとくにかかわりのある「伝送」の拡張
10.記憶、貯蔵-コミュニケーションは情報の蓄積をもたらし、
   われわれはその情報の貯え「によってコミュニケート」
   できること
11.識別反応-選択的な注意や解釈のプロセスの重視
12.刺激-反応もしくは反作用の原因としてのメッセージの重視
13.意図-コミュニケーション行為の目的的性質の強調
14.時間、状況-コミュニケーション行為の文脈への注意
15.パワー-影響の手段として見られたコミュニケーション
                   (McQuai1,1984)

意味と定義が複雑である,それがコミュニケーションだ。
人が1人いれば違うコミュニケーションがある。

現在,企業で求められているものも,
コミュニケーション力であるといわれている。
その能力について再度考えてみたらどうだろうか。

聖書にも,はじめに心ありきではなく,
言葉ありきと書いてある。

自分は,まず言葉ではないかと考えている。

----------------------------

講演を聴いて2年半になりますが,以後,私の脳裏から一度も離れたことがない魔力のような力を秘めた文言があります。それは,

楽しいから笑うのではなく,笑うから楽しいのだ
極端に言うと,
愛しているから愛しているのではない,
愛していると言うから愛しているのだ。

という箇所です。

「笑うから楽しい!」「愛していると言うから愛している!」

日常的な感覚とは正反対なのですが,これこそが真実であるという気が日増しに強まってきます。普段の私たちがむしろアベコベの世界に生きているのではないかと!

また,コミュニケーションの専門的な定義を改めて学ぶ機会を得,そのとらえ方の難しさを知ると同時に,教育の土台を奈辺におくべきか,深く考えさせられもしました。以前から考えてはいたのですが,情報教育の実践に際し,文系の学問体系に学ぶ必要性をより強く抱くきっかけともなりました。

平成12年度から14年度にかけて全国で実施された新教科「情報」現職教員等講習会の対象は,数学・理科・家庭・工業・商業・農業・水産・看護の8教科でした。当初,普通教科「情報」に主に関わってきたのは,数学・理科・家庭の3教科の教員でしたが,近年,基礎教科が商業の教員が普通高校に異動し,「情報」専任になるケースも増えてきています。世間的には教科「情報」を基礎教科との兼務で行っている現状に対し,否定的な見方が多いようです。本来は情報学を体系的に学んだ「情報」の専門家が教えるべきという考え方が背後にあります。採用試験導入の遅れもよく指摘されるところです。

しかしながら,「情報」の学際性という観点でとらえた場合,兼務は決してマイナス面だけではないのではないかと私は考えています。確かに基礎教科との兼務は,担当教師にとって負担増であることは間違いありません。しかしながら,教材研究や評価等で苦労しながら,「情報」を担当することで,得られるものもまた大きいのではないでしょうか。私は,期せずして,専門教科「情報」の世界にどっぷりつかったわけですが,その体験がどれだけ多くの人との交流をもたらし,自分自身を成長させてくれたか,言葉には書き尽くせないぐらいです。

「福岡情報教育授業研究会」の仲間には,「国語」や「英語」の基礎教科をもち,公開講座等で「情報」の免許を取得した方がいます。学校の事情もあり,今のところ,「情報」の授業は担当されてはいないようです。時が至って,将来なされるだろう授業に対し,教科「情報」に新たな地平線をもたらすだろうと,大きな期待を抱いています。その際は,ぜひシラバスをいただいたり,実践の成果を伺ったりしたいものだと思います。

一方で,私が事務局長を務めております「福岡県教科等研究会情報科研究部会」の役員に,本年度から,基礎教科が保健体育の方が加わってくださいました。以前から噂は聞いていたのですが,実際,お会いして,意欲的に教科「情報」に携わっておられる様子がよくわかりました。一度,授業を拝見してみたいものだと願っています。

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ノートこそ最高の「情報手段」

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題し講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

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『情報教育は,けっしてコンピュータ教育ではない。コンピュータ嫌いを作ってしまったのでは教科「情報」の意義は果たせない』この言葉は,平成12年3月に九州大学教養部にて実施された新教科「情報」指導者研究協議会において,当時文部省の調査官の方々が繰り返しおっしゃった言葉です。しっかりノートにも記録しています。情報教育の定義をきちんとした形で認識したのもこの時が最初でした。学会等の名称にも用いられているように,情報処理教育,教育工学,メディア教育など似たような名称をもつ教育の分野がたくさんある中で,「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」および「情報社会に参画する態度」という,いわゆる情報活用能力の3つの観点に基づく教育こそが,正しく情報教育であるということです。

私が教科「情報」の授業を担当し,意識して情報教育を行うようになって6年になります。この間,情報教育をコンピュータ教育に落とし込まないという戒めだけは常に持ち続けてきました。また,3つの観点についても手垢がつくまで学習指導要領解説の本をめくり,この上なく真剣に向かい合ってきたつもりです。

「情報活用の実践力」とは,情報教育調査研究協力者会議がまとめた文言では,「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力」となっています。コンピュータは有力な情報手段の1つであり,その活用が上記の能力に含まれていることは言うまでもありませんが,課題や目的によっては,必ずしもコンピュータを必要とせずに情報を活用する能力もまた必要だということです。

学校で生徒が学ぶ教科・科目の授業を,課題や目的として設定した場合,主たる情報手段は「ノート」ではないでしょうか。授業における主な情報は,①教科書の記述②板書③教師の説明④生徒の発言等です。これらの情報を取捨選択し,自分の「ノート」にまとめ,不足の箇所は調べ学習をしたり,教師や友人に質問したりして解決する作業は,上記の文言に書かれた,「必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造」する過程そのものであるといってよいでしょう。

私は,前述の通り平成12年の3月に文部省主催新教科「情報」指導者研究協議会(九州大学)に参加しました。これは,平成15年度から始まった教科「情報」の免許取得者養成のために3カ年にわたって実施された現職教員等講習会の講師の研究協議会でした。また,同年5月末から6月はじめにかけて,文部省主催第1回教育情報化推進指導者養成中央研修講座(茨城県つくば市国立教育会館学校教育研修所)に参加しました。全国の中学校・高校の数学・理科の教師50名の集まりでした。

新教科「情報」指導者研究協議会は,5日間のほとんど全日程が,大講義室における座学の講義でした。会場を取り巻くものものしい雰囲気の中,講師としての職務を全うするために,入れ替わり立ち替わり行われる講義内容の,現れては消えていくプレゼンテーション画面を,必死でノートに書き写す作業に没頭しました。全講義通して書いたノートは,70ページにも及んだのです。初日に受け取った「学習指導要領解説 情報編」(案)のコピーの束も幾度も繰るうちに,次第にボロボロになっていきました。それに比例するかのように,私の頭の中には,教科「情報」の成り立ちからその目的まで,徐々にインプットされ始めていたのです。

一方の第1回教育情報化推進指導者養成講座中央研修は,実習のみならず,講義の時間も含めて2週間のほとんど全日程が,デスクトップ型のコンピュータが置かれた机に座った形式での受講でした。講義の際は授業支援ソフトが用いられ,講師の画面を受講者が見たり,受講者の画面を講師側で確認したりされていたように記憶しています。北海道から順に,受講者番号順に席割りがなされており,九州から参加した私は,受講者番号が40番台であったので,部屋の最後方の座席になりました。縦に長い部屋でしたので,講師の姿や説明のために書かれるホワイトボードの字が見づらく,記録をとるのにずいぶん苦労したことをおぼえています。それに加え,講義中も目の前にはコンピュータ画面が常にちらついて,余計に集中力を保ち続けることが難しい状況でもありました。

最終日,研修記録や制作課題集等をMOやCD-Rに入れ,持ち帰る準備をしていた私は,新教科「情報」指導者研究協議会の時に感じた心地よい達成感が,十分得られないままの自分にもどかしさを感じました。2週間という長期にわたる研修を受けたにもかかわらず,内容が十分に頭の中に入っていない,消化不良のような感覚があったのです。

この年相次いで受講した2つの研修体験から,コンピュータ実習を特に必要とする以外は,まっさらな机の上で講義を受ける方が学習効率の点ではるかに望ましいという信念を抱くようになり,教科「情報」のすべての授業を,教室での座学中心に展開する現在のスタイルを確立しました。

手書きのノートこそが,もっとも効率がよく,役立つ情報手段であると再認識する体験を最近しましたので,そのことにもふれておきたいと思います。私は,一昨年,昨年と2年間にわたり,九州工業大学情報工学部の「情報」専修免許の免許法認定公開講座を受講させていただきました。「情報学」という確固たる学問体系の姿がおぼろげながら見え始めてくるとともに,コンピュータという機械が成立するに至る,いわばメタ-コンピュータ的な理論に接し,ぜひその面白さや意義といったものを生徒に伝えたいという気持ちが強くなりました。

私は,アウトラインプロセッサと呼ばれるソフトウェアを,ある面でもっとも進んだ情報ツールであると感じています。講演や研修会等に参加した際の記録や,毎日の授業の準備,および自分が講演・発表を行う際の骨子づくり等,実にさまざまな目的で日々活用しているところです。アウトラインプロセッサで作成したものは,きちんと章立てができた状態でテキストファイルに出力できるし,htmlファイルとしてそのままウェブを作ることも可能です。特に仲間と情報を共有したい場合,すみやかにメール等で提供できることが最大のメリットとなります。

一昨年度,免許法認定公開講座を受講するに当たって,例によって仲間への情報提供を念頭に置き,講義の記録をアウトラインプロセッサでとりました。しかしながら,いざテストを受験するためや,レポートを書くために見直した際,頭にさっぱり入っていないことがわかったのです。たとえば,「オートマトン」の講義で,非決定オートマトンを決定オートマトンに変換する方法論を習っていたにもかかわらず,まったく理解できていなかったりしました。結果的に,仲間の先生方に勉強会を開いてもらい,習ったものを自分でノートに手書きして,遅まきながらようやく理解できたという内容が多々ありました。

その反省から,昨年度は講義内容の共有という目的はひとまず置いておき,講座ごとに1冊のノートを手書きで作りました。のべ4日間の講義でほぼ1冊分の紙面が埋まります。後から見直しても,その時その時の講義内容を反芻することが出来ますし,自分が苦心して作り上げた数式やアイデアといったものが,乱雑な文字の羅列の中,輝きを放っているのがまたうれしいものです。今回の体験を通して,以前から自分自身が主張して実践してきた内容であるにもかかわらず,より一層,教師の板書と生徒のノートの呼応こそが,物事を学ぶ上でのキーになる営みであると確信するに至りました。

基礎教科である理科(生物)の授業において,十数年にわたり実施してきたノート作りの指導を「情報」においても踏襲しています。それは,次のような方法です。

①年度当初,第1回の授業でオリエンテーションとして先輩のノートの模範例を配付し,ノート作りのノウハウを指導する。
②ノートを横置きに使わせ,それぞれのページを上下2段に区切り,上段には板書をそのまま写させる。下段には口頭で説明した内容を書き取ったり,自分で勉強した内容を記入したりさせる。授業中に感じた疑問点を書くことも大いに推奨している。
③ノート検査の際の評価規準(A,B,CのうちB評価)として,「板書内容をきちんと写しておくこと」という項目を明確に示す。下段のスペースを工夫して有効に使えた場合,さらに上の評価(A)を与えることも併せて確認する。

このノート作りの方法は,初任者の教科指導員として,いろいろな授業を見学し,板書記録をとる際に独自に編み出したものです。板書内容をそのまま保存でき,研究の素材にできるというメリットがあったためです。この形で作るノートは,生徒の立場からは,授業に能動的に取り組むことができ,考査準備の際に授業内容が思い出しやすかったり,勉強しやすかったりするというプラス面があるようです。8月の終わりに,駿台予備校の夏季研修会で,2つの講座を受講しましたが,その際も,普段生徒さんに指導しているのと同様に,上段に板書を写し,下段に講師の説明を書き取るという方法で記録しました。講義スタイルの授業を聴く際,手前味噌ながらやはりこの方法がもっとも効率がよいように改めて感じた次第です。

「生物」のノートも太宰府高校の生徒さんが作ったものに,目を見張るすぐれた例がありますし,現在担当している修猷館の生徒さんも実に立派なノート作りをしてくれていますが,今回は,普通教科「情報」・専門教科「情報」のそれぞれの生徒さんのノート例を掲載させていただきます。

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教科・単元を好きで得意になる鍵とは?

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および本日10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題して講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

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「生物教師の生物学講座」
(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)

現在,ベスト10入りを果たしているブログランキングです。おかげ様で現時点ですべて1位となりました。引き続き応援よろしくお願いいたします。「1位」「1位」 「1位」「1位」「1位」
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明日(もう今日ですが)29日(水),我が修猷館高校に京都府から研修のための視察団がお見えになるのだそうです。多くは現場の高校の先生方のようで,各教科の授業見学をするとのこと。私の「生物」の授業もお一人が見学に入られるそうです。以前,このブログの中で書いたことがありますが,嘉穂総合高校時代,基本的にすべての授業がティームティーチングでしたので,常時教師仲間や実習助手の方に授業を見られていましたし,大学の先生方がビデオ撮影に見えたこともあります。つい先日も高校教科「情報」シンポジウム九州で講演をしたばかりです。見学者が入るから特別に意気込むなどといった気持ちはありません。普段通りの授業をお見せしようと思います。

単元的には,現在遺伝分野の連鎖と組み換えをやっているところです。昨日,サットンの「染色体説」の説明をし,ベーツソンとパネットが行った研究内容を用いて連鎖と組み換えについての導入部分を終えたところですので,明日の授業では,その理論的裏付けとモーガンの「遺伝子説」および三点検定交雑による「染色体地図」の説明および組み換え価の計算方法と演習,そういった内容になるでしょうか。

一般的に連鎖・組み換えのあたりになるとかなり苦手意識をもち,内容が理解できなくなる生徒さんが出てきます。しかしながら,私が独自に開発した遺伝学習メソッドは,メンデル遺伝から,連鎖・組み換えまで,簡単な作業を反復トレーニングすることにより,一貫して理解できるというものです。これを読んでくれているかつての教え子さんたちは,「三角形・丸丸丸・ブーメラン・残り一個」と書くと,「なつかしい!」という印象をきっともつことだろうと思います。

生物教師としての私の特徴の一つとして,生徒さんが比較的苦手にしやすい「遺伝」「遺伝子」「代謝」といった分野を教えることが得意中の得意ということが挙げられると思います。特に「代謝」を指導した思い出として,数年前,太宰府高校で実施された夏の進学セミナーの際,3日間の講義で,基本的な代謝マップを自分で描くトレーニングを行い,参加した全員,セミナーを境に「代謝」が苦手分野から得意分野に変わったということがありました。「遺伝」も同様です。私が作りました計算問題集のメソッドに従い,別の年の進学セミナーで,苦手意識を一気に払拭することに成功した生徒さんが数多くいました。

先日放課後,東大理Ⅰを受験するらしい3年生理系の生徒さんが,どこかの大学の過去問らしき酵素の問題を質問しに来ました。私は,酵素の前提となる触媒論を説明する際,大学レベルの内容を一部取り入れます。その方が触媒とは何か,さらには生体触媒である酵素と無機触媒とはどこが異なっているか等を理解させやすいからです。またその反対に,本来小学校の理科教育で教えておくべき,熱と温度の違い等も基礎の基礎まで掘り下げて説明することもあります。

幸い私は大学時代に小学生(1年生~6年生)の塾の講師と中学生(2年~3年)の家庭教師をした経験があります。いずれも全教科を担当しました。おかげで,小・中レベルの理科教育の単元内容もおよそは頭に入っており,時に必要があればそこに遡って指導するのです。この生徒さんも,多分酵素の性質や特異性について,より深く理解してくれたのではないでしょうか。満足気に帰って行く姿が印象的でした。

私自身の体験からも言えることですが,生徒がある教科・ある単元を好きで得意になるか,嫌いで苦手になるかという分かれ道において,指導する教師の影響力は絶大なものがあるように思います。遺伝学の祖と言われるグレゴール・ヨハン・メンデルは,自然科学を大変好み,上級教師の道に進みたかったが,得点が足りず不合格となり,結果,修道院勤務の道を選んだと言われています。メンデルの指導教員にもう少し力量があったら,1968年に「植物雑種の研究」が出版されることはなく,生物学史が今とは大きく変わったかもしれませんね。いずれにせよ,1900年にド=フリース,コレンス,チェルマクの3人がほぼ同時に「遺伝の法則」を発見することにはなったでしょうが,メンデルの先験的な研究成果がなかったら,彼らの業績の確かさがわかるためにはなお数年は要したでしょう。

明日の授業の単元内容を頭のどこかでイメージしながら文章を作っていたこともあるのでしょうか,例によって少し横道に逸れてしまいました(笑)。話を元に戻して,学ぶ側の立場から見た教科・単元を好きになるための要因,得意になるための要因を私なりに考察してみたいと思います。

好きになるための要因

(1)教科・単元の学習に興味を持つこと
(2)担当教師と良好な人間関係を保つこと
(3)教科・単元のテストで高得点を取ること

得意になるための要因

(1)教科・単元の学習に目的意識をもつこと
(2)自分の学習スタイルを確立すること
(3)教科・単元の学習に好んで向かうこと

こうして書いてみると,教師の役割は,教科・単元を好きになってもらうことの方にウェイトがあるように思います。得意になってもらうためには,ある段階から教師の手を離れた部分で生徒自身に学習スタイルを確立させる必要があるでしょう。私はその鍵を握っているのがノート作りだと思っています。この点につきましては,また別の機会に実例を挙げながら詳しく説明させていただきます。

上記(3)の部分で相互にリンクしていることに気づかれたでしょうか。基本的に,「好き」と「得意」は,循環関係になります。最初に教科・単元を好きになれば,テストで高得点が取れ,得意になるとともに,ますますその教科・単元が好きになります。理想的な好循環が生まれるのです。残念ながら,逆もあり得る訳です。きっかけが,そもそも食わず嫌いだったり,教師との人間関係だったりして,教科・単元を嫌いになると,テストで点数が取れず,苦手意識を持つともに,ますますその教科・単元が嫌いになります。

好循環を生み出す原動力は,生徒さんの努力もさることながら,私たち教師の役割に負うことが大きいと常々考えています。そのために,日々「語り」,「板書」,「ポインター」,「机間巡視」および「発問」といったそれぞれの教育技術を磨いていく必要があるのです。明日の京都府の先生による授業見学,日頃培ってきた技術を存分に発揮できる場となるように,より一層教材研究に励もうと思います。

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多くの出会いに満ちた週末2日間でした

前任校において,5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題),9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」,および本日10月26日実施されました;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」において,「専門教科情報に学んだ3年間」と題して講演を行った音声をそれぞれmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「ラジオ出演・講演集」

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「生物教師の生物学講座」
(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)

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25日(土)は,午前出前講義,午後修猷フェスト(中学生体験入学)が行われました。出前講義の全体会として,修猷館平成4年卒で私の後輩にあたる登山家の栗秋正寿氏が,「あなたはどんな“人生の山”に挑戦しますか?」という演題で講演を行ってくれました。北米最高峰のマッキンリーに史上最年少で冬季単独に成功,フォレイカーには冬季単独に世界で初めて成功という実績の持ち主だそうですね。美しいスライドと,彼の淡々とした語り口に,聴いている生徒さんも,そして私たち教師も,みなが魅了された90分間だったように思います。

修猷館に学ぶ者は,私たちの時代からもちろんそうだったのですが,一人ひとり何か夢中になるものを見つけ,それを我が猷(みち)として,卒業後の人生を歩んでいく強さ,たくましさをもっています。私自身が高校時代夢中になったのは,「水泳」と「日本文学」,そして「生物学」でした。振り返ってみると,その時見つけたものが,卒業から30年が経過しようとする今も,私のベースになっていることがわかります。

先日我が猷(みち)と書きました「授業道」に最初に目覚めたのも,振り返ってみると,やはり母校修猷で行った教育実習だったと思います。幼少のみぎりから二十年近く温め続けていたガンの研究者への思いを,母校の教壇は,たったの2週間で見事に奪い取ってしまったのです。それほどに自分が愛してやまない「生物学」を十代の若者に教えるということは私にとって魅力的だったのです。

修猷フェストでは,「生物研究部」のネズミの迷路実験とブロッコリーを用いたDNA抽出実験,いずれも大盛況でした。部活動見学の時間は,それほど多くはなかったのですが,ほぼ絶えることなく中学生と保護者の方が訪問してくださいました。「物理研究部」「化学研究部」と合わせてSSC(修猷館サイエンスクラブ)と総称するのですが,おそらく我が「生物研究部」の集客率は群を抜く高さだったのではないでしょうか。先生方も,館長をはじめとして多数訪れてくれました。ありがたいことです。やはりネズミの迷路実験は,話には聞いたことがあっても実際に見たことがある人は案外少なく,みなさん興味をひかれた様子でした。約1ヶ月がかりで準備に当たってきた甲斐があったというものです。2名の部員さんもきっと満足してくれたことでしょう。

一つ誤算だったのは,訓練した2匹の雌ネズミの対照実験(コントロール)として,まったく一度も迷路を体験したことがない雌ネズミを用意し,最初に迷路を通らせてゴールになかなかたどりつけない様子を見せてから,さて,訓練したネズミは…というストーリーを考えていたのですが,対照実験のネズミが殊の外賢く,3回目ぐらいからほとんどミスをしないようになり,あまりゴールまでのタイム差がつかなくなったということがありました。今回の場合,当日を初めての体験とするために賢さを確かめるすべもなく,致し方なくはあったのですが,春の大文化祭に向け,それぞれのネズミの迷路適応能力をきちんと数値化して,訓練ネズミと対照実験用ネズミを分ける必要があると感じました。

悲しい出来事が一つありました。私は,食べること以外では生き物の命を奪わない生き方をしているつもりですが,生物教師をしていますと,実験用の生物の飼育等をする必要があり,期せずして死なせてしまうということがどうしても起こります。4月からの約半年間で,採集したプラナリアや卵からふ化させたアルテミア(ブラインシュリンプ,シーモンキー)の死に接してきました。そのたびに何とも言えず悲しく辛い気持ちに襲われます。

約1ヶ月前,いただいたうちの1匹のネズミが右腕のあたりを腫らしているのを,元の飼い主である生徒さんが発見しました。傷口から細菌が侵入して炎症を起こしたか,はずみで骨折したかしただろうかと心配し,何とか治ってくれればという思いで,その後も観察を続けましたが,腫れは一向にひく気配がなく,むしろ日増しに大きくなっていきました。次第に私の心の中に,悪性腫瘍かも?という危惧が芽生えてきました。

そのネズミは,対照実験として選んだ分と同じゲージに入っていましたので,迷路実験の際に,一緒に連れてきていました。元飼い主の生徒さんも久しぶりに「生物研究部」を訪れて迷路実験を眺めていったのですが,その際には,腫れた右手をものともせず,元気にゲージの網をよじ登ったり,乗って走るとくるくる回るおもちゃで遊んだりしていました。

迷路実験を部員さんに任せ,ジョーシン九州に持参する資料の用意をしていた私のところに,一人が血相変えてやってきて,「先生,右手が腫れたネズミの様子がおかしいので見に来て下さい」と言いますから,すぐにかけつけました。さっきまであれほど元気に走り回る様子を見せていたネズミが床に横たわり,息も絶え絶えでした。どうしてやりようもなく,私に出来ることはただ見守るだけといった状況でしたが,最期に足を一度ピクッと動かしてこときれました。腫れた手の部分が頭よりも大きくなっている壮絶な最期の姿でした。元飼い主に最期に会えて思い残すことなく死を迎えられただろうかとは考えましたが,こみ上げてくる悲しみで,目に涙がにじんで来ました。私に出来るせめてものなぐさめとして,丁重にお墓を作り;「般若心経」を唱えさせてもらいました。

修猷フェスト終了後,後片付けにもあまり携われず,次に私を待つ北九州の地への旅立ちました。いったん小倉駅近くのホテルにチェックインした後,実行委員会副委員長の山之上先生,実行委員の一人でパネルディスカッションのコーディネーターでもある渡辺先生と落ち合い,食事を共にしながらシンポジウムの件を話しました。今回の講演を私はPowerpointのスライドを用いず,語りだけでやりたいと思っているが,と申し出ましたところ,快く賛成して下さいましたのでいよいよ心は定まりました。

いやそれではバランスが悪いから,やはりPowerpointを用意した方が,とのアドバイスをいただくようでしたら,その晩のうちに作ろうという心づもりもあったのです。ノートパソコンはホテルに持ち込んでいましたし,ディジタルデータもありますがら,スライドを20枚程度用意することはそれほど難しい作業ではなかったからです。昨年,鳥取で実施されました全国専門学科情報科研究協議会の発表スライドも前の晩,ホテルで作り上げたことを思い出します。いつもながら自転車操業状態ばかりやっている私です(笑)。

明けて26日(日),修猷館の先輩でもある実行委員長雨宮先生の「情報教育とは」と題する講演から「高校教科『情報』シンポジウム九州(ジョーシン九州)」がスタートしました。何度か一緒に飲んだりもしていますが,雨宮先生の情報教育への熱い思いには,いつもながら圧倒される気持ちにさせられます。大学の現場で長らく培ってきた「情報学」を高校現場における教科「情報」に取り入れ根づかせたいという趣旨で話されたました。スライドに表示される刺激的な言葉の数々が大変印象的でした。

午後の2つめは,「ユビキタス時代へのICT 教育と高大連携事業」と題する佐賀大学の中村先生のお話でした。実行委員会で,3月まで工業高校に勤めていた先生であり,極めて精力的に高大連携の取り組んでいる方だとお伺いしていましたが,IpV6を使った実践内容は本当に素晴らしいものがあると感じました。先生が勤務しておられた有田工業高校の生徒さんが佐賀大学の学生さんと一緒に有田陶器市等の地域の行事に参加し,生き生きとした表情で活動している様子が十分伝わってきました。

3つめは,「情報関連授業を支援する高大連携による遠隔TAの取組みについて」と題する山口大学の鷹岡先生のお話でした。ちゃぶ台に例えられように,インターネットの掲示板を利用して大学生・高校生・大学教員・高校教員が一体となってコミュニケーション活動を行っておられる取組につきましても,実行委員会の中で紹介があっていたのですが,実際に発表をお伺いし,特に素晴らしいと感じましたのは遠隔支援パターンをオートマトンの状態遷移図を用いて分析し,それをWebツール開発に生かしてあるという点です。

一昨年,九州工業大学情報工学部さんの情報専修免許公開講座の中で,オートマトンの講義を受け,ずいぶん苦労して勉強した記憶があります。非決定性有限オートマトンから決定性有限オートマトンへの変換も当時のノートを見直せば何とかまだやれそうです。オートマトンが教育活動の中に有意義に生かされている実例を知る機会を得て,また「情報学」への勉強の意欲も湧いてきたように感じます。

昼食をはさみ,午後はいよいよ私の講演の番が巡って来ました。冒頭,あえてPowerpoint等のスライドを使わずにさせていただく理由と,だからといって,スライドを使ったプレゼンテーションを軽視している訳では決してなく,前日に聴いた栗秋氏の講演などは,美しいアラスカの大自然の光景があってこそ余計に感動を生むのだからという話をさせていただきました。その後は,当初の予定通り,普通高校出身で勤務経験も普通科しかもたなかった私が数奇な運命をたどり,情報を基調とした学校作り,福岡県初の情報専門学科作りに携わるに至る経緯から始め,「高大連携」「マルチメディア教育」そして「情報モラル教育」を3つの柱とした話をさせていただきました。

講演内容を音声で公開するために,MDで録音したデータをコンピュータに取り込み,WAVファイル変換→mp3ファイル変換といった一連の作業をする際に,自分の講演内容を通して聴きましたが,やはりまだまだ技術的に未熟な面が多々あるように感じました。今回は情報量が多かったこともあり,少々早口になっている部分はある程度仕方なくはあるのですが,もっとこう表現すればよかった,この話も入れるべきだったと思う箇所もやはりあります。過去幾多の講演をこなしてきて,そのたびに録音した内容を自分で幾度も聴き直しては自分自身で添削して,また次に備えて…その繰り返しで今日までやってきました。ある面,自分に対して厳しく,より高度な「語り」の技術を身につけるべく努力はしてきたつもりです。耳を汚すことかと思いますが,上記サイトにデータを置いておりますので,興味をひかれる方は聴いて下さいますとありがたく思います。

なお,講演の中で25ページの内容という言い方で引用した箇所があります。ITシステム科の学科作りに当たり,私が入学してくる生徒さん向けに書いた文章です。以下に載せさせていただきますので,講演を聴かれる際,併せてご覧いただければと思います。

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 「情報」は,高度情報通信社会における“生き方”を学ぶ教科です。コンピュータを中心とする技術面の向上にのみ心を奪われることなく,自分自身の“生き方”をしっかりと見据えて学習に臨みましょう。
 何よりもまず,情報を取り扱う上でのモラルとネットワーク上のエチケットであるネチケットを身につけてください。原子力が戦争で用いられて多くの人の命を奪う結果になったように,科学技術は使い方を間違うと大変な災厄をもたらします。みなさんは,ITのスペシャリストとして誰よりも心正しき人になってください。
 “生き方”を学ぶためには,コンピュータに接してばかりいてはいけません。教室で黒板の内容や先生の話をしっかりノートに書き取り,自分の頭で考えながら授業を受けましょう。皆さんの頭脳に記憶されるのは,ノートの形です。自分の手で書いたノートは世界に1冊しかない最高の参考書なのです。「情報産業と社会」そして「情報と表現」の勉強を基本に忠実にきちんと行い,基礎力を固めてください。この一年で身につけた知識こそがみなさんの生涯の土台となります。
 「情報実習」を中心とする技術面の学習では,当面ワープロ検定3級に全員合格することを目標に,タイピングのマスターを心がけましょう。コンピュータを使いこなすためには,一つの作業にかかる所要時間を極力短くすることが肝要です。タッチタイプを身につけて,キーボードを自由自在に操れることが,ITスペシャリストへの第一歩といっても過言ではないでしょう。実習の中で取り扱うソフトウェアは,どれもIT産業に必要不可欠なものです。ここでも基本をおろそかにせず,先生の指導を素直に受け取り,1つひとつマスターしていきましょう。課題を与えられたら,まず指示を正確に守り,期日に遅れないように提出しましょう。創意工夫をこらしたり,仲間と協力して作品づくりをしたりできるとさらに高評価がもらえるでしょう。 
----------------------------

午後の2つめは,福岡情報教育授業研究会の仲間でもあり,昨年まで一緒に情報専修免許公開講座を受講した同窓生でもある,山口県岩国高校の山下先生が「研修を活かした授業実践」と題して講演をされました。山下先生の情報教育に対する研究熱心さと情熱,そして生徒に対する思いは,以前からよく存じ上げていますが,お話を伺うために感銘をおぼえます。今回は,ディジタル化が主たるテーマでしたが,修猷館の「情報B」でも一年次の学習単元として「アナログとディジタル」を取り上げておりますんで,大いに参考にさせていただける内容でした。この場を使いまして感謝申し上げます。

プログラムの最後として,「高大連携」をテーマにパネルディスカッションが実施されました。高校現場からのパネリストである藤本先生・江副先生は,現職教員等講習会の講師仲間であり,藤本先生は理科の同期採用,江副先生は,福岡県高等学校教科等研究会情報科研究部会の立ち上げを一緒にやってきた同志でもあります。今回無理を言ってパネリストを引き受けていただき,大変感謝いたしております。

当日終了後,パネルディスカッションのまとめをコーディネータである渡辺先生よりいただくことができましたので,感謝の意を表し,公式記録としてここに掲載させていただきます。

パネル討論「高大連携」

討論者
 藤本直樹(福岡県立宗像高等学校)
 江副秀雄(福岡県教育庁教育振興部高校教育課)
 中村隆敏(佐賀大学)
 下川俊彦(九州産業大学)
コーディネータ
 渡辺健次(佐賀大学)

パネル討論の内容

1 これまで行われた高大連携の実践についてのご紹介

藤本先生
 社会の未来
 携帯で遠隔制御+遠隔講義

江副先生
 学校の情報化
 学校段階間の連携、大学での情報の入試

中村先生
 IPv6遠隔操作
 MEDIA TEENS LIVE、生放送による勉強

下川先生
 高大連携授業、高校の単位、科目等履修生
 IT講習会、高等学校教師を対象

2 現在の高大連携の課題について

藤本先生
 普通科高校の制約、守備範囲
 普通科高校での実施上の条件

江副先生
 情報で教える内容がはっきりしていない
 中学、高校、大学で教える内容の連携がない

中村先生
 現場の温度差、校長・教育委員会との意思疎通
 筋を通して事務手続き、学校ネットワークの問題
 新たな実践テーマを見つける

下川先生
 情報と情報の溝
 リテラシとコンピュータサイエンスの違い、数I

3 理想とする高大連携とはどのようなものか

藤本先生
 「夢」
 情報で何を教えるのかを考えていければ

江副先生
 先生の連携、生徒の連携

中村先生
 オープンな関係、共同研究という新しい関係、
 予算
 大学生が情報教育を真剣に考える

下川先生
 情報モラル、ただし中学校で教えるまで
 コンピュータやネットワークの楽しさ
 情報と情報の溝を埋めたい

土・日と,時間にすればいつもと変わらないたったの2日間なのですが,本当に盛りだくさんの中身でした。体験は時に人を一回りも二回りも大きくするものだと思います。私も,この2日間で少しでも人間的に成長できていたらうれしく思います。かなりの長文になりました。私のブログを訪問し,文章に目を通して下さいまして誠にありがとうございました。今後も応援どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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真に教ふべきことありて…再び

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものをmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「人権教育講演・性教育講演」
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今日,一年生の「情報B」の授業で,今日の情報社会における情報発信について説明している時に,ふと,2005年10月 7日 (金)付のこのブログの記事でみずからが書いた内容を思い出し,生徒さんたちに説明しました。

それが吉田松陰の「師弟論」の中の次の一節です。

大抵師を取ること易く
師を選ぶこと審かならず。
故に師道軽し。
故に師道興さんとならば、
妄りに人の師となるべからず、
又、妄りに人を師とすべからず。
必ず真に教ふべきことありて師となり、
真に学ぶべきことありて師とすべし。

当時の記事にも書きましたように,この言葉を私が深く記銘するようになったのは,教師に成り立ての頃,私を導いてくださった一人の先輩教師の影響でした。現在,生き方の土台ともなっている「禅」へと私を導いてくれた方でもあります。本当に自己に厳しく,他人にやさしい,先生らしい先生でした。白血病に冒され,誰からも惜しまれながら他界され,早11年半の歳月が流れました。出会った当時,生意気な若造だった私も,もうすぐ先生の享年に追いつこうとしています。

今日は夕刻から,先生の導きで加入した教職員団体の会議に参加しました。2月の研究大会に向けて,「携帯電話と情報モラル」に関する研究チームに招かれ,今日が2回目の会議でした。

県庁地下にあるその一室は,亡くなられた先生が,組織の長としての任務を全うすべく,発病のまさにその時に至るまで,専従として日夜働いておられた場所でもありました。私は青年部の長として,4年間仕事をともにさせていただきました。

当時,深夜まで一緒に過ごしていた場所にいて,はるかな思いに浸ると,今にも時間を超えて,坊主頭だった先生の,屈託のない笑い声が聞こえてきそうに思いました。ふと本棚に視線を動かし,目に飛び込んできた1冊の本の背表紙は,そんな私の思いをふいに現実へと引き戻しました。それは,まぎれもなく,当時私も一文を寄せた,先生の「追悼録」に他ならなかったのです。

「去る者日々に疎し」と世に言いますが,本当に大切な存在だった人のことは,けっして月日がたっても忘れることはないのだと改めて感じさせられます。

3年前,吉田松陰の「師弟論」をこのブログで取り上げ,

必ず真に教ふべきことありて師となり、
真に学ぶべきことありて師とすべし。

       を

必ず真に教ふべきことありて発信者となり、
真に学ぶべきことありて受信すべし。

ともじりました。

今日の授業では,そのことを一番伝えたかったのです。こうして,ブログを開設し,「チラシの裏に書いても…」といったたぐいの日記を書き並べることは誰にでも簡単に出来ます。ブログランキングのサイトを一瞥しただけで,その手のブログは山ほど見つかります。

技術的には,誰でも簡単に発信者になれる現代だからこそ,常に謙虚さを失いたくないものだと思うのです。私の書く内容にしても,ともすれば,「チラシの裏」に成り下がってはいないかと,忸怩たる思いを抱きはしますが,「ハート」の声に従って,今日も駄文を書き並べてしまいました。

明日の午後はいよいよ修猷フェスト,夕方からは北九州です。週末どんなドラマの数々が私を待ち受けているか,すごく楽しみです。私に出来る唯一のことは,その時,その時の,瞬間を最大限楽しむことですから,自らの務めを果たしながら,ゆっくりと時を味わい尽くしたいと思います。

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「授業道」こそ我が修む猷(みち)

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先ほど,前任校である嘉穂総合高校に勤務する先生の一人から相談の電話があり,話の流れから,いつものように授業に対する私の熱い思いを聴いていただきました。お忙しいところ,さぞ迷惑だったことかと思います。この場を使って,お礼とお詫びを申し上げます。

去る9月24日(水)に実施した「2年生性教育講演」のCDをお渡ししていたところ,ご自分が聴くのみならず,コピーをご実家のお母さんや妹さんにも差し上げられたとか。お母さんが高い評価をしてくださったとの話も伺い,たいへん嬉しく思いました。上記リンクにありますインターネットディスク上でmp3ファイルを公開してもおりますが,やはりCDの方が音質もよく手軽に聴いていただけるので,これからもお会いする方々に厚かましく(笑)お渡ししていこうかなとも思っているところです。

またいつものように話がそれてしまいました。脱線は,授業における私のクセでもあり,自分としては反省点でもあるのですが,代々生徒さんたちには好評です。今年は,進度をきちんと守る必要があり,あまり脱線話をしないようにはしていますが,現在「生物」の授業で取り上げている遺伝の分野で条件遺伝子の話をした際,教科書に例として灰色と黒色,そして白色のハツカネズミが掲載されていたのです。思わず,昨日の放課後,菓子パンのにおいを教えるために,ゲージに入ったハツカネズミにエサをちらつかせたところ,まるでブタのように鼻をつっこんで,手でネコパンチ(こっちの方は,我が家のペットのロシアンブルー兄妹がよく私に浴びせます)ならぬネズミパンチの嵐を浴びせてくる話をして苦笑を買いました。運動神経が素早い私は,ネズミパンチから見事菓子パンを守ることに成功しましたが,部員さんの一人が油断して菓子パンを盗られてしまった話も結構受けていたようです。

脱線から戻ろうとして,さらに脱線してしまいました(笑)。私はいったい何の話を書いていたのだったでしょうか???そうそう,授業技術の話でした。元に戻します。

「語り」の技術の大切さについては,電話の相手である先生にこれまでもたびたび語ってきました。だんだん,私の言わんとすることを,染み通るように理解して下さる様子が伝わってきてうれしく思います。「語り」の技術の例で,相手の先生が,落語を取り上げられたことがきっかけで,落語では,扇子が時には杯に,時には傘として使われ,表現上重要な小道具であるように,私たち教師にとって,授業中もっとも大切な小道具は,ポインターであるという話をしました。授業でポインターを使うという話自体,少々寝耳に水といった感じで,びっくりしてある様子でした。

そうなのです。授業をする教師に求められる技術として,「語り」「板書」と並び重要なのが,「ポインター」なのです。私としては,まず職場にいる間,ポインターを常時携帯することをお薦めします。いついかなる時に必要になるかわからないからです。理科の教師である私は,実験時の服装として当然のことながら,白衣をもっています。実験指導の流れで,教室での座学でも白衣を着てやっていた時期も以前ありました。

嘉穂総合高校に赴任して,LAN工事を自分でする必要性に迫られ,開校当時は毎日作業服を着て過ごしていました。嘉穂総合には,農業・工業の学科があり,生徒さんたちも担当教師の多くも作業服を着ています。ずばり,作業服が似合う学校だったのです。私の授業時のスタイルも上に作業服を羽織った形を自然と選びました。当時は,お客さんに応対する機会も多く,スーツをチョークで汚したくないという事情もありました。

4月に修猷館高校に異動になり,ホワイトボードの部屋もあった嘉穂総合の時以上に,教室でチョークを握り,文字や図表等を板書する時間が多くなっため,連日スーツを汚しまくりました。それに少々閉口した私は,転勤を機にいったんはお蔵入りしていた作業服を再び羽織り,教室に向かうようにしました。

現在,授業の時間が近づいてくると私はおもむろに作業服を羽織り,左の胸ポケットには,MDレコーダーを入れ講義の録音に備えます。また,ベルトの右側には,愛用のディジタルカメラをぶら下げ板書の撮影に備えるのです。左肩のポケットには,常時くだんのポインターが差し込んであります。これで授業準備完了となります。ちょうど,プロ野球の試合で,バッターが,ファウルチップよけのレガースや手袋をはめながら,自分がバッターボックスに入る順番を待つ心理に近いものがあるような気がします。

私にとって,作業服を着て,録音・撮影に備えるのは,一種の授業前の儀式なのです。それをしながら,数分後に迫った授業に向けて集中力を徐々にMAXに近づけていくのです。こればかりは体験してみないとわからないと思いますが,修猷館のような学校で1時間の授業をする緊張感は相当なものがあります。まず私語などは一切なく(居眠りは時々見受けますが…(笑))生徒さんたちの数十個の真剣なまなざしが,自分の一挙手一投足に注がれている感覚,それは,究極の喜びであると同時に,もの言わぬプレッシャーでもあります。もちろん,私自身はそれに応えるにふさわしい「語り」「板書」そして「ポインター」の技術を提供しているつもりです。

授業を授ける者と,受ける者との,いわゆる阿吽の呼吸は,半ば武道に通じるものであり,「授業道」とでも名づけるべきでしょう。生粋の生物教師である私は,日々,自己の「授業道」を極め尽くすべく,技術磨きに楽しく励んでいます。どうぞ今後とも応援よろしくお願い申し上げます。

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ネズミさんも一緒に奮闘中です(笑)

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来る26日(日)に講演を行います「高校教科『情報』シンポジウムin九州」の詳しい内容です。→;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」

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1年10ヶ月の沈黙を破って,ブログを再開し始めた去る19日(日),「長い眠りより,ついに目を覚まします」という記事の中で私は,「会うたびに『先生のブログ,大変勉強になります。更新を楽しみに待っています』と言って,励まし続けてくれた方がいると書きました。今日,期せずして会議のためにその方が私の職場にお越しになり,話をする機会を得ました。上にリンクを張った「性教育講演」のCDを謹呈するとともに,ブログ再開を告げたのですが,もう訪問して下さいましたでしょうか。口頭でも申したかと思いますが,この場を使って改めてお礼を書かせていただきます。温かい励ましに対し,本当に心より感謝いたしております。

その方がお見えになった際,私が何をしていたかと申しますと,顧問を務めております生物研究部の部員である生徒さん,高校の後輩の一人でもある実習助手さんと3人で,飼育中のハツカネズミ2匹に迷路学習をしこんでいたのです(笑)。「修猷館高等学校公式ウェブ」のトップページに記載されておりますが,25日(土)に「修猷フェスト(中学生体験入学)」が実施されます。その際に,生物研究部の目玉として迷路をあっという間に通り抜けるかっこいいネズミの姿を見せようというわけなのです。

こう書くと,修猷フェストのためにネズミを購入したかのように感じられるかもしれませんが,そうではありません。以前,修猷館の生物教師を勤められ,若年退職なさった方の娘さんが現在1年生に在籍しています。その生徒さんから,半月ほど前,中学校で取り組んだ総合的な学習の研究のために飼育していた白いハツカネズミ(いわゆるアルビノですね)がいるので,生物研究部に譲りたいという話があり,ありがたくお受けしていたのです。約束の当日は,お父さん(元教員であると同時に中学校の先輩でもあります)と二人連れだって,ゲージやエサなどの飼育セット1式と一緒に5匹のネズミをくださったのです。本当に願ってもないありがたい話ですよね。

ネズミの姿を見た瞬間,私の「ハート」(19日(日)の「心の想いを満たす素晴らしさ」参照)は,ネズミを譲り受けた→近いうちに修猷フェストがある→迷路学習をやらせたい!という声を上げました。部員の生徒さんも大いに乗り気でしたので,さっそく迷路の制作に入ったのが先週のことです。教職員と生徒さんに募り,街中を歩き回りたくさんのお店にお願いして,材料となるかまぼこ板を集め,18日(土)にようやく50cm四方の迷路が完成していたのです。今週に入っていよいよ訓練に突入し,今日が3日めでした。飼育していた生徒さんから,大好物は菓子パンと聞いていましたので,ゴールに菓子パンを置き,無事たどり着くとそれにありつけるようにして仕込むのです。

かまぼこ板3~4枚を使った部品を組み合わせ,自由自在にレイアウトが組めるように工夫しています。私は,部品作りを担当し,手持ちの電動ドリル2個を駆使して1週間がかりで用意しました。レイアウトは部員さんが考えたものです。スタートしてからゴールにたどり着くまでのタイムも部員さんがストップウォッチをつかって計ります。今日,トライしたネズミのうち1匹が,過去最高の約10秒というタイムをたたき出しました。この調子なら,25日当日も,観客を大いに楽しませてくれそうで,期待大です。

1

ネズミの迷路は,生物学における動物の学習行動としては定番の1つであり,迷路の図とともに,有名なエビングハウスの学習曲線がたいてい教科書や図録に載せられています。私が教育実習に訪れた際に,二百年記念の大文化祭が開催され,生物研究部の客寄せとして,やはりネズミの迷路をやっていたことを思い出します。二学期制への移行に伴い,以前は6月に行っていた大文化祭が3月に動きました。実は,今回50cm四方だけではなく,その約4倍の面積である90cm四方の迷路も作ろうとしているのです。あともう少し,かまぼこ板が集まればそちらも作れそうなところに来ています。

2

今回の修猷フェストでは,50cm四方だけにとどめようと思いますが,半年後の大文化祭では,90cm四方の巨大迷路を見事通り抜けるネズミの姿をお見せしようと計画しています。私が知る限りでもあまり例がないほどのスケールですので,見事仕込みに成功したら,新聞・テレビなどマスコミも大きく取り上げてくれるでしょう。今から楽しみです。

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「教科書」への格別の思い-型から入り型から出る-

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものをmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→;「人権教育講演・性教育講演」
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来る26日(日)に講演を行います「高校教科『情報』シンポジウムin九州」の詳しい内容です。→;「高校教科『情報』シンポジウムin九州」

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今日は,事前にお願いして「生物」の教科書編纂に著者として関わらせていただいております会社の担当の方に来ていただき,半年間実際に授業で使用して改善すべきだと感じた箇所の指摘をしました。その中には,5年以上前の手書き原稿の段階から,繰り返し繰り返し目を通してきたはずなのに,なぜこんな問題に気づかなかったのだろうと思う箇所も多々ありました。会社の担当の方も私同様の感想を述べてもありました。

私は,教師になって以来,教科書に対しては格別な思いを抱いてきています。学校教育の成否(このような表現を私自身は好みませんが便宜上使わせていただきます)の鍵は,教科書が握っていると機会あるたびに主張しても参りました。私の担当する教科は,「理科」・「情報」ですので,「地歴・公民」の教科書をめぐり,中国・韓国等の国家間でとり立たされる,いわゆる教科書問題のことは念頭に置いておりません。純粋に授業で用いる際の成果という意味です。

よく「教科書を」教えるのではなく,「教科書で」教えるのだと言われます。それは,確かに正論ではあるのですが,一方で,教科書を使うのが苦手な教師,教科書を離れて好き勝手に教えたい教師の免罪符としてこの言葉が使われている向きもあるのではないかとにらんでいます。「型から入り型から出る」という言葉があります。私は「教科書を」教えてきた教師こそが,時に「教科書で」教えることもできるのではないかと思います。特に若い教師の方に対して強く警鐘を促したいのです。いったん我流が染みつくと,それから抜け出るのは大変だからです。

私はよく教科書の一言一言をなめるように(笑)使うと言います。事前の教材研究で,そして授業の最中も,そのぐらい徹底的に教科書の内容を精査し臨むのです。必然的に板書内容も洗練されたものになり,それを写す生徒さんのノートも学習効果の高いものになります。いずれノート作りの取組についても,このブログで詳しく紹介したいと思うのですが,私が,年度初めのオリエンテーションで生徒さんに必ず言う言葉があります。それは,「ノートこそお金では買えない世界でもっとも優れた参考書」というものです。現在,定期考査に併せて検査をするたびに,見事としか言いようがないノートの数々が集まってきます。

先日,東大受験対策の講座として私の高校時代から有名でした「増進会(Z会)」の方が営業活動で訪問され,生徒さんたちのノートの見本をお見せしたところ,感心・感激しておられる様子でした。今の形のノート作りをさせるようになって現任校で3校目ですが,前々任校の太宰府高校および前任校の嘉穂総合高校の生徒さんが作ったノートにも目を見張る素晴らしいものがあり,コピーとして残している見本は私の一生の宝物でもあります。

今日は,教科書の話題で書き始めたのに,ノートの方に話がぶれてしまいました(笑)。教科書のことに戻しましょう。前述の通り,私は教科書を極めて大切に取り扱う立場ですから,常々各会社さんに対し,「教科書がよくなるためでしたらどんな協力でもいたします」と申し出ています。その言葉に嘘はなく,これからも「生物」「情報」の両教科とも,教科書の内容をますます洗練されたものにできるように貢献していくつもりです。教師になって二十三年間「教科書を」教えてきた私だからこそ,それができると自負しています。

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オセロ強いですねぇ……(汗)

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものをmp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。→「人権教育講演・性教育講演」
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訪問していた方に一息ついていただこうと,右の欄に各種ゲームを置いてみました。私自身は,PCでも携帯でもふだんあまりゲームはやらないのですが,試しにオセロをやってみました。これが強いですね!まったく歯が立たず,私の白は,コンピュータの黒にほとんど0にされてしまいました(笑)。う~ん。私が弱すぎるのでしょうか?それとも……?

実は,これ見かけは私とコンピュータの対戦ですが,そうではないのです。といいますのは,コンピュータが打つ手をプログラムしたのは,紛れもなく誰か一人の(あるいは複数の)人間であるからです。プログラムは,おそらくC言語かJAVA等の言語で書かれており,コーディング(プログラムの打ち込み)自体は単純作業に近いはずです。肝腎なのは,それに至る「アルゴリズム」です。そう,私が実質的に対戦しているのは,オセロの「アルゴリズム」を作った人だということです。相当,オセロに強い方なのでしょうね。

平成12年~14年の3カ年間にわたり実施された福岡県の新教科「情報」現職教員等講習会で私は「アルゴリズム」チームのリーダーを仰せつかりました。理科の中でも専門が生物で,コンピュータを専門的に学んだことなど皆無である私がなぜ?という思いは正直なところありました。一応,大学生の頃から、BASIC言語を用いたプログラミングを行っていましたので,幸い「アルゴリズム」そのものへの親近感はありました。しかしながら,「アルゴリズム」を体系的に学ぶのもまったく初めてでしたので,「線形探索」「二分探索」といった用語自体を大変新鮮に感じました。

私の役割は、実習面における指導内容の協議を主導したり,各チームのメンバーに教材を提供したりすることと,講義を担当することでした。チームで実習の指導に当たるのと比べ,講義は長時間自分一人が行う上に,教育委員会の指導主事や講師仲間の目にもさらされるので,大変なプレッシャーがありました。分野によっては,講義の中で文部省提供のビデオを使えたのですが,私の「アルゴリズム」に関してはそれもなかったので,すべて自前で用意しなければなりませんでした。

講師陣全体が同じ方針だったのですが,Microsoft Powerpointを用いたプレゼンテーションの形で講義を行うに当たって,プレゼンテーションのデータをいかに作るかが重要なテーマでした。「アルゴリズム」は「モデル化とシミュレーション」と並んで,もっとも受講者にとって難度が高い分野だろうと言われていたので,なおさらのことだったのです。私は,いかにすれば,受講生の先生方の気持ちを和らげ,「アルゴリズム」に親しんでもらえるかという点に心を砕いて試行錯誤を繰り返し,データが完成したのは実に本番の数日前というありさまだったことをおぼえています。

ファイルの内容も含め,講義に際して次の5点に関して工夫を行いました。
①画面の雰囲気を和らげるために,各スライドに夏の風物詩のイラストを1つずつ入れ る。
②「アルゴリズム」を考える手法として用いられる流れ図の各記号をクイズ形式で問い,楽しく学んでもらう。
③「アルゴリズム」の原理をわかりやすく説明するために,適宜アニメーションを用いる。
④講義と実習を連結させるために,講義の最後で「アルゴリズム」の練習問題を提示し,その答合わせと解説を実習の方で行うようにする。
⑤「アルゴリズム」の応用として,実際に私がプログラムし,勤務校の体育祭で人文字 を作るのに毎年用いているソフトウェアの動作画面を見せる。

果たして,私の講義は仲間内にも,受講者の間でも大変好評であったと聞いています。今でも初めてお会いする「情報」担当者の方から,当時の講義内容が印象に残っているという話を伺うことがあり嬉しく思います。特に評判がよかった「アルゴリズム」の自作練習問題を紹介しておきます。私が把握しているだけでも当時講習を受けた仲間2人が,実際に「情報」の授業で練習問題として使ってくれているようです。興味がある方は挑戦してみて下さいね。

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テニスが好きなBさんは、高校に入学したあかつきにテニス部に入るかどうかについて次のように考えました。

「私が得意なのは、硬式の方だから、部活動が軟式しかなかったら入るのよそうっと。それから、試合に出られないというのもつまらないから、硬式庭球部があっても、上級生の人数が多い時も入りたくないなあ。 帰りが遅くなりすぎるのもパスよね。練習終了が、18:30までだったら入部を考えてみようかな。でもでも一番肝心なのは、かっこいい先輩がいるかどうかよね。もし、好みのタイプの人がいたら、3つの条件すべてだめでも入っちゃおうっと」

この「アルゴリズム」をJIS準拠の流れ図の形で書いてみましょう。
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「ジョーシン九州」1週間後に迫りました

前任校において,本年5月10日に実施しました生徒・保護者向け「人権教育講演」
(テーマ:インターネットにおける人権侵害の現状と課題)
および9月24日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを
mp3ファイルにしました。

興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。

→リンク先 「人権教育講演・性教育講演」

ファイル名「平成20年度人権教育講演.mp3」,「平成20年度性教育講演.mp3」

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過去,東京・大阪でのみ開催されていました高校教科「情報」シンポジウム(略称:ジョーシン)が来る26日に初めて九州にて開催されます。
;「高校教科「情報」シンポジウムin九州」

プログラムをご覧くださいますとおわかりの通り,私は午後40分間の時間をいただき,「専門教科情報に学んだ3年間」という演題で講演を行います。論文集に掲載する原稿はすでに送付済みです。A4で7ページという大作になりました(笑)。

予告編ということで,論文のアウトラインのみ紹介させていただきます。興味を持たれた方,お手すきでしたら26日(日)北九州市小倉北区西日本総合展示場にお越し下さい。

「専門教科情報に学んだ3年間」

あらまし: 私は,前任校である福岡県立嘉穂総合高等学校に平成16年11月1日付で赴任した。翌年4月の開校に向けて準備が進んでいる中に飛び込み,学校全体の情報化を担う情報管理部の主任と福岡県初の情報専門学科であるITシステム科の主任という2つの大きな仕事を任され,以後3年半の間日夜奮闘努力してきた。今回の高校教科「情報」シンポジウムにおいては,私が専門教科情報と取り組む中で学んだものを「高大連携」,「マルチメディア教育」および「情報モラル教育」の3つを中心に講演をさせていただこうと思う。

キーワード: 専門教科情報,高大連携,マルチメディア教育,情報モラル教育

1.はじめに
2.情報専門学科づくり
 (1)ITシステム科設置
 (2)特色ある科目
 (3)学習のためのアドバイス
 (4)外部連携
  ①教職を目指す学生による地域教育貢献の一環としての研究内容紹介およびガイダンス
  ②課題研究の支援
  ③生徒の大学訪問
3.専門教科情報の授業
 (1)座学への取組
 (2)実習への取組
4.「情報モラル教育」への取組
 (1)「情報モラル」教育の必要性
 (2)4年間の「情報モラル教育」実践の概要とねらい
 (3)「情報モラル教育」実践の成果と課題
5.おわりに

いよいよ開催まで1週間を切り,本格的な準備に入らなくてはならなくなってきました。当初の予定では,Microsoft Powerpointを用いてプレゼンテーションの形で実施しようかと思っていましたが,ここに来て,嘉穂総合高校で実施しました「人権教育講演」「性教育講演」同様,語りだけで40分間勝負しようかなとも考えています。前回書いた内容に従いますと,「ハート」がそうしたがっているといいましょうか(笑)。大学の先生方が学会等で講演・発表をなさる場合,スライドなしでということはあまり例がないでしょうから,語り1本でという形は違和感をもってとらえられるかもしれませんが,だからこそやる意義があるとも言えます。

私は常々,Powerpointへの頼りすぎに警鐘を鳴らしてきています。語りの技術が未熟な部分をスライド画面を使うことでカバーする気持ちが少しでもあれば,危険な兆候だと思います。実際,語りがへたくそでも,Powerpointを使うと間がもてるという事実は間違いなくありますから頼る気持ちをもつ人も少なからずいるのではないでしょうか。

過去のブログ記事引用で恐縮ですが,私自身2005年の3日間分の記事で,次のように書いています。

-----------引用開始-------------

2005年10月28日 (金) タイトル「プレゼンテーションの原点」

今日は、午後から地元嘉飯山地区のある中学校の進学説明会に招かれ、出向いていきました。4月以降、中学校の説明会には、これまでかれこれ5,6校は行ったでしょうか。

会場は、体育館や図書館などまちまちでした。時間はたいてい15分から20分の割り当てですが、ちゃんとプロジェクタとスクリーンの用意がしてあってノートパソコンだけ持ち込めばすぐにプレゼンテーションができる設備を整えてくれています。今日の学校も同様にプレゼンの準備がしてあるものと思いこんで、学校に向かいました。

資料としては、中学生進路相談事業用に作ったプリント1枚と他校の生徒さんから寄せられた質問に丁寧に答えたQ&A集2枚、それに本校ITシステム科と九州工業大学情報工学部との連携事業を報じた地方紙の記事1枚の計4枚を生徒・保護者・教師の人数分用意していました。

控え室に案内されて、話をした際に当然「YES」という答が返ってくることを期待して「プロジェクタとスクリーンは用意してありますか?」と気軽に尋ねました。すると、予想とは裏腹に「ありません」との返答でした。お話から察するに、これまでプロジェクタを使われたこと自体あまりない様子で「さて、どこにしまってありますかね」とおっしゃる始末です。

中学校に招かれた際、あるいは学校に体験入学で見えた際、いずれもPowerPointを用いたプレゼンテーションの形で説明してきた私は、一瞬とまどいましたが、こうなったら、日頃トレーニングしている成果を発揮するまでと開き直りました。

10月8日に自分の出演したラジオ番組が放送されて以来、車の運転中、繰り返し繰り返し自分の話した内容を聴いてうまく表現できている箇所やこうすればもっとうまくいく箇所微妙に見え隠れする言葉のくせ等を自らチェックしてきました。

何かの技術を高めるのに“繰り返し”というのはすごく重要だと思います。聴いていくうちに相手方のアナウンサーが私に応対している時とほんの一言だけ、曲の紹介をされる時と微妙に発声が違うことに気づきました。気さくな雰囲気の発声と仕事に徹した発声といえばいいでしょうか。その切り替えが瞬時になされているのです。さすがは、プロだなあと感心してしまいます。

今日、説明会では実に久しぶりにプリントを元に言葉と身振り手振りだけの勝負に挑んだわけですが、果たして、結果は○でした。

導入で、農業高校の伝統をくみ、たくさんの動物が校内に飼われている話をし、実は、世界で一番速く走る鳥がいるのです。この卵、見たことありますか?と言いながら、おもむろに用意しておいたダチョウの卵を袋から取り出して見せました。

私が、昨年11月に赴任してすぐに見たダチョウの卵を欲しくて仕方がなかった話や6月に生まれた卵を首尾良く買うことができて苦労してドリルで穴を開け、中身を食べた話をすると会場は一気に笑いに包まれ大いに盛り上がりました。

聴いている生徒さんや保護者の方が私の話にどんどん引き込まれる様子が手に取るようにわかり、プリントの内容に入ってからもさらに気分が乗って、実にスムーズに説明をしていくことができました。

機会ある度に授業技術を磨くことの重要性を説き、常に自分自身の技術を磨くように心がけている私です。以前も紹介したかと思いますが、中学生の時に初めて目にして以来座右の銘にしてきたギリシアの哲学者エピクテトスの言葉「困難は、人の真価を証明する機会である」を実地に体験できた進学説明会でした。

やはり、プレゼンテーションやコミュニケーションの基本は“語り”であることを再確認できました。そういう意味でも音声だけで勝負するラジオ番組に出演する機会を得たことは貴重な体験だったと思います。

2005年11月16日 (水) タイトル「中学校進路説明会参加」

午後から中学校説明会に出向きました。

町民センター大ホールといった会場で実施され、プレゼンテーションソフトが使えず、口頭で説明しました。

非常に反応が良く質問も出たりしてうまくいったと思います。

2005年11月17日 (木) タイトル「今日も中学校進路説明会に‥」

今日も午後から中学校説明会に出向きました。

体育館での実施でした。プレゼンテーションソフトが使える準備を整えてあり、プロジェクタとの接続も大変スムーズにいきました。

新校舎が有する多目的な広場の利点をPRすべく図や写真を用いてプレゼンテーションを構成したのですが、口頭のみの時に比べると内容を説明することに追われ生徒や保護者の方の気持ちを十分に引きつけるには至らなかったように思います。今後の課題ですね。

-----------引用終了-------------

このように,Powerpointを使った,使わないでそれぞれメリット・デメリットはあるわけです。これまで数多くPowerpointを用いた発表をしてきて,私が問題点として感じ始めたのは,聴衆の方の視線です。演題が中央にあり,スクリーンが左右どちらかに掲げてある会場ですと,どうしても聴衆の方の視線は,発表者とスクリーンとに分散されてしまいます。視線が分散するということはとりもなおさず心も分散するということです。

嘉穂総合高校における過去5回の講演(「人権教育」2回,「性教育」3回)をすべてPowerpointなしでやってきて,結果的にはそれが成功の秘訣だったように思うのです。高校生にとって,45分間という時間はけっして短くはなく,途中気持ちが切れたり,眠気が来たりしがちだと思いますが,視線を切らなかったことが彼らの集中力維持に多大な貢献をしたことは間違いないのです。

こうして記事を書いてみると,やはり私は今回の40分間の講演を語りだけでやりたいのだということが再確認できました。ぜひ,その方向で参加者の方に聴いて良かったと思っていただける講演内容に出来るように努力してみようと思います。

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心の想いを満たす素晴らしさ

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訪問してくださいました方,本当にありがとうございます。心より感謝申し上げます。

ブログを休止しておりました約1年10ヶ月の間,私は,自分の心の声に素直に従うという生き方をしてまいりました。「心」という漢字1文字の言葉には,実は2つのものがあるということをご存じでしょうか。1つは,理由も脈絡もなく,ある瞬間,湧き上がってくるような想いであり,もう1つは,その想いに対して「でも…」「やっぱり…」等の理由をつけたり,言い訳を考えたりする大脳新皮質の働きです。区別する意味で私は前者を「ハート」,後者を「マインド」と呼んでいます。私が素直に従った心は「ハート」の方であるとご理解いただければと思います。

「ハート」はあくまで瞬間の想いであり,時間には住めませんので,結果的に「ハート」を受け取った「マインド」と,それを評価し判断する「マインド」という2つの「マインド」が生じることになります。両者がそれぞれ主張し合い譲らない状態が,いわゆる悩みや葛藤ということです。いわゆる物心がつくというのは,「マインド」が主人の座に納まったということでしょう。以来私たちは,「ハート」の声を評価し判断する「マインド」が許すときだけ実行に移すという思考形態が身についています。私がやってきましたことは(もちろん現在もです),この両者の主従関係を逆転させるという一種のトレーニングであると言えます。

やり始めておよそ3ヶ月ぐらいまでの間は,何が自分なのかわからない,いわゆるカオス状態に陥りました。それを抜け出てからは,自分の中で「ハート」に従うことが当たり前のこととなり,現在では,「ハート」の声がない行動に対しては,一切からだが動くということをしなくなくなりました。完全に「ハート」が主人,「マインド」はその僕という位置に落ち着いたということです。

「ハート」の声に従いますと,毎日毎日がドラマチックな出来事の連続になります。次の瞬間,どんな想いが湧き上がるか,自分(「マインド」)でも全くわからないのですからおよそ退屈するということがなくなります。世間的な表現では,「気まぐれ」という言葉がもっとも近い生き方となるでしょうか。特に「ハート」の声による行動に相手がある場合,交渉段階で一区切りだと私は思っています。これまで,どうせだめだろうと自分で自分に言い聞かせ,交渉自体あきらめていたことを,とにもかくにも交渉段階までもっていくことで「ハート」の想いはひとまず満たされるのです。結果が○か×かは二の次ということです。実際,やってみると驚くほど高い確率で○になることが多いですし,それが実現した時の満足感は素晴らしいものです。

昨年12月に,前任校の嘉穂総合高校が福岡県教育委員会から3年間の研究指定を受けています「人権感覚育成モデル校事業」のモデル校間授業交流で研究授業をしなくてはならない時,まさに「ハート」の声に従って動きました。教育委員会やソフトウェア提供業者に交渉を行い,望んだとおりの授業ができる環境を整えることができたのです。この授業の詳細は,下記リンクにありますのでよろしければご覧ください。特に学校関係者の方には,大いに参考になる面が多々あると思います。

;「人権感覚を育むブログ制作と相互評価」

※このサイトの内容は,近々刊行予定の第一学習社情報誌「エデュカーレ」に掲載されます。その際は,全国の「情報」担当の先生方の手元にも届くことになると思います。

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長い眠りより,ついに目を覚まします

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2年近くの長きにわたって,更新を怠り続けたこの「生物教師の情報教育奮闘記」のサイトにたびたびご訪問くださいました方,そして会うたびに「先生のブログ,大変勉強になります。更新を楽しみに待っています」と言って,私を励まし続けてくださいました方,本当にありがとうございました。近々更新有りの期待感もあってでしょうか,登録しておりますブログランキングの中には,登録481ブログ中1位・418ブログ中2位にランクインしているものもあります。
;「ブログランキング(blog rank7)」
;「ブログランキング(くつろぐ)」
大変ありがたいことだと思い,ブログ再開への意欲をますます掻き立てられます。

3年半前このブログを始めましたのは,生物教師である私が,新設校の学校づくり,学科づくりを任され,大きく我が国をリードする情報教育をやってみせるぞという気概の表れとして,日々の実践を書き綴ることを自分に課したからでした。所期の目的を達成できたという訳ではなかったのですが,公的な仕事が十分にこなせていない身なのに,私的なブログに貴重な時間を割くわけにもいかないといった心境の変化もあり,長らく休止するという形になっておりました。

さて,ここを訪問される方の中にはすでにご存じの方も多いと思いますし,先にプロフィールに目を通していただいた方もおられるかもしれませんが,私・生物教師は,本年4月1日付けで母校でもあります普通科高校に転勤になり,再び本来の生物担当に戻ることができました。もちろん,情報も普通教科情報(情報B)という形で関わり続けてはおります。

現在の心境を一言で書きますと「幸せ」の2文字に尽きます(笑)。私がこの世に生を受けたのは,次代を担う若者たちに「生物」の魅力を伝えるためだと本気で思っています。校舎が建て替わりはしましたが,自分が生徒として学んだ学校の教壇に教師として立ち,前任校に勤めていた3年半の間,本当に夢にまで見た「生物」を教えることができる境遇となり,まさに水を得た魚のごとく全力で授業をしています。

4月当初「生物」の授業に3年半のブランクが開いていると聞いて不安がっていた生徒さんたちも,すっかり私に対して信頼感を抱いてくれている様子が手に取るようにわかります。教師冥利に尽きる日々を送っていると書けば,私の心の中の喜びを少しはお伝えすることができるでしょうか。

以前から,このブログの中で,あるいは各種論文等で主張してきましたように,私は教師の役割は,技術磨きに始まり,技術磨きに終わると思っています。人間性うんぬんははっきり言って二の次です。よくたとえに出しますのが,私自身多数の生徒さんを送り出してきた医療現場の一コマです。注射等の医療行為に関する技術は下手だが,人間性はきわめて素晴らしい医師・看護師と,人間性にははっきり言って?がつくが,注射等の医療行為に関する技術は右に出る者がいない医師・看護師とどちらが患者の信頼を得られるでしょうか。何度も何度も注射を失敗し,そのたびに痛い思いをする医師・看護師(実際に私自身,そういった体験は少なからずあります(笑))が患者から全幅の信頼を置かれることはまずないでしょう。私は,学校現場も同じだと思っています。

今,この瞬間,我が国のすべての学校に勤務する教職員が,徹底的に技術の重要性に目覚め,努力し始めたら,教育は根底から様相を変えることだろうと思います。生徒にとって,毎日6時間拘束される授業の時間が楽しいかどうかは,大げさに書けば死活問題です。6時間のうち4時間楽しい授業があれば,生徒は学校自体も楽しいものになるでしょうし,2時間しかなければ反対に苦痛で仕方がないものになるでしょう。この2時間/4時間の分け目こそが学校活性化の最大の鍵だと私は信じています。教育の荒廃について昨今いろいろと取り上げられますが,根底に横たわるのはそこではないでしょうか。

かつて「生物」を担当した教え子さんと話をする機会が多い私なのですが,皆異口同音に,「先生の授業楽しかった!」と言ってくれます。その言葉こそ,私が常に待ち望むものであり,私の活力源でもあります。日々,楽しい授業を求めて,私・生物教師は,「生物」も「情報」もたゆまぬ修練を重ね,より高度な授業技術習得をめざして努力し続けます。どうぞ応援してください。

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コンピュータデザイン授業(H181020)公開いたします

先日6月7日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを
mp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。
→リンク先 「性教育講演」 ファイル「性教育講演H180607.mp3」

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「生物教師の生物学講座」(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)は,こちらです。

昨年10月20日(金),九州工業大学情報工学部の先生より,「情報」の教員免許取得を目指す学生さんに授業の模範として見せるために,ビデオ撮影させて欲しいという申し出があり,快くお受けいたしました。授業をお互いが見せ合うことで,技術を高め合うことの重要性を日頃から訴えておりますし,「情報」の授業を座学でも十分展開できることを示したかったからです。

授業は,2年生普通科情報総合コースアート系選択者16名(男子2名,女子14名)に対する「コンピュータデザイン」の授業です。詳しくは,下記リンク先に約130MBのwmvファイルとともに,指導案のpdfファイルを置いておりますので,指導案を印刷したものを手元に置いて,授業のビデオをご覧いただければと思います。当日の生徒の授業ノートにつきましては,追って同じページに置くようにいたします。

ダウンロードサイト → 「コンピュータデザイン」授業ビデオと指導案

数研出版社情報誌i-Net18号に寄稿した文章をお読みになった複数の方から,ラジオ出演の内容について問い合わせがありました。当日の収録内容を上記の場所に一緒に置きますのでよろしければお聴き下さい。

授業をご覧になった九州工業大学情報工学部の先生の感想です。

教科「情報」のベテラン先生の講義を撮影させてもらっています。
教職科目の教科教育法(情報)を受講している学生に見てもらうためです。
10 月20 日(金)は,嘉穂総合高校に行き,倉光先生の「コンピュータデザイン」の授業を見学させていただきました。
久しぶりに,すばらしい授業を見たように思いました。
まさに,授業の中身で「高校生を引き付け,かつ考えさせる」授業展開でした。
倉光先生が問いかけるまでもなく,生徒から,
自然と質問が出たり,考えついたことを発表したりと,
座学でありながら,インタラクティブな授業を実践されていました。
さっそく,先週の教科教育法(情報)の授業で学生に模範授業として見せました。
倉光先生,有難うございました。

ひと足先にビデオをご覧になった,ウェブディレクタを仕事とする方の感想です。

「観察してみよう」ですね。私は仕事ではウェブディレクターで、デザインを直接するわけではないんですが、要件定義や指示書、仕様設定を行うので、興味深く拝見させていただきました。とても面白い取り組みをされているんだなと思いました。できることなら他の授業も見てみたいな、と思ってしまいました(笑)。

こちらも一足先にビデオをご覧になった,教科書会社の方の感想です。

拝見致しました。教科書をベースにこのような授業を展開できれば,「情報」科目の広がり,深まりが増し,実質的に現場に根付いていくのだろうと思いながらみさせて頂きました。

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福岡県情報科研究部会第2回研修会無事終了しました。

先日6月7日に実施しました2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを
mp3ファイルにしました。興味のある方は,ダウンロードしてお聴きくださればと思います。

リンク先 「性教育講演」 ファイル「性教育講演H180607.mp3」

「生物教師の作品集」『いのちのエイズ教育』(完全収録済)は,こちらです。

「生物教師の生物学講座」(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)は,こちらです。

Kenshukai2_1 私が事務局長を務めます福岡県高等学校教科等研究会情報科研究部会の第2回研修会を,昨日盛会裡のうちに終えることが出来ました。8月の専門学科情報科研究協議会の投稿以後,ブログの更新を止めておりましたのも,この行事の成功のために,すべての空き時間をさくためでした。更新がないにもかかわらず,この間,度々訪問して下さった方には,この場をお借りして,お礼とお詫びを申し上げたいと思います。

会場として,お借りしました北九州市八幡東区の昴学園総合専門学校にほど近い場所に,天疫神社というお社があります。昨日の帰り,独り参拝し,感謝の祝詞を捧げた後,境内の樹木を眺めておりますと,恥ずかしながら自然に涙があふれてきました。少し前に進んだと思うと,より大きな壁が立ちはだかる,そんな日々を過ごした万感の想いが,一気に流れこんで来たのでしょうか。

12月に最終準備を兼ねた役員会を昴学Teneki_1 園専門学校で実施した際,役員の多くが雪の心配をしました。飛行機が飛ばず,講師の先生がお越しになれない事態も想定する必要があるのでは,といった心配をする方もありました。私は,天疫様にいただいたお守りをずっと身につけ,ただ一つ天候に恵まれることだけを祈念して参りました。

無事成就した暁,お守りをお返ししなければと思ったのですが,そのつもりで参拝したのにいざとなると手放すのが惜しく,どうしてもできませんでした。思い出とともに,一生大切にしまっておこうと思います。

情報科研究部会にさきがけ,3年前からともに活動しています福岡情報教育授業研究会という,私に限りない勇気と力を与えてくれる仲間たちの集いがあります。昨日の研修会におけるディスカッションの中で,パネラーの一人として,教科「情報」という困難があったからこそ,暗闇の中で,お互いに手をつなぎ合い,一歩,一歩前進する中で,本当に強い絆が作れた。教科「情報」の存在に対し,心から感謝すると述べさせていただきました。

研修の内容につきましても,この後,整理をしまして可能な限りこのブログの中でもご報告させていただこうと思います。とり急ぎ,本日の読売新聞北九州版に昨日の記事が掲載されるとともに,ウェブ上でも閲覧可能になったとの知らせが読売新聞の方より届きましたので,ここにリンクを張らせていただきます。掲載された写真は,シンポジウムのディスカッションの模様で,一番右が私です。http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/040/040_070106.htm

何とか今日のうちに北九州版が手に入る地域に出向き,部会の記録用に新聞紙面の方も手に入れたいと考えております。

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全国専門学科情報科研究協議会に参加中です。

専門学科情報科研究協議会の発表資料は,こちらです。

先日6月7日に実施しました
2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを
mp3ファイルにしました。
興味のある方は,ダウンロードして
お聴きくださればと思います。

リンク先 「性教育講演」 ファイル「性教育講演H180607.mp3」

「生物教師の作品集」『いのちのエイズ教育』(完全収録済)は,こちらです。

「生物教師の生物学講座」(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)は,こちらです。

ITシステム科の方向性を探る上で,
もっとも重要な研鑽の場とも言える
全国専門学科情報科研究協議会に参加中です。
昨年度も参加させていただき,
実に多くの示唆に富むご意見をいただきました。

今日,1日目の日程が終了しました。
現在,京都駅近くのホテルに滞在中です。
3つの大学さんの公開講座を受講して,
これでも,結構多忙な夏休みでした。
いろいろとこなさなければならない
頼まれ事等もあり,
悠長にブログを書いている訳
にもいかないだろうとも思いました。
そんなこんなで,更新をさぼり続けて早2ヶ月,
月日がたつのは,あっという間ですね。

今日の1日目の全体会の中で
『マルチメディア系の授業実践』と題して
発表をさせていただきました。
開校2年目を迎えたばかりで,
実践らしい実践もできておらず,
果たして,こんな内容で
専門学科情報科研究協議会にふさわしいだろうか?
と自問自答しながら,論文やプレゼンテーションを
作成してきた日々でした。

とにもかくにも無事終えることができて
ほっとしています。
発表後,質疑応答の中で,
多数の質問をいただきましたし,
休み時間や夕刻の情報交換会の場で,
多くの方々から,
「参考になった」「意を通じる部分が多々あった」
「先生の授業を一度受けてみたい」等の
ありがたいお言葉をいただきました。

忍び寄る不安の中,
恐る恐るの発表でしたので,
このような好評価をいただけるというのは,
望外の喜びです。
このブログの中では,以前から
私の座学に対する考えや,思い入れを
述べてきました。
基本に立ち返って
地道に積み上げてきた実践内容を
認めていただけたようで,
大変うれしく,またありがたく思います。

「ブログをぜひ拝見したい」という声も
多くいただきましたので,
すでに見に来ておられる方があるかもしれません。
この場をお借りして,ご厚情に対し,感謝申し上げます。

冒頭のリンクに,発表論文と
プレゼンテーション配布資料のpdfファイルを
置いています。
必要でしたらダウンロードして
お使いくださればと思います。

明日,2日目は分科会と講演が中心です。
情報学科の運営や教科指導,また進路指導に
ともに汗を流す仲間の実践発表を伺うのが
実に楽しみです。

アウトラインプロセッサで記録を取りつつ,
しっかり耳をすませて聴こうと思っています。
そのためにも,今日ぐらいは早めに休まないと
いけませんね。

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ピクセルアートその後

「生物教師の作品集」『いのちのエイズ教育』(完全収録済)は,こちらです。

「生物教師の生物学講座」(ユニークな言葉づかいによる生物学の解説)は,こちらです。

先週は,家庭訪問期間で午後の授業がなく,
「図形と画像の処理」の授業が1回飛んで,
結果的に丸1週間空いてしまいました。

前回ご報告しました「多角形とピクセルアート」実習の
フォローを中心に座学の授業を行いました。
最初に,一人ずつ呼んでレポートを返却しました。
私は,答案返却の際もそうですが,必ず一言評価の言葉を添えて渡します。
寄せてくれる生徒さんの感想の中に,
先生からもらえる「よくできているよ。がんばったね」
を励みに勉強をがんばりましたという内容が多々見受けられます。
このような節目節目での小さな評価活動の大切さを
かみしめているところです。

今回のレポートにおける評価規準は,
結果,考察,感想・意見がきちんと記入できていることです。
多角形やピクセルアートの描画の出来について
+αの部分の評価としています。

その後,一斉授業に入りました。
今回の主眼は,実習を通して生徒さんに
コンピュータグラフィックスにおける
アンチエイリアシング
(ソフトウェア的にはアンチエイリアス)
の重要性を理解させることです。

アンチエイリアシングについて,
現在授業で準教科書として使用している
(「図形と画像の処理の教科書はありません)
『マルチメディア表現-図形と画像の処理-』(実教出版)
には,次のように記載されています。

---------------------------

ペイント系ソフトウエア上で描く線には,
ピクセルが整然と並ぶことによって表されるが
ゆえの特徴があります。
鉛筆ツールで,水平・垂直な線は均―な幅を保って
描くことができるのですが,
斜線や曲線は,階段状にギザギザした状態で
描かれてしまいます。
こうした状態のことをジャギーやエイリアシングなどとよび,
荒れた線のように感じることでしよう。

例えば,ブラシツールで描いた斜線は,描画色(線を描く色)で
ピクセルを階段状に塗ると同時に,背景色(背景の画面の色)との
中間の色で線の周囲を塗っています。
このように、描画色と背景色の中間色のピクセルを加えることによって,
線をぼかした印象にし,見た目でジャギーを
感じさせないようにすることを
アンチエイリアシングといいます。

---------------------------

実際にやってみると,なるほど効果てきめんです。
今回の実習では,描画色は黒,背景色は白ですので,
画面上におけるデータは次のようになります。

描画色 黒( R: 0  G: 0  B: 0  )
背景色 白 ( R:255 G:255 B:255 )

画面上での色すなわち光ですので,
光の三原色である赤(R),緑(G),青(B)の
割合が黒と白では両極端になるわけですね。

さて,ここでアンチエイリアシングに用いる
中間色はどうなるかといいますと

中間色 灰 ( R:128 G:128 B:128 )ですね。
実際に作ってみると,濃いめの灰色になるのがわかります。

最初に,黒でピクセルアートを描いておき,
色を灰色に変えて,階段状になった部分の
まわりに灰色のピクセルを置くとよいわけです。

出来上がった作品を画面上で眺めたり,
印刷したものを見たりすると
なるほど,ジャギー(エイリアシング)が
目立ちません。

応用として,
背景色は同じ「白」の場合,
描画色が「赤」だったら
アンチエイリアシングには何色を用いるか?
みたいな例題をやってみました。
前期期末考査も近づいていますので,
問題演習となると,生徒さんの関心も高まります。

まず,実習でやったケースを次のように板書しました。

描画色 黒( R: 0  G: 0  B: 0  )
 ↓
中間色 灰 ( R:128 G:128 B:128 )
 ↓
背景色 白 ( R:255 G:255 B:255 )

そして,例題のケースを

描画色 赤( R:255  G: 0  B: 0  )
 ↓
中間色    ( R:     G:    B:    )
 ↓
背景色 白 ( R:255 G:255 B:255 )

このように書き,考えさせたのです。

しばらく時間を与え,答え合わせに入りました。
生徒さんは,色については
これまでの経験上,桃色あるいはピンクになる
ことを推測できましたが,
R:G:Bのデータに少し苦労していたようです。

しかし,よく考えてみると
GとBについては,黒-灰-白のケースと同じです。
違うのは,Rだけですが,
これはいずれも255ですから,
中間も同様に255になります。
そのことを説明して,正解を板書しました。

描画色 赤( R:255  G: 0  B: 0  )
 ↓
中間色 桃 ( R:255  G:128 B:128 )
 ↓
背景色 白 ( R:255 G:255 B:255 )

実際に,私もPhotoshopでR:255  G:128 B:128の
色を作ってみました。
どちらかというとあまり美しくない「桃色」といった
感じの色ができました。

このように,R:G:Bのデータを理論的に考えて
中間色を設定することにより,
カラー描画の際もアンチエイリアシングの技術が
黒-灰-白と同じように使えるということを
生徒さん達は理解してくれたようです。

いずれ,本格的なグラフィックス実習に入る際,
大いに役立ててくれるのではないかと期待しています。

また,レポートの考察で出題した
「ピクセルアートは,アンチエイリアスの技法が使えたか。
うまく使えなかったとすると,どうすればアンチエイリアスが
より機能するようになると思うか,考えて書け。」
という課題に対しては,
もちろん,「使えた」という考察も有りであることは
押さえた上で,
黒板に,大きい□をずらしながら上下に並べて,
階段状になった箇所を中間色で埋めた図と,
それよりも小さい□で同様に描いた図とを書き,
どちらがより,ジャギーが目立たないかを
全員どちらかに手を挙げさせて,尋ねてみました。

ある程度の数の生徒さんが,小さい□の方に挙手をしました。
関心・意欲の高さをまず誉め,
今回のように1pixel単位で描画した
ピクセルアートでは,これ以上□を小さくできない
では,どうするか?
とさらに尋ねてみました。
しばらく考えたのち,
「解像度を上げる」という方法を答えた生徒さんがいました。
正解です!

今回の実習では,1時間完結で,という方針もあり
32pixel×32pixelでやりましたが,
これをたとえば128pixel×128pixelでやると
縦・横ともに4倍のpixel数になり
解像度は16倍になることを説明し,
このぐらいの解像度だと
もともとジャギーは目立たないし,
アンチエイリアシングの効果も
さらに高まることを説明しました。

実習でやったばかりの内容であったこともあるのでしょう,
総じて生徒さんの取り組む態度がよく,
充実した1時間の授業にできました。

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ピクセルアート盛り上がりました!

生物教師の作品集「いのちのエイズ教育」(完全収録済)は,こちらです。

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「図形と画像の処理」で先週に引き続き,
実習を行いました。
ソフトウェアとして用いているのは,
Adobe Photoshop CSです。

福岡県内の場合,多くの普通科高校には
Phtoshop Elementsが入っているようです。
一方,千葉県や大阪府などでは,
国産ソフトの雄,市川ラボラトリー社の
デイジーアートが入っているらしいですね。

私も個人的には,
ディジカメ写真のレタッチなどは,
デイジーアートを利用しているのですが,
プロ養成のITシステム科
マルチメディア専攻が実習の授業で使うソフトウェアとなると
今のところ,やはりPhotoshopということになりますね。

今日,実施した実習は
生徒も大変喜んで,意欲的に取り組みましたし,
Photoshop Elementsでもできそうな内容ですので,
参考になればと思い,紹介します。

テーマとしては,前回の「点・線・面」に続き
「多角形」の描画と
教科書に課題としてあげてある
「ピクセルアート」を取り上げました。
作業時間のほとんどは,
ピクセルアートの方にかけさせましたので,
こちらを中心に書かせていただきます。

Photoshop_2 まず,生徒に
普通科情報総合コースアート系の
「コンピュータデザイン」の教科書に載っている
ピクトグラムをばらばらに切ったものを
くじ引きで1つずつ選ばせました。

生徒からは,一斉に
「当たりだ」「はずれだ」「むずかしい~」
などの声が上がりましたが,
「運も実力のうち」とか何とか言って説得し,
作業にかからせました。

具体的には,プリントにありますように
鉛筆ツールを使い,主に黒のpixelで
見本と同じ絵を描かせました。
さらに,授業で取り上げた
アンチエイリアシング(アンチエイリアス)の
技法を使わせるために,白と黒の中間色である灰色を作るには,
RGBがすべて128になればよいことを
プリントに記載しておきました。

果たして,黒のpixelで概形を描いたのち,
灰色でアンチエイリアシングに挑戦する生徒も
相当数いました。

P1000281 課題が一人ひとり違ったことも
功を奏したのでしょうか,
いつもになく熱心に取り組んでくれたように思います。
作品も立派なレベルのものが続出し,
補助者として入られた先生方や,
教育実習生の方も感嘆の声をあげておられました。
1時間完結の実習としては,
なかなかよいものができたのではないかと
評価しているところです。
次回の授業は,座学に戻り,
今回のプリント(レポート)を返却して,
アンチエイリアシングについて,
理論的に学びを深めさせる予定です。

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「性教育講演」公開します

生物教師の作品集「いのちのエイズ教育」(完全収録済)は,こちらです。

先日6月7日に実施しました
2年生対象「性教育講演」の内容を録音したものを
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リンク先 「性教育講演」 ファイル「性教育講演H180607.mp3」

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マルチメディア系の授業,楽しんでいます

生物教師の作品集「いのちのエイズ教育」(完全収録済)は,こちらです。

現在,ITシステム科2年生の
マルチメディア専攻では,「図形と画像の処理」を,
普通科情報総合コース2年生の
アート系では,「コンピュータデザイン」を,
それぞれ担当しています。

先日,「コンピュータデザイン」
の授業を受けている生徒さんの
考査の際のコメントも掲載いたしました。

今日は,2つの科目の授業実践について
書きたいと思います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆「図形と画像の処理」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

マルチメディア表現の基本要素

1 形態
1 点・線・面
    点 ……0次元
    線 ……1次元
    面 ……2次元
    立体……3次元
    時空間…4次元

  点
    点…それ以上小さくしたり,
    分割したりすることができない,
      造形要素の最小単位
       ※造形要素としては,位置を表すと同時に
     大きさをもつ

  コンピュータで処理するディジタル的な造形の世界

   「実習」
    点=pixel(画素)
   …正方形→ペイント系ソフトウェアで実習
 線
    線…点の連続
       ※造形的には,位置と距離に加えて幅の要素をもつ
      
  コンピュータで処理するディジタル的な造形の世界

   「実習」
   線=ラインツールで描いた点の連続
   →ペイント系ソフトウェアで実習
    アンチエイリアシング
    ペイント系ソフトウェアで描く線
      →pixelが整然と並ぶことによって表される
        ↓
       水平・垂直な線…均一な幅を保ち,描ける
       斜線や曲線…階段状にギザギザ状
       =ジャギー,エイリアシング

    面
     点
      ↓連続
      線
      ↓連続
      面
      
       複数の線の交差 → 面(位置と距離)
                     +
                    (量)…要素
      
     点=pixel(画素)…正方形
         ↓
         面でもある
     (与えられた条件との相対関係が影響)
      
      ※造形の基本要素としての点・線・面
              ↓
       それらが用いられる画面の大きさ、
       描かれる画材と状態
       描かれたものを見る視点との距離 などの関係
              ↓
       明確な境界はなく,あいまいに変化

  「実習」
     多角形選択ツール
       …斜線を含んだ面として選択
       
        選択された面を塗りつぶしッールで,塗りつぶし
       
        ※ツールオプションの設定項目
         [アンチエイリアス]を有効
              ↓
         線の表現と同様、ジャギーが目立たなくなる

  「演習問題」
      ■ピクセルアートでキャラクタを描く
    
      ピクセルアート
    …限られたピクセル数の中でイメージ表現を行う
        (ドット絵)  
      
      例)コンピュータのデスクトツプに配されたアイコン
        ビデオゲームのグラフイツクス
      
      ペイント系ソフトウェア
      
       ペンツール,ラインツール,ブラシツール,
       多角形選択ツール,描画色と背景色の設定など
                ↓
       幅64ピクセルx高さ64ピクセルの
    ドキュメントサイズで,学校やクラス,
    クラブ,科目など特定のグループの
       マスコットキャラクタをテーマとした
    ドット絵描写
      
       ※キャラクタの設定
         →人物・動物・植物・モノの擬人化・
       架空の生命体など
      
        点・線・面の基本要素,アンチエイリアシング
     の効果などを考慮
                 ↓
              イメージを視覚化

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
                                
今週,「点・線・面」の実習を行いました。
ソフトウェアとして用いたのは,
Adbe Photoshop CSです。

次のような実習プリントを配付し,
画面の状態をボールペンで描かせました。

Photoshop このレポートは,
「関心・意欲・態度」
「思考・判断」
「技能・表現」
「知識・理解」
といういわゆる4つの観点から
多面的に評価しました。

また,次の時間にレポートの命は,
「考察」であることを説明しました。
「考察」は,英語ではdiscussionであることを板書し,
電子辞書で,discussionの第一の意味を
生徒さんに調べて発表してもらいました。
当然,討論・議論などの意味ですね。

「考察」は,「結果」から,
何か一つでもいいから,新しい事実を見いだし,
それを書くのだという説明をしたのです。
生徒さんは,熱心にその説明を聞いてくれていましたので,
次回のレポートがどうなるか,
今から楽しみにしているところです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆「コンピュータデザイン」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

デザインの造形要素

 デザインの目的を把握
   →・目的を果たすためのアイデア
    ・具体的に形づくり
 
  「形態」「色」 「材質感」(テクスチュア)「空間」「時間」

 形態
    デザイン
     作品…最終的に必ずある具体的な形態としてまとめられる
   
    形態とは
      ◆現実的形態
    …実際に存在し,視覚や触覚で直接感じられる形
          □自然形態
           ・有機的形態
              生命感があり,自由で曲線的な形状を示す
           ・無機的形態
              規則正しい秩序のある美しさをもち,幾何学的な形状を示す
          □人工形態
      ◆理念的形態
       …幾何学などで取り扱う視覚や触覚などで知覚できない
      例)点とは何か考える
       
    造形の分野
     理念的形態=純粋形態

    コンピュータ上での形態のあらわし方
      コンピュータ上で扱う図形
      …理念的形態をもとに処理
        →点・線・面・立体を基本形式
      
    理念的形態
      点 = 位置だけあって,大きさがない
      線 = 点が移動した軌跡
      面 = 線が移動した軌跡
      立体= 面が移動した軌跡
      
     純粋形態
      点 = 小さいしるし
       □
       線 = 細くのびたもの,点と点をつないだ形,点が動いた形
       □□□□□□□□□□□
       面 = 物のおもて,物の外部を囲むひろがりの形
        □□□□□□
        □□□□□□
         □□□□□□
         □□□□□□
         □□□□□□
       立体= 三次元の空間的広がりをもつ物体

     基本的形態とそのはたらき
       点
         幾何学における点
         …位置だけのものであり大きさがない
              ↓造形要素とするために
               大きさを与えて視覚化
       
            点に関係をもつほかの要素や背景条件との相対的な関係
               ↓決定
            造形要素として点に見えるか,
                      面として認識されるか
       
            点…ものの存在や位置の概念をあらわすはたらき
       
            点から面への移行…連続的
             →点と面の境界を決定するのはむずかしい
       
            点の理想形=円(さまざまな形も点と感じる)

          点と空間
            点が空間の中で位置
                 ↓
            視線と注意力はこの点に集中
         
            空間の中に2つの点が置かれたとき
         
           ・2つの点が同じ大きさの場合
                 ↓
             点と点の間に心理的な緊張感,張力を知覚

           ・3つの点の存在

             3つの点をむすぶ三角形が強く意識
                ↓
              面として知覚
         
           ※2つ以上の点の大きさが異なる場合
             →注意力はまず大きな点に集中
              次第に小さな点に移動

        線
          線…点が移動した軌跡
       
          線の特性…長さ
           →幅と長さの相対的な関係により,
           面にも線にもなりうる
       
         ※点の移動のしかたにより,
          さまざまな性格の線がうまれる
       
          例)点の移動の方向が一定    → 直線
                    たえず変化 → 曲線

          線のはたらき
            ①方向指示
            ②運動とその軌跡…運動の軌跡をあらわす
            ③領域分割
            ④連結…線の両端にあるものを連結
            ⑤量の表示
            線の長さによって,量の大小をあらわす

        面
         点の拡大
         線の移動
         線の幅の増大
         立体の切断 など
           ↓
           面
       
         ※点の密集,線の集合,線で囲まれたものも
          →面として成立

        立体と空間
     →面を三次元的に移動したり,回転することによって
      立体が成立

      立体化した点・線・面によって取り囲まれた空間
      =立体

      例)室内やコップの内部

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ご覧の通り,2科目似たような内容を
学習しているわけですが,
「図形と画像の処理」の方は,
テキスト(教科書はないので,準教科書です)にも
どんどん実習の内容が出てきます。
当分は,「座学」→「実習」→「座学」→「実習」→…
といったパターンの授業になりそうです。

それに対し,「コンピュータデザイン」の方は,
理論的な学習が必要な内容が多く,
当分は「座学」のみになりそうです。

「コンピュータデザイン」の授業で,
今一つ(ぜいたくな?)悩みを抱えています。
教育実習生が授業を見学しておられることもあり,
きちんとした授業の見本を…と思って,
板書計画に基づき,
単元を予定通り進めていく形にしたいのですが,
授業が盛り上がりすぎて,
ついつい私も乗ってしまい,
直接「コンピュータデザイン」の授業に
関係しないような話題にまで
話が入っていってしまうのです。

たとえば,昨日はこんな風でした。

次元の説明をしようと,

2次元の面の生物である,アリを例に取り,
アリがえさを見つけると,一列になって
進んでいくことを説明し,

「えさを見つけた1匹は,仲間のアリにどうやって,
その情報を伝えるでしょう?」
と問いかけてしまったのです。

すぐに生徒さんの一人が,
「おしりから物質を出すのでしょう」
と答えました。
そこで,やめておけばよかったのですが,
またまた私が,
「正解です」
「それでは,その物質はなんと呼ばれているでしょう?」
とさらなる質問を発してしまいました。

しまった!と思いましたが,
後の祭りでして…。

いったん,そうなってしまうと
生徒は,どんどん思いつくまま答えを言います。
正解はいなかったのですが,
一人が「ホルモン」と答えました。

あぁ…絶望的です。
生粋の生物教師の私に「ホルモン」とは…。

結局,焼き肉屋で出てくる「ホルモン」と
生物学的な用語であるhormoneとは,
根本的に違うこと
(前者は日本語で,後者は英語)

ホルモン,ビタミンそしてフェロモン,
三者の思いがけない関係

などを延々と語るはめになりました。

これを読んで,何それ?
知りたい,聞きたいと思った方がおられたら
危ないですよ。
最近,学校で職員間で話題に上っているらしい?
倉光ワールドにはまりかけていますので…(笑)。

何とか,環境ホルモンにまでは
踏み入ることなく,いったんはそこで
とどまり,デザインに戻ることができました。

生徒さんたちは,もちろん
「環境ホルモン」の話もしてくれ!
と言いましたが…。

前任校で,中学校に出前授業に呼ばれたことが
あります。もちろん理科の教師としてです。

集まった生徒さん・保護者さんに対して,
「ホルモン」「ビタミン」
「フェロモン」「環境ホルモン」の
説明をした際,食い入るような視線で
私の一挙手一投足を見つめておられたのが
印象的でした。
一緒に参観しておられた中学校の理科の先生も
すごく喜んでくれました。
数年前のなつかしい思い出のひとこまです。

授業は,いったんデザインの説明に
戻り,生徒さんがもっている電子辞書で
次元の英単語を引いてもらいました。

dimension という正解を板書し,
「ゲームの世界で最近盛んに使われる
数字1個とアルファベット1個の
組み合わせがありますよね」
と尋ねました。

見当はずれの答えが飛び交った後,
一人の生徒さんが「2D,3D」
と正解を発してくれました。

そこで,私は,我が意を得たとばかり
「そのDこそ,dimension,
すなわち(次元)の頭文字なんですよ」
と説明したのです。

生徒さんたちは,その瞬間,
一斉に大きく目を見開き「あっ」と
小さい声をもらしました。

大成功!です。
計画どおりに,うまく
生徒を引き込むことができ,
授業中でありながら,
教師冥利に尽きるひとときを得ることが
できた私だったのでした。

この後も,3次元→4次元→5次元の話で
盛り上がったり,
「引力」と「重力」の違いを質問されて
スパッと明解に答え,生徒さんの喝采を受けたり,
盛り上がりのうちにチャイムが鳴り,
授業が終わったのです。

なかなか予定通りに進まないのが悩み
というのは,冒頭に書いた通り
心底思っているところですが,
教師も,生徒もともに楽しめる授業というのも
また一つの理想郷なのかな?
と思って自己弁護している私です。

ちなみにこの授業の参加者は,

授業者である私以外に
補助者として,情報の教師1名
       芸術(美術)の教師1名
見学者として,情報の教育実習生1名
の計3名の先生方がおられたのです。

以前も,このブログで書きましたが,
ここまで大勢に見られていると
慣れてしまうものでもありますね。

十数年前,エイズの公開授業をした時には
異常な緊張感のなかにあった私ですが,
今なら,授業公開でも何でも
どんと来いの心境です。

また,来週授業ができる日を楽しみに
週末,教材研究にいそしみたいと思っています。

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「性教育講演」実施しました

生物教師の作品集「いのちのエイズ教育」(完全収録済)は,こちらです。

先日このブログに書いておりました
本校2年生に対する「性教育講演」が
無事終了しました。

P1000221_1 

与えられた時間は40分間でしたが,
若干オーバーしてしまった
というのが反省点としてあります。

今回,私に講演を依頼された
養護教諭の方は,「生物教師の作品集」に
『いのちのエイズ教育』と題して収録中の講演を
生で聴いた方です。

今日の講演が終わって,いの一番に握手を求められました。
自分も年を重ね,
十年前,聴いたときとは比べものにならないぐらい
今日は感動したとおっしゃいました。

また,私の講演を聴講してあった
昨年度と,本年度の1年生対象の
「性教育講演」の講師である助産師の方からも
強く握手を求められ,今後の連携を呼びかけられました。

私は,今こう考えています。
十年前,情報教育とまったく関わっていなかった私。
そして,現在,
「情報A」や「情報と表現」の授業を通した学び,
また,福岡情報教育授業研究会の中で
話を聴くことができた数々の講演や発表による学び,
情報教育にまつわる多くの“学び”いよって
よりパワーアップした私があるのではないかと。

もちろん,内容についても
日々,移り変わる情勢をふまえ,
新しい話題を取り入れたりもしました。

しかしながら,
語りかけのみで勝負する講演において
「話し方」や「間の取り方」
「目線の配り方」「発問の仕方」
その一つひとつの技術が,
成否を分ける大きな要素となるのです。

一部パワーポイントを使おうか?
資料を用意しようか?
直前までいろいろと悩みましたが,
パワーポイントなし,資料なし
自分の語り一本で勝負!という結論に達しました。
冒頭でその理由を聴いている生徒さんと先生方に
次のように語りました。

-----------------------

私は,嘉穂総合高等学校が
まだ図書館の一室でしかない時に
学校に来ました。

そして,授業のない数ヶ月の間
やがて出会えるであろうみなさんのことを
ずっと待ち望んでいました。
可愛い生徒さんが入学してきて
授業ができる,その日を楽しみに
学校づくりの仕事をしていました。

みなさんは,私の夢であり,大切な宝物です。
一人ひとりが,きらめく宝石であるみなさんを
やさしく磨く,そんな気持ちで語りたいと思います。

今日は,プレゼンテーションソフトは使いません。
資料も用意しようと思えば,
材料はいくらでももっていますが,
あえて使いません。

それは,みなさんに対して
知識を与えようとは思っていないからです。

情報の教師をしている私が
このような話をすると意外だと思われるでしょうが,
私は,ある時から知識は基本的に毒だと
思うようになりました。

情報の教科書には,情報とは,判断する際の知識や
考え方と書いてありますから,
知識を情報に置き換えても
意味はあまり変わらないかと思います。

毒を上手に薄めれば,薬になるように
知識も使い方によっては
人のためになります。

みなさんが,私の話を聴いて
何か一つでも感じてくれることがあったら
ありがたく思います。

私は,今日の講演,心で話すつもりです。
みなさんもどうか心で聴いてください。

-----------------------

テープ起こしをしたわけではありませんので,
正確ではないかも知れませんが,
およそ,このような語りかけで話を
しました。

流れとしては,次のような内容です。

見つめよう“いのち”

 水の奇跡
  青い星地球  水は生命の源。神秘の泉。

 いのちのバトン
     相田 みつを作
    
     父と母で二人
     父と母の両親で四人
     そのまた両親で八人
    
     こうして数えていくと
     十代前で 千二十四人
     二十代前では?
     なんと百万人を越すんです
    
     過去無量の
     いのちのバトンを
     受けついで
     いま ここに
     自分の番を生きている
    
     それがあなたのいのちです
     それがわたしのいのちです

 有性生殖のこと
  有性生殖…遺伝子ミックス
  なぜ,何のため?…平和教育の視点から

 体内受精のこと
  体外受精に比べて,確実性がはるかに高い

 胎生のこと
   人間の大きさと,からだの精密さでは,
   卵生は不可能

 時間とは
   時間とは心臓の鼓動
   胎児の時,24日目ぐらいに心臓形成
      時間=心拍回数→可変
   (アインシュタインの相対性理論を超えて)

 いのちのはじまり
  いつ?どこで?

 大海の一針
   60兆分の1の奇跡
   遺伝子がもっとも近い存在
  =兄弟(骨髄移植のこと)

  いのちの奇跡,そのありがたさ

 エイズの話
  免疫のしくみの素晴らしさ

  HIV(エイズウイルスの怖さ)

  エイズ予防のために
  コンドームで防げるか?

ほんとうは,HIV感染者・エイズ患者
の方の思いや,共生できる社会についても
話をしたかったのですが,
無情にもチャイムが鳴ってしまい,
そこまではたどりつけませんでした。

今回の経験をふまえて,
また,録音した講演内容を
繰り返し聴き直すことによって
自己の「表現力」にさらに磨きをかけたいと
思っています。

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座学は楽しい!

今年度,私は自分が主として担当する授業として
1年生ITシステム科
 →「情報と表現」
2年生普通科情報総合コースアート系
 →「コンピュータデザイン」
2年生ITシステム科マルチメディア専攻
 →「図形と画像の処理」
の3つを受け持っています。
各2単位ずつの計6単位です。

それ以外は,すべてTTのサブで
1年生普通科情報総合コース
 →「情報C」2クラス
2年生ITシステム科
 →「ネットワークシステム演習Ⅰ」
  (学校設定科目)
2年生ITシステム科マルチメディア専攻
 →「情報実習」
の授業,計8単位をもっています。

メイン+サブで14単位というわけです。

現在の,一週間の楽しみは
「情報と表現」
「コンピュータデザイン」
「図形と画像の処理」
の授業です。
これまで2ヶ月基本的にすべて座学でやってきました。

授業が楽しくて楽しくて仕方がありません。
こちらがそう思って授業をしていますので,
生徒さんもきっとそう感じてくれているのでしょう。
生き生きとした授業ができています。

すべてTTで座学であっても,
私が8単位分そうしているように
やはりサブで先生がついてくださいます。
したがいまして,この2年間
自分一人(と生徒)の授業というのは
一度もありません。
常に衆目にさらした状態で授業をしています。

理科(生物)であれば,いつでも来い
の私ですが,
さすがに昨年度のはじめの方は
毎時間授業をみられることに
恥ずかしさや抵抗感といったものが
少しはありました。
今は,もう全くありません。
我ながら,鍛えられたなと思います(笑)。

先日,県教育委員会の定期学校訪問があり
てっきり次の時間の
「ネットワークシステム演習Ⅰ」
(シスコ・ネットワーキング・アカデミー)の
授業を視察されるだろうと予想していたところ
思いがけず,
私の「図形と画像の処理」の授業を行っている教室に
管理職に案内され入って見えました。

テスト返しの後で,はっぱかけようと
大学で学ぶとは何であるか?みたいな
話をしていたところでした。
多少,???とは思いながら
まったく眼中におかず
話の内容を続けました。

そして,「さあ,それでは教科書を開いてください」
    「新しい単元に入りましょう」と言いながら,
項目を板書し始めたところで出て行かれました。
5分から10分近くぐらいおられたのでしょうか。
後から管理職に伺ったところでは,
熱心に私の話に耳を傾けておられたそうです。

3名見えたうち,もっとも
重い役職の方は
私がエイズ教育の実践家として名を馳せていた頃
近いセクションで仕事をしていた仲間の一人でした。
そんな過去の関係もあったのではないかと思っています。

来週から,同じ地域にある
情報系大学の学生さん1名を
教育実習生として受け入れます。
今日は,その準備も兼ねて
私の「コンピュータデザイン」の授業を見学されました。
もともとこの授業は,
情報科の先生1名と芸術科(美術)の先生1名が
サブで入ってありますので
今日は,3名のゲストを前に授業をしていたことになります。

テスト返しとその説明で
多少の時間を要したこともあり,
自分の感覚ではあと10分程度残っているというところで
無情にもチャイムが鳴りました。
また当分,この続きができないと思うと
悲しかったです。

以前,私は専門であり,私自身大好きな科目でもある
「生物」の授業だから座学が盛り上がり,
うまくいくと思っていました。
「情報」では,到底その域に達することはなく
生徒もあまり乗ってきてはくれないだろうと。

最近,考えが変わりつつあります。
私は,「生物」や「情報」の座学が
得意なのではなく,
「座学」そのものが得意な域に入ってきたのだと。
極端に言うと,題材は何であってもいいと
そう思うのです。

道に落ちているビラが教材なら
それを使って一時間の授業を
自分も生徒も楽しくやれる
そんなことも可能な気がします。

その布石は,やはり十数年前
県下各地はいうに及ばず,他県からも
要請があって出向き
数多くこなしてきた
性教育・エイズ教育の講演だと思います。

あれは,大牟田文化センターの
大ホールを会場に私一人を講師とする
講演会が行われた時だったでしょうか。
演題に上がり,多くの聴衆の方を前にして

「大ホールが満員になるぐらい
こんなに大勢,私の話を聴きに来てくださった。
ああ,ありがたい。ほとんどの方とは,
文字通り一期一会で,今回1回限りの出会いだろう。
心を込めて話そう」

ここまで,思ったとき,ハッ!とひらめいたのです。
「毎日の授業でも,今日のこの気持ちをもってやろう」と。

講演の聴衆とは違って,授業を担当する生徒さんとは
一期一会ではなく,今日も明日も
語りかけるチャンスはあります。
しかしながら,そうは考えず,
毎時間,毎時間,最初で最後のつもりで
一生懸命,授業をやろうと
その時,思ったのです。
以来,この気持ちを忘れたことは一度もありません。

以前,前任校の離任式で語った挨拶の内容を
このブログに掲載しました。
その内容の通り,
本当に一言,一言真心をこめて
語りかけてきました。
その十年あまりの積み重ねが
今,大きく花開こうとしているのだと思います。

来週7日に
本校の2年生対象の
「性教育講演」をすることになりました。
依頼があった日からずっと,
頭の中で腹案を練っています。
いかにして導入部分で
話に引きつけるか,
怖い話,ほろりとする話
そのバランスをいかにとるか
そんなことを考えています。

たたき台にしたいと思って
十数年前,私の講演をテープ起こしした中身が
掲載された研修誌があったことを思い出し
探していました。
ようやく見つけて,読み直してみると
我ながら,よくこれだけの話が当時できたものだと
感心しました。
近いうちにOCRで処理して
私のブログ「生物教師三部作」の1つである
作品集の方に掲載したいと思っています。

今日は,「情報と表現」と
「コンピュータデザイン」の中間考査の解答用紙に
作った“授業の感想と考査勉強で身につけたもの”という
欄に生徒さんが書いてくれたものを
載せておこうと思います。
期末考査の時,今度はいったい
どんな感想を寄せてくれるだろうと
今からわくわくしている私です。

------「情報と表現」------

書いてくれた分について,余すことなく掲載しています

私は,結構,この情報と表現の授業が好きなので,
これからも頑張っていこうと思います。
それに倉光先生の授業はとても分かりやすくて
覚えやすいのでいいと思います。
今回のテストは,うまくできませんでしたが,
それでもまぁまぁ授業の内容を覚えていたので
とてもやりやすかったです。

☆授業の感想☆
あまり理解できなかったりするので,もう少しちゃんと,
先生の話に耳をむけたいです。
分野ごとのチェックプリントみたいなのを作ってほしいです。
☆今回のテスト勉強で身につけた内容☆
暗記力!!

情報と表現の授業では,パソコンばかりをするかと思っていました!
でも,情報の基礎からいろんな意味で学ぶことができました!
この授業から,2年生でシステムかマルチメディアの
どっちに行くかを決めて行きたいです!
文章とか絵だけでは情報が伝わりにくいから,
自分なりに相手に情報が伝わるように
工夫しないといけないことがわかりました。

情報と表現の授業でノートの取り方がうまくなった。
テスト勉強は,メディアのことやディジタル化のことを
よく知れて良かったと思う。

情報と表現の授業は最初分からなかったけど,
だんだんと授業が楽しくなってきたので分かってきた。
これからはもっとむずかしい授業になると思うけど,
ちゃんと先生が書いた事はノートに書いて
分からない事があったら,
先生に聞いていきたいと思います。

自分は「情報と表現」のテスト勉強で
情報の大切さやいろいろな知識を知ることが
出来たので,これからも,
いろいろなことを学んでいきたいです。

情報と表現を勉強してみてメディアでもいろいろな意味があり,
その中でも文字・画像・映像・音声についての
情報を知ることができました。
今回のテストでは,情報伝達について,
身につけることが出来て良かったです。

授業がユニークでおもしろい。
先生の説明もわかりやすい。

情報と表現の授業は,倉光先生が教えて下さった
ノートの取り方だとノートの↓の部分に
自分の書きたいことやイラストなどが書けて,
たいくつしないのが好きです。    
倉光先生の余談も知らないことが多いので
案外勉強になります。
テスト勉強では家で何もやっていませんが,
学校で開始前15分で教科書を見ようと計画していたら,
友達と話し込んでしまいました…無念。
まぁこの経験が次からの考査前の参考になるので身につきました。

ときどき情報と表現の授業で言葉の意味がわからない時があります。
すいませんけど,具体的に教えて下さい。
テスト前にもっとプリント等を下さい。

情報と表現の授業内容はわかりやすく,
先生の体験談などが聞けておもしろい。
自分が情報のことを甘くみていたのがすごくわかったし,
自分の知らないことなどいろんな知識を学び,
自分の力にすることができた。
このテスト勉強や授業などでつちかった知識を
もっともっと活かしていきたい。
倉光先生へお願い
自分に基本情報技術者の資格を取るために
ご教授してください。おねがいします。

情報と表現の授業を受けて,
私は,今まで,情報のことをあまり知らなかったけど,
いろいろな方法で情報の受け手に短時間で分かるようになったり,
いくつか複数のメディアを組み合わせて表現する
ということが分かりました。
今回のテスト勉強で
文字・画像・映像などディジタル信号として
記録できることなどが身につきました。

先生は,色々なことをしゃべってくれるので,とても興味深いです。
これからも役に立つことを話してほしいです。

授業での話を親にすると,博学だといわれるので
1番気をつけて聞いています。
ノートも小学校から書き方に不満があって,
高校に入って1科目だけど新しい書き方になってうれしいし,
わかりやすいです。
注意書きを読んで深く考えなかったけど
文字と絵の注意書きが大事かよくわかりました。

情報と表現の授業は,授業内容以外な事を
わかったりしてとてもおもしろい。

情報と表現の授業はわかりやすいけど
覚えることがたくさんあるのでたいへんです。    

私は授業に関係ない先生の話が好きなので
授業が余った時間があったらもっといろんな話をして下さい。
今回のテスト勉強ではどこをどうすればいいのか
よくわからなかったので
内容的にはあいまいにしか覚えられませんでした。
あとは,先生が授業中に言ってたことは
なんとなく身についていると思います。

日本と地球の形は似ている!?と聞いて,納得できた。
オーストラリアは四国,ユーラシア大陸は本州
などが印象に残りました。

感想
復習などを行う際に,ノートがまとめやすくて助かっています。
身につけたこと
情報のまとめ方や送り方などもよく考えなければいけないと思いました。

------「コンピュータデザイン」------

書いてくれた分について,余すことなく掲載しています

ノートは,毎日1枚ずつ書くので
とても見やすく書きやすいです。
アートは,ただ絵をかくだけでなく
ちゃんとした意味や考えを持って
しなくちゃいけないことを知りました。

コンピュータデザインの授業は,
興味のある話がたくさんあるので,
これにしてよかったと思っています。
これからもコンピュータデザインについて
深く学んでいきたいです。

コンピュータデザインの授業はなかなか楽しい。
あんまりデザインの授業っぽくないで,
すぐ倉光先生の雑談になるけど,
おもしろいし,「そうなんか」とか発見もあるから
どんどん豆知識とか言ってほしい。
あと,コンピュータでのデザインの授業を1回していてないから
何回かしたい。
テスト勉強で身につけたことは
アートとデザインの違いとか?かな。

先生の授業はとてもおもしろいです。

・コンピュータでいろいろ創造したいです。
・倉光先生の授業はおもしろいです。,
・先生は,チョークが嫌いなのがすごくわかります。

まず先生がおもしろいから好きです。
あとテスト勉強はどこをしていいのかわかりませんでした。
次は余裕でできるようにがんばります。

とてもわかりやすく楽しいコンピュータデザインでした。

コンピュータデザインの時間は楽しいです。
授業もわかりやすいです。

学校で初めて習う教科だけど,楽しい。
教科にもいろいろなデザインがあって,
これからの授業のためや自分の感受性や
センスも上がっていくような気がする。
パソコンで,絵を描く授業も,
これからあるみたいなので楽しみです。
テスト勉強は,ルーズリーフに
教科書の線を引いた所を書いていった。

私はコンピュータデザインのおもしろさ,
深さを知りました。
アイデアを探して工夫して出来上がった作品は
とても達成感があるしいいものだと思います。
これからもどんどんデザインの深さを
追求していこうと思います。

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福岡情報教育授業研究会第13回定例研究協議会報告

今日は,2月17日(金)に,
福岡市立春住小学校のパソコン教室を
お借りして実施しました
第13回定例研究協議会の報告をいたします。

福岡情報教育研究会は,平成15年9月に
福岡地区教科「情報」授業研究会としてスタートしました。
第一回の研究会を私の前任校でもある
太宰府高等学校において開催し,
その場で以後,会場として各高等学校を持ち回り
2ヶ月に1回の割合で研究会を行うという
基本線が出来ました。

以後,その路線に則り活動を続けてきています。
第6回からは、小学校・中学校および大学の先生方にも
オブザーバーとして、多数ご参加いただけるようになりました。
そのようないきさつから、
昨年9月に会の2周年を記念して会員資格を高等学校以外に,
また,活動範囲を福岡地区以外に拡大しました。
そして,研究会同様2年間の活動実績をもつ
メーリングリスト参加者を会員とする
「福岡情報教育研究会」に生まれ変わりを果たし,
今日に至っています。
現在県内外で60名を越える会員を有し,
日頃から情報を提供し合ったり、悩み事を共有したりしながら、
こまめに情報交換を行っています。

また,各学校現場のパソコン環境を見学した上での設備面における情報交換を目的の1つとして、下記のような学校を会場として定例研究協議会を実施して参りました。

定例研究協議会の会場は,次のような変遷をたどってきています。

第1回(福岡県立太宰府高校)
第2回(福岡県立城南高校)
第3回(福岡県立宗像高校)
第4回(福岡県立須恵高校)
第5回(福岡県立西福岡高校)
第6回(福岡県立福岡中央高校)
第7回(福岡県立春日高校)
第8回(福岡県立福岡高校)
第9回(東海大学附属東海第五高校)
第10回(福岡県立筑紫高校)
第11回(福岡県立修猷館高校)
第12回(福岡県立光陵高校)

そして,ついに会場校を義務制の小学校に移し,
第13回の定例研究協議会実施となったわけです。

参加者は,小学校1名・高校10名・大学3名の計14名でした。
開会に先立ち,会場校の先生より
展示物の紹介をしていただきました。
印刷できるディジタルカメラ,超広角ディジタルカメラ,
ドイツの絵本および
ウィンドシンセ(リコーダ型エレクトーン)など
興味深い品々を見学することが出来,大いに勉強になりました。

協議会では,最初に参加者全員の自己紹介・近況報告を行い,
意見・質問を出し合いました。
話題は,進数計算,電子メール,著作権教育,
e-ラーニング,動画編集の授業,
そしてシスコネットワーキングアカデミーと多岐に渡り,
今更ながら情報教育の裾野の広がりを感じさせられました。

恒例となっております会場校発表では,
授業支援ソフトを用いて,
小学校における授業の様子を紹介していただきました。
九九の学習ソフトや統合ソフト,
および音楽の時間に活用できるリコーダの模擬授業など
刮目に値する実践の数々に参加者一同,
小学生に戻ったつもりで,しばしパソコンの画面に釘付けになり,
一心不乱にキーボードやマウスをさわりました。

また,担当の先生が参加された
アメリカ最大級の情報教育大会である
NECC(National Educational Computing Conference)の模様や,
平成14年に県の海外派遣研修で行かれた
ドイツにおける情報教育の実態などを,
ビデオ映像を交えて紹介していただくこともできました。

予定の時間があっという間に経過したように感じる
大変中身の濃い発表でした。

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福岡情報教育授業研究会第3回研究発表会報告

ブログ更新を休んでいた間に,
福岡情報教育授業研究会の
第 3回研究発表会………1月15日(日)
第13回定例研究協議会…2月17日(金)
第 4回研究発表会………3月12日(日)
第14回定例研究協議会…5月26日(金)
と4つの行事をとりおこないました。

順に報告をさせていただこうと思います。

まずは,1月15日(日)に,
福岡市中央区にある啓隆社さんの会議室を
お借りして実施しました
第3回研究発表会からです。

参加者全員による,近況報告・研究協議を皮切りに,
発表2本と講演1本をプログラムの骨格として
10:00~16:30という長丁場の研修を実施しました。
最後に,新機軸として,参加者自身が生徒の立場で,
ブレーンストーミングとKJ法を体験する時間も設けました。

それぞれの内容をかいつまんで紹介させていただきます。

私立高校(情報,地歴公民担当)の先生の発表

先生が勤務しておられる学校では,
一歩踏み込んだ高大連携として,
「情報」の授業にテレビ会議システムを用いた
遠隔授業に取り組んでおられるそうです。

講師は,情報系の大学の先生だそうです。
ビデオ映像で紹介していただきましたので,
実際の遠隔授業の様子や生徒の勉強ぶりなど,
生き生きと伝わってきました。

中学校(理科担当)の先生の発表

先生が勤務しておられる学校では,
理科の授業にIT機器を活用し,
生徒の関心・意欲をうまく引き出す取り組みが
なされています。

具体的には,音の速さを生徒に体感させるのに,
ビデオカメラとコンピュータをうまく組み合わせて
用いてあります。

グラウンドでのフィールド・ワークもまじえた
スケールの大きい授業内容にいたく感銘させられました。

地元の大学にお勤めの先生による講演 
テーマ「大学おけるe-ラーニングの現状」

e-ラーニングシステムの研究はもちろん、
テレビ会議の実践等も幅広く行っておられれる先生に
特別にお願いして,講演を行っていただきました。
要旨を紹介させていただきます。

e-ラーニングシステムには、大きく分けて

(1)リアルタイム遠隔講義システム
(2)VOD(Video On Demand)システム
(3)WBT(Web based Training)システム

の3つがありますが、先生ご自身は,
(3)のWBT(Web based Training)システムこそ
e-ラーニングシステムであるとお考えだそうです。

最近のWBTは、コース管理システム等を複合してもっており、
学習履歴管理も可能だそうです。

WBTシステムの機能としては、
Webベースの教材作成・提示、
コミュニケーション機能(メール、掲示板、チャット)、
テスト、テストの採点、成績管理、宿題提出、回収と
いったものがあるそうです。

現在国内で50大学が利用しており、
先生お勤めの大学においては、
全学教育および農学部・工学部などの
各学部での専門講義や
情報基盤センター・留学生センターなど
多方面で利用されているそうです。

現在は学内のみの利用ですが、
将来的には学内外での利用も視野に入れて
研究を進めておられるそうです。

大学で実現している技術は、
近い将来小・中・高の学校現場においても
導入される可能性は大いにありますので、
先端技術の先取りという意味でも
大変意義のある講演だったと思います。

ブレーンストーミング&KJ法体験実習

日頃から,ブレーンストーミング法,
ブレーンライティング法,およびKJ法などに
精力的に取り組んでおられる
県立高校の先生にご指導をお願いし,
数名ずつの班に分かれて実習を行いました。

テーマとしては,広く「情報環境や情報教育の在り方」とし,
各班ごとにさらに細かいテーマを設定して,
ブレーンストーミングを行いました。

具体的には,私が事前に購入しておいた
大きめの付箋紙に,
めいめいテーマに関して思いついたものを
片っ端から書いて,
班に1枚ずつ配付した模造紙に貼っていく
という作業を行いました。

ブレーンストーミングには,次の4つのルールがあります。

(1)批判をしない。
(2)自由に発想し,自由に発言する。
(3)質より量を重視する。
(4)他人の意見に便乗し,発展させる。

実際にやってみると,
最初の1つ2つは時間が少々かかりますが,
その後は,勢いがついてどんどん出てきます。

私の班は,「インターネットに望むもの」
というテーマだったのですが,
みなさんが書いたものを見ると,
現状への不満と将来への期待が織り混ざり,
実に多種多様な意見がありました。

次に適当に模造紙に貼った付箋紙を,
分類する作業に入りました。
付箋紙を一種のカードに見立てたKJ法の体験です。

この段階では,グループ全員で侃々諤々と意見を交わし合い,
大いに盛り上がりました。
たまたま同じグループに,現在は大学の助教授をしている
高校生の時の親友とも呼べる仲間がいたのですが,
二人で口角泡を飛ばして討論していると,
まるで高校時代の昔に返ったようで,
なつかしさがこみ上げ,嬉しく思いました。

そうこうして,各班,模造紙に書かれた
いくつかの囲みの中に,付箋紙を貼る作業を終えて,
全体協議に入りました。

各班の代表者が,テーマと討論の過程,
結果として出来上がった模造紙の中身の紹介などをしながら,
さらに自由に意見を交わし合いました。

予定した1時間半という時間が,
あっという間に過ぎた気がするほど,
楽しく充実した時間を過ごすことが出来ました。
このような実習であれば,
普通教室でも十分できますし,
テーマをうまく設定すれば,
生徒も大いに乗ってくるのではないか
という手応えが得られました。

読まれた方は,押していただくと嬉しいです。
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近況報告です。

長らくのご無沙汰をしてしまいました。

長期にわたり,更新を怠け続けたにも
かかわらず,訪問してくださった方には
お礼の言葉もありません。
ありがとうございます。

かつての教え子さんたちから
コメントをいただいたりもしていたようで
遅ればせながら,返事を書かせて
いただきました。

今年度は,4年に1度という教科書改訂の
大きな節目の年でもあり,
平成18年の年明けから
本職の「生物」と
現在の専門?「情報」と
両方の仕事の依頼を多数受けました。

最近では,東京書籍さんから
新しい教科書の座学部分の
板書例作成を依頼され,作っています。
さっそく,こちらの方も
Eネットのトップページ
リンクを貼らせていただきました。

トップページの
特報!! の「ぜひお読み下さい」
という名前で板書例へのリンクを作って
いただいています。
残った分の単元につきましても
鋭意作成中です。
座学の授業の際の参考にしていただけると
大変嬉しく思います。
感想・ご意見等をこのブログの
コメント欄を利用して
お寄せ下さるとありがたいです。

学校の業務の方でも
2月,3月は特別な仕事があり,
超多忙を極めておりました。
私は,学科主任を務めておりますので,
その責任たるや重大なものがあるのです。

年度はじめの忙しさも峠を越え,
ようやく生活に少し落ち着きが生まれてきたかな?と思います。
ブログ書きを一時中断してまで
やり続けけてきた大仕事も
ほぼ終えることができました。

今後も,情報発信に値する内容を厳選しながら,
書いていきたいと思っています。

本題の近況報告ですが,
本年度も学校の仕事としては,
ITシステム科主任と
情報管理部主任を受け持っています。
新設2年目になり,
科の生徒が2学年にまたがりましたので,
いよいよ学科主任としての本領発揮と
いったところです。

情報管理部の主な仕事は,
ネットワークや機器の維持・管理と
広報活動です。
今年度は,毎月中学生向けの
PR誌を作ることと,こまめな
ウェブサイトの更新を目標に掲げて
活動しているところです。

図書館の仕事も昨年同様
情報管理部主管となっていますが,
主任業務は若手に任せて一線から退きました。
また,PTA広報の仕事も
同じく別の若手メンバーに
お願いしました。

ということで,
昨年度9月22日付けのブログで書いておりました

・ITシステム科学科主任
・情報管理部主任
・図書主任(図書館業務は、情報管理部の管轄)
・情報科教科主任
・教育情報化推進主任 
・ネットワーク管理者
・新築移転設備計画委員
・教育課程検討委員
・学校活性化委員 
・PTA広報委員会副委員長
・再編整備図書・視聴覚小委員会委員長
・インターンシップ企画委員
・文化祭実行委員

という多数の業務のうち,
いくつかが減り,今のところ

・ITシステム科学科主任
・情報管理部主任
・情報科教科主任
・教育情報化推進主任 
・ネットワーク管理者
・教育課程検討委員
・学校活性化委員 
・インターンシップ企画委員

こんな感じです。
少しは楽になったという印象ですね。

学校業務以外では,
福岡県情報科研究部会事務局長の仕事と
福岡情報教育授業研究会の代表の仕事を
担っています。

後者の研究会の方は,2年半の歴史があり,
体制も整っていますので,順調に運営できています。
先日26日(金)に第14回定例研究協議会を
博多学園博多高校さんを会場にお借りし,
無事やり終えることが出来ました。
この報告は,また改めてさせていただきます。

前者の部会の方は,組織が大きい上に,
体制がまだ十分整い切れておりませんので,
なかなか活動を進められないという
もどかしさがあります。
とはいえ,やるべき行事関係については
現在,各方面と折衝しながら
粛々と進めているところです。

個人的には,今年度はじまった
九州工業大学情報工学部さんの
「情報」専修免許 免許法認定公開講座を受講します。
実は,明日(というか今日ですね)が
その第一回の講義です。
科目名は,「計算機システム特論」という
難しそうなものです(笑)。
日曜日で,娘の運動会と重なってもいますから
天気次第では,朝公開講座に行って,
午前中の講義を受けたあと,
いったん,運動会に出向いて
再度講義に戻るという
行ったり来たりの一日になりそうです(笑)。

各科目1/5しか欠席が認められませんので,
何とかぎりぎり単位取得ができるという線です。
厳しいですね。
休んだ分は,Apache,MySQL,PHPおよびXoops等を
使って作られているmoodleというe-ラーニングシステムを
用いながら,Web上で勉強できるようにしてくださるそうです。
ありがたいですね。

平成12年の3月に九州大学で
新教科「情報」現職教員等講習会講師の研究協議会で
5日間真剣に学んだ
当時の真新しい気持ちに戻って
しっかりと勉強させていただこうと思っています。

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ようやく年賀状を出し終えました

今し方、予定したすべての年賀状を書き終え、
郵便局に出してきました。
遠方の方から順に書いては出してを
繰り返したのです。
最初に他県の方の分を投函したのは、
26日の朝でしたから、
それから6日がかり
(途中2日間中断あり)で
県内の方の分を
仕上げたことになります。

昨年度が異動の挨拶も兼ねて、
200枚ほどだったのですが、
今回は何と倍増の400枚を
優に超える枚数になりました。
今年一年の間に知り合い、
名刺交換をした方には
原則としてお出ししたからです。

宛先と、文面のベースは
プリンタで印刷しましたが、
全員の方に4,5行ずつ
手書きで挨拶文を書きました。
手書きで一言添えるというのは、
年賀状を書くに当たって
常に心がけてきたことではあります。

今だからこそ、書けますが
昨年は、暮れの27日夜に
交通事故に遭い、
救急車で病院に運ばれ
入院しておりました。
年賀状を作るどころの話ではなく、
寝たきり状態でした。

幸い、宛先リストと文面は
完成していましたので、
データを弟に取りに来てもらい
印刷から投函まで
すべてやってもらいました。
したがいまして、
手書き添えも当然ありませんでした。
付き合いの長い方は
「?」と思われたかもしれませんね。
実はこういう事情だったのです。

今、こうして
私の手元にある名刺や、
書き終えたばかりで
感触がまだ手に残っている
各地に運ばれていくであろう
莫大な量の年賀状の数々が
この一年間の私の仕事が
いかに充実していたかを
雄弁に物語ってくれるように思います。

このブログの中で、
たびたび書かせていただいておりますが、
情報教育に携わるようになって
人と人とのつながりや絆といったものを
より強く意識するようになりました。
もし私が、生物教師のままだったら
これほどたくさんの名刺は
手元にないでしょうし、
年賀状の枚数もあまり増えなかったでしょう。

12月3日に終えた
実教出版さんの
教科「情報」授業支援セミナーが
今年最後の大仕事と思っていましたら、
思いがけず、
27日に大学生協九州事業連合さんの
パソコンスキルアップ講座で
高校現場の様子を語って欲しいという
依頼を受け、
ここ数週間はその準備にかかりきりでした。
並行して年賀状の作成も行い、
ようやくそれらすべてを
終えることができたという訳です。

忙しさにかまけて
怠けがちだったこのブログですが、
年明けからは、
初心に帰って
またこまめに書かせていただこうと思っています。
ご訪問くださった方、
来年もどうぞよろしく
お願い申し上げます。

以前、予告をしておりました
日本文教出版さんのICT-Education28号
寄稿させていただきました原稿が
バックナンバーとしてウェブに掲載されました。
ご一読くださると幸いです。

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とても嬉しいこと2つありました

今日は、一日研修を受けました。最初に、
「サイバー犯罪の現状について」という題で、
警察署の方から講義を受けたのですが、大変
わかりやすく、よくまとまっていましたので、
テキストファイルにしたものを下に
載せさせていただきます。
文責はすべて私にあります。

研修終了後、近くの中学校4校を訪問しました。
詳しくは書けませんが、
以前「惚れて通えば‥」という内容で
このブログに書いておりました
私の切なる願いが叶いかけてきた
とだけ報告させていただきます。
とても嬉しく、温かい思いに満たされながら
帰途に着きました。

私は、コミュニケーションツールとして
特にメールをよく利用します。
いつでも、どこでも
メールが受信できるように
AirEdgeを年間契約しています。
これまで、AH-K3001Vという
ブラウザとして最初にOperaを
採用し、話題になったPHS機を
使っていたのですが、
インターネットにつなぐたびに
USBケーブルでノートパソコンに
接続する必要があり、
煩わしく感じていました。

立ち寄った電機店で
契約10ヶ月以上は格安で、
PCカードタイプのAH-H407Pに
機種変更できるとのことでしたので、
思い切って替えることにしました。

完全にノートパソコンのスロット内に
収まり実に快適です。
無事セッティングも済み、
メールの送受信ができました。
ユビキタス環境に
また一歩近づいたかな?と思い
こっちの方でも嬉しい気分になりました。
楽しい週末を送れそうです。

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「サイバー犯罪の現状について」

1 インターネットの現状

 むずかしいことはやさしく。
 やさしいことは深く。
 深いことは愉快に。

(作家、劇作家 井上ひさし)

伝えたいことはたくさんあるが、何かきっかけになって
くれればと思う

今すぐ情報セキュリティ
サイバー犯罪の検挙
 インターネット詐欺
 出会い系サイト
 学校別掲示板

インターネットの現状
 場所が分からないとき‥インターネットで検索
 地図を調べる(ソフトを買わなくても良い)
 天気を調べる(インターネットで)

インターネットの普及率 7948万人
            人口普及率 62.8%
            
 ※ 携帯電話の分も入っている
   モバオク
   出会い系サイト99%以上携帯電話

6416万人がパソコンを使う
インターネット常時接続‥外部からの接続
            フィッシングの踏み台にされる

2 サイバー犯罪

サイバー犯罪
 インターネット、携帯電話などの情報技術を利用した犯罪

不正アクセス、企業サーバに侵入というイメージがある
が、従前の犯罪が、インターネットを使って行われるよ
うになってきた。

脅迫予告
 昔は新聞の切り抜き
 今はインターネットで

・匿名性が高い
  私書箱を使う(身元確認なし)
  犯人が特定できない
  インターネット環境は至る所にある
  インターネットカフェ
  1コインで使用できる場所がたくさんある

・犯罪の痕跡が残りにくい
  オークションの場合、相手とのやり取りはメールのみ

・不特定多数の者に広く被害が及ぶ
  中学生でもネット詐欺をする時代
  全国に広がる
  だれでも犯罪者になる
  掲示板詐欺(もろ画像)

・時間的・場所的無限定性
 (国境がない→ボーダレス)
  時間と場所を超越する
  みんなで一緒に研究しようと始まったインターネット
  みんなで取引を行う
  アメリカでポルノ解禁
  .comだからアメリカか?というとそうではない
  年齢認証18歳以上か? 日本の風営法
      21歳以上か? アメリカの州法で決まっている

  エロ動画、無修正画像いくらでも手に入る

  日本が抱えている問題
   児童ポルノ(規制が甘い)
   アニメ動画の規制が日本にはない
   各国から日本の児童ポルノが流出

 不正アクセス禁止法
  上半期だけで 1012件
 県警の検挙件数
   平成16年    37件
         (大多数はインターネット利用犯罪)

    相談件数
   平成16年末 7614件
   詐欺、悪質商法、インターネットオークション
   相談内容が年々深刻になっている
   北九州詐欺団 被害総額2億以上
   DVDの原価(何円か)
    → 400円ぐらいで

 下着撮影等で報酬‥二度と取り返しがきかない
 いったんインターネットに流出したものは、二度と回
 収できない
 ディジタルの世界なので、複製され無限に広がる

 出会い系サイト90%以上が携帯電話
 児童買春、児童ポルノ違反、売春と買春

 出会い系サイトを契機とした
  299件(前年と比べ72件減少)

・ネットカフェから不正アクセス

・ネット上でわいせつ画像公開

・チャットで中学生を脅迫

・グラビア画像を無断でオークション販売
 ディジタル万引き、スキャナで取って
 漫画の単行本
 mp3のオリコンチャート1位から30位まで
 無修正画像
 封切り前の映画

・出会い系サイトで知り合った児童を買春

・ネット上で覚せい剤犯罪

・ソフトウェアをネット上で無断配布

・オークションで偽造ハイウェイカードを販売

・メールで女子高生を脅迫

yahooオークションIDがメールアドレス
ID、パスワード‥盗まれ、オークション詐欺に

3 ビデオ教養 インターネット安全教室
4 事例紹介と対処要領

(1) フィッシング詐欺にご用心
    ニセのメールを送りつけるなどしてクレジット
    カード番号や暗証番号を入力させられる。

(2) 無線LAN
    セキュリティをかえていないと危険
    使い放題になる
    無線LANを使うときは必ずセキュリティ設定をする
    電波が届く範囲であれば使用できるという状態は避ける。

(3) ウィルス対策ソフトは常に最新のものに
    使用期限切れに注意

    フィルタリング‥破る方法がある、完璧ではない
    ・windowsアップデートを必ずする
     Cドライブがなくなるとか、踏み台にされるとかの危険
    ・ウィルス対策ソフトを入れる
     メールチェック
     ウェブページカット
     ダウンロードチェック等すべてこなす
    ・ウィルスソフトの最新パッチを当てる
     インターネットに接続しないとできない
    ・ファイアーウォールの設定

    最近のウィルス
    CD-Rが送られてくる→再生してみる
              ID,パスワードを第三者に通信して送る
    画像を見るだけで、ウィルス感染

(4) 慌てないで脅しメール
    ワンクリック詐欺
    メールを使った脅しや不当請求には冷静に
    警察や生活安全センターのサイトを

    メールアドレスはわかっている
    プロバイダを調べればわかる
    といった脅し
    プロバイダは民事では情報公開しない
    脅しメール 2% 実際に払う
          5% 返信を打つ

(5) オークション詐欺に注意
    オークションを利用するときには、安全確実な
    取引が出来るサービスを利用
     ‥トラブルを避ける。

    非常に手を焼いている
    架空口座がある。相手との面識はない
    最新の犯罪者は中に砂を詰めて送ってくる
    債務不履行であって犯罪に直結するとは言えな
    い部分もある
    何を信じたらよいのか?
    インターネットは不特定多数が使用している。
    悪人も利用している
    インターネットの根幹が揺らぐ‥経済に使えるのか
    ある段階まで、評価を高める。古物商免許を取る
    →信用を得て、ある日詐欺を働く

(6) ブログやホームページの注意点
    個人情報や写真に注意
    個人情報の取り扱いに注意し、マナー違反や著
    作権違反をしないように
    社会のルールやプライバシーを守る
    試写会への応募
    インターネットでやると手軽
    ダイレクトメールがどんどん来るようになる
    個人の情報‥どこまで信頼があるのか、不安が募る

架空請求 
 ・支払わない
 ・無視する
 ・メールアドレス等の変更
 脅迫、恐喝好意がある場合
 →最寄りの警察署に相談

相手の確認
 →あらゆる連絡手段を使う
催促、請求
 → 証明(内容証明郵便等)

掲示板での個人情報
 電子掲示板に名前、電話番号などが掲示されている、
 また悪口などを書かれている。どうするか?

 ・削除依頼
   →掲示板の管理者、プロイダに削除依頼
    (プロバイダ責任法)
 ・名誉毀損等悪質な場合
   →最寄りの警察署に相談

 表現の自由があり、掲示板を丸ごとなくすことはできない
 被害届を出す‥処罰の意志を持って犯人逮捕を

出会い系サイト
 俗に見知らぬ人との出会いを支援するウェブサイトの総称。
掲示板・チャット・私書箱など、システムはさまざま。
多く、異性との出会いを目的にしたものをさす。
(三省堂辞書より)

現実社会と同じで犯罪になること
出会い系サイトを通して犯罪が行われていること

出会い系サイト規制法
 誘引する内容を書き込めば、児童でも逮捕される

・強制わいせつ
・誘拐
・児童福祉法違反(児童ポルノ)
・不正取引・児童売春周旋

 ※携帯電話もフィルタリングがかけられる。

○ルールやマナーを守る
○不用意に個人情報を出さない
など

警察庁  http://www.npa.go.jp/
福岡県警 http://www.police.pref.fukuoka.jp/
      092-641-4141

質問
Q オークションについて
 yahooオークションを使っている生徒が多い
 出品をする場合、サクラのような友人を利用して高値
 になるようにつり上げた場合、犯罪行為になるのか?

A 業者がつり上げをやっている例はある
  価格競争だけだと犯罪に当たらない
 (立件が非常に難しい)

Q 友人同士でやった場合、どうなるか

A 実際にその値段で落とそうと思っただけですと言わ
  れたら仕方がない

Q サイバー犯罪とは違うが、マンション経営の話が毎
  日のようにかかってくる  教職員名簿が流出して
  いるらしいが、犯罪にならないのか。

A 名簿屋という業者が実際にいる
  個人情報が付加、過去の取引‥高く取引される

  個人情報保護法はあるが、適用された例は少ない

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「情報産業と社会」におけるメール実習

私が勤務する嘉穂総合高等学校は、
情報を基調とした教育を行う
情報科学高校という理念のもとに
設立されました。

私は、学校創立と同じく
平成16年11月1日付で
前任校の太宰府高等学校から異動し、
赴任しました。

私を待っていたのは、
ITシステム科の主任に加えて、
校務分掌の柱の1つである
情報管理部の主任という大きな職責でした。

私がまず手がけたのは、
情報を基調とした学校の
具体的なコンセプトを作る仕事です。

私は、
E-learning,Communication,Open space
の3つを理念とすることを提唱し、
中学生にもわかりやすく表現するために
3つの言葉の頭文字をとって、
ECOという略号を用いることにしました。
詳しくは、学校の公式ウェブ
掲載しておりますので、
よろしければご覧下さい。

3つの理念のうち、
特に今授業で教えている内容と
関わりが深いのがCommunicationです。

昨年度まで、普通科高校である太宰府高等学校に
勤務し、「情報A」を担当していました。
授業で、メール実習を行うときには、
フリーソフトである
BlackJumboDogを利用して、
教師機にメールサーバを立て、
あらかじめ、メールアカウント登録用の
テキストファイルを作り、
一学年分のアカウント作成や
クラスごとのメーリングリスト作成などを
行っていました。

こう書くと簡単そうですが、
実際400名分のアカウントとなると
結構たいへんな作業ですし、
いざ授業に臨むと
何かとトラブルに見舞われることも
度々ありました。
特に、自分以外の先生が
担当してあるクラスで
トラブルが起こった時は、
すぐに対処することもできず、
授業に遅れを生じる原因にもなっていました。

今年度(というよりも将来にわたって)、
嘉穂中央高校と嘉穂総合高校の全域を結ぶ
ネットワーク上に
ディジタル・アーツ社の
コミュニケーションサーバを立てました。
Linuxで動くシステムで、
どうやら私が勉強中のPHPを使った
ウェブアプリケーションのようです。

コミュニケーションサーバによって、
メール・掲示板・アンケート・回覧板・
データボックス・ウェブ教材・ホームページ作成・
チャット等をイントラネット内で使用できます。

しかも、インターネット上に氾濫する危険、
不適切な情報を遮断するフィルタリングソフト
である「i-フィルター」と
いじめや誹謗中傷、差別発言等を
未然に防止するための
言葉に対するフィルタリングソフト
である「m-フィルター2」が
組み込まれており、安心して使用できます。

今日の「情報産業と社会」の授業では、
座学で勉強した電子メールのマナーや
ネチケットの内容を
さらに深めることを目的に
パソコン教室における実習を行いました。

具体的な内容は次の通りです。

(1)各自ID,パスワードを入れさせ、
   コミュニケーションサーバ上の
   グループウェアである
  「ジョイコミ!」にログインさせる。

(2)多くのメニューの中から
   電子メールを選択させ、
   授業で学習した
  「宛先」「CC:」「BCC:」
  「件名」「本文」「添付ファイル」
  といった各項目が
  画面上にあることを確認させる。

(3)宛先欄に自分のアドレスを入れさせ、
   「件名」「本文」をきちんと書いて
   送信させる。
   本文の最後には、必ず署名をつけるよう
   指示し、中間モニタを利用して具体的に署名を
   書く様子を生徒に見せる。

   ※日本語入力で、アルファベットや
    記号を入力し、うまくいかない生徒が
    いることが多いのでフォローする。

(4)メールアドレスの先頭部分は、ID(出席番号)
   なので、クラスの友人にメールを出させてみる。
   この際、「宛先」「CC:」「BCC:」の
   それぞれを利用した同報メールを試させる。

(5)教師側から送ったメールに対する返信を出すことを
   本時の課題として与える。
   その際、返信の場合はReplyの省略形であるRe:が
   頭につくので、
   基本的に、件名は自動的に入る分を
   そのまま残す形でよいことを説明する。
   また、同報メールの方法についても
   具体的に指示を加える。
   添付ファイルを必ずつけさせるようにさせ、
   ファイルとしては、実習や文化祭の作業を通して
   生徒たちが制作した作品を選ばせる。

   ※課題の評価の規準として、
    指示を正しく守っていれば合格ラインである
    B評価を与えること、
    添付ファイルや本文の内容に、
    オリジナル性や工夫の跡が見られる場合、
    さらに上の評価が与えられることを説明する。

(6)メーリングリストのアドレスをホワイトボードに
   書き、宛先にアドレスを入れて送信する場面を
   中間モニタを通して見せる。
   課題を提出し終えたものは、
   メーリングリストに、クラスメートに対する
   メッセージと題して1本ずつ投稿するように
   指示する。

実際に授業してみて、ほぼ予定通り1時間(50分)で
(1)~(6)を消化することが出来ました。
途中、言葉のフィルタリングによって、投稿不可になった
生徒に対しては、
「インターネット上で、本当にそのメールを出していたら、
相手に不愉快な思いを与えたり、
思わぬトラブルに発展したりしたかもしれないよ」
と諭しました。

以前も、このブログの中で書いたのですが、
私は「情報」の授業の中で
閉じられたバーチャルネットワーク
(イントラネットなど)を利用して
情報倫理やネチケットに関するトレーニングを
十分積ませてからでないと
インターネットに接続させるのは危険だと
思っています。

ちょうど自動車学校で、十分練習を積み、
仮免許を取得して初めて路上実習ができるようなものです。
本校のように、常時バーチャルネットワークが
利用できる環境を整えた高等学校は
あまり多くないと思いますが、
今後リース更新等のソフトウェア整備において
県の標準仕様に入れる方向でも
検討すべきべきではないかと思います。

Microsoft社が学校向けに無償提供している
School Communication Kit
言葉のフィルタリングはないものの、
一通りのグループウェア機能は備えているようですので、
これを試してみるのも手かもしれませんね。

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「普通教科『情報』実施における課題と工夫」

明日は、筑豊地区の
普通教科「情報」研修会に参加します。
昨年度は、福岡地区で
私自身が研究授業を行った研修会です。

今年度は、立場替わって見学をするわけですが、
宿題として出されていた
「普通教科『情報』実施における課題と工夫」
を先ほどまで学校に残って、
書き上げましたので引用することにします。

---「普通教科『情報』実施における課題と工夫」-
福岡県立嘉穂総合高等学校 情報C 倉光 浩二

1.学習内容について
・年度当初に教科「情報」の意義と目的を
 きちんと説明し、理解をさせた上で授業を行う。

・ガイダンスにおいて、ノートの取り方を
 具体例をもとに説明し、併せて座学における年度
 を通した評価規準を示し、周知徹底をはかる。

・基本的に教科書の内容にしたがって、
 生徒の立場でわかりやすい授業を展開するよう
 心がける。

・板書の内容を精選し、かつ工夫を凝らすことにより
 生徒の学習意欲を喚起する。

2.実習について

・常に同じ環境で実習が出来るように次のように
 環境整備に努める。

 ①ID,パスワードを一人ずつに与え、
  正しくログオンできるとネットワーク上に
  個人フォルダが作られるようにする。

 ②グループウェアを導入し、
  校内イントラネット上という
  バーチャルネットワーク環境における
  実習ができるよう整備する。

・ソフトウェアを利用する際、
 その目的とすることを明確にし、
 座学で基本的な事項を きちんと説明した上で
 用いるようにする。

・単元ごとにグループで作業させる内容と
 個人で 作品制作および発表をさせる内容とを
 適宜使い分けるようにする。
 特に、情報の発信における
 プレゼンテーション実習は
 個人単位で実習をさせるようにしている。

3.教材について

・生徒の興味を引く内容を精選して与える。

・座学においては、基本的に板書を用いて
 教材を提示し、プリント配布は
 必要最小限にとど  めるようにする。

・必要においてビデオ教材やマルチメディア教材
 といった視聴覚に訴えるものを利用する。

4.評価について

・座学・実習ともに授業の最初に評価規準を
 生徒に提示し、周知させた上で学習活動に
  入らせる。
 それをもとに、生徒に対して
 毎時間自己評価を行うようにさせている。

・座学における評価規準として、
 合格ライン(B評価)を次のように示している。

  ①授業に積極的に参加し学習して、
  本時の内容を自分の言葉で
  簡潔に説明できること。

②板書事項をきちんと
  自分のノートに写すこと。

・実習における評価規準は、
  学習課題ごとに、目的と併せて
  伝えるようにしている。

・実習においては、教師評価・自己評価に加え、
  相互評価も取り入れて、情報の分析能力の
  一環として客観的評価能力の育成をはかり、
  その能力自体も評価の対象としている。

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第12回定例研究協議会盛会裡に終了

福岡情報教育授業研究会
第12回定例研究協議会
(正確には第11回までは、
前身の福岡地区教科「情報」授業研究会でしたが、
通算して数えることにします)
が25日(金)光陵高校を会場として行われ、
大盛況の内に終えることが出来ました。

参加者は25名で、
内訳は小学校1名、高校21名、大学3名でした。

内容としては、

(1)恒例の会場校発表(光陵高校)

1年生における必修「情報A」と
3年生における選択履修「情報B」
それぞれの授業実践が紹介されました。
具体的に教材の内容を提示しながら
わかりやすく説明され、
授業の様子を把握しやすいように
工夫してくださいました。

毎時間指導案の形で講義・板書計画を立て、
各担当者がそれをもとに
授業を展開してあるという実践形態が
特に印象に残りました。

「情報B」のアルゴリズムの教材として、
5年前に私が現職教員等講習会の講義用に
作った問題が使ってあり、
驚くとともに嬉しく感じました。
このようにお互いが作った教材が
共有できることが、
ディジタル化の1つの利点でもあると思います。
今後もこの研究会あるいは、
先月立ち上がった
福岡県高等学校情報科研究部会において、
教材の共有化を進めて行ければと思います。

(2)研究協議
今回は、行事の名称通り
ぜひ参加者全員による研究協議ができればと考え、
「情報モラル」の資料と
教材例を準備して臨んでいました。

結果的に、会場校発表の質疑応答に
端を発して
期せずして「情報リテラシー」に関する
ディスカッションをすることができました。

内容としては、
「コンピュータリテラシー」と
「情報リテラシー」の違いについてから始まり、
児童・生徒・学生の「情報リテラシー」を
高めるために
各学校がどんな工夫をしているかを
紹介し合う形になりました。
参加者一同大いに参考になり、
それぞれの現場に還元できる
内容だったのではないかとに思います。

(3)九州産業大学情報科学部における
   講義記録システムの紹介

毎年夏休みに
九州産業大学が実施してある
IT講習会に
今年度参加させていただき、
最終日の意見交換会で
多くの大学の先生方と面識を得ることができました。
今回もその中のお一人が参加してくださいました。

意見交換会終了後、
学内見学会が行われ、
丁寧な解説を伴い、設備を見せていただきました。
学生一人ひとりに
ノートパソコンを貸与されている関係で、
全教室に情報コンセントが配備されています。
学生の立場に立つと
理想的とも言える
素晴らしい環境であると思いましたし、
高等学校現場の状況を鑑みて
うらやましくも思いました。

中でも、感銘したのが、
情報科学部の全部の講義をビデオ記録し、
学生が復習のために見たり、
教官同士がお互いの講義を
見合ったりできるという点です。

そこで、今回定例研究協議会の参加者の方に
もよろしければ紹介をとお願いし、
それにお応じてくださったわけです。

お聴きしたことをまとめますと、
講義記録は、
当初FD(Faculty Development)を
目的として始められたそうです。

そのために、
全講義室にビデオカメラと
マイクを設置してあるそうです。
特に大講義室の装置は、
アングル切り替えや
講義担当教官によるモニターも可能だそうです。

配信は、Real Videoのストリーミング形式で行い、
過去4年分の全講義を
ウェブ上で検索可能にしてあるそうです。

現在のところ、
学外からは見ることが出来ない仕組みだそうです。
学生からは、自宅で見たいという要望もあり、
対応を検討中とのことです。

複数の教官で担当する際、
お互いに見合うことも多々あり、参考になるそうです。
学生にとっては、
レポートの課題の確認などに
特に役立つそうです。
試験前は
アクセス件数が
特に伸びるというデータもあるそうです。

研究協議の内容等も現在、
携帯電話のICレコーダで
録音したものを
少しずつ聞き直したりしながらまとめています。
公開できる分につきましては、
また後日紹介したいと思います。

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ネチケットの単元で手応えを感じました

「情報産業と社会」の授業がありました。
今日は、ネチケットの項目を中心に
説明を行いました。

例によって、講義・板書計画です。

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ネチケット
 ‥ ネットワーク上のエチケット

電子メールにおけるネチケット

・メールソフトによっては、
送付情報が表示されないものがあるので、
文末に送付者の名前(署名)を入れるようにする。

・サイズの大きなファイルは
必ず分割や圧縮をして添付する。
送付するデータは、
できるだけ小さくするように心がける。
→ 添付ファイルは、人間関係が築けてから。
  あるいは、相手からの要請があった場合。

・電子メールは、
相手が受け取ったかどうか基本的にはわからない。
そのため、内容の重要度に応じて、
受け取ったむねの回答(reply)を返すようにする。
→ 開封確認は、あまり良い感じを与えないので
  なるべく使わない。

・誹謗、中傷する内容のものはもちろん、
感情的な内容の電子メールは送らない。
→ 冷静な状況で、よく読み直してから送信する。
  一度送信したものは、二度と訂正がきかない。

・1行の文字数は日本語で30文字以下にし、みやすくする。
→ メールソフトによっては、自動的に改行できる機能がある。

情報社会の課題

氾濫する情報への対応

インターネットの普及
 → Webページや電子メールなどから容易に情報入手
   容易に情報発信
    → 情報の氾濫・・本当に必要な情報はごくわずか
      責任をもつことが必要

情報モラルの浸透

情報モラル
 ‥ ソフトウェアの数十%は違法コピー
   情報モラルの浸透や教育の遅れ
   著作権を意識して、情報モラルを考えた行動を

健康への影響

パソコンの多用‥健康への影響
 例)VDT障害(目・肩・神経および精神など)
  → 正しい姿勢、照明の位置、定期的な休息
    個人の自己管理が重要

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電子メールは今や、情報産業における
最高の情報通信ツールであると説明し、
ただし、仕事で使えるのは、あくまで
PCメールであって、携帯メールは
サブ的な役割はできても
主として使うことは出来ないということを
強調しました。

生徒はともすれば、
メール=携帯メールというイメージを
抱いているのですが、
仕事の上でという限定をつけた場合、
やはりPCメールでなければ、
使いこなせない部分があります。

電子メールを中心に、
授業を進めていくと、ある時点から
生徒の関心の度合いが劇的に変化し、
しーんと静まって
耳を澄ませて聞いていたのがよく伝わり、
手応えを感じました。

それは、同報メールの使い分けとして、
「宛先」「CC:」「BCC:]
それぞれの説明をしていった時のことです。

生徒たちは、宛先に複数並べたり、
CC:という機能があったりすることについては
何となくは知っていたようですが、
詳しい使い分けについては
初めて学習するらしく
興味津々でした。

まず、宛先に複数並べることが出来るのは、
仕事上では、同じ会社の複数の人に出す場合
に限った方がよいことを説明しました。

また、JV等の形で、
複数の会社が共同作業をしているような場合、
CC:で出すことにより、
自分宛のメールを誰が読んでいるか
知らせることができて好都合であることや、
自分の上司に報告するために同報メールを用いる
場合は、BCC:を使った方が望ましいといった
ことを語りました。

将来情報産業に就きたいと思っている生徒も
多く、電子メールについての関心は殊の外
強いようです。

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